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タイカ・ワイティティ最新作『ジョジョ・ラビット』米国版新予告編 ─ ドイツ人少年とユダヤ人少女の出会い、そこに空想上のヒトラー

https://www.youtube.com/watch?v=tL4McUzXfFI

『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティが監督・脚本・出演を務める、映画『ジョジョ・ラビット』の米国版新予告編が公開された。温かい人間ドラマと独自のユーモアで優れた作品を送り出しているタイカ監督が、本作で渾身の“反ヘイト風刺劇”に挑む。

物語の舞台は第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョは、空想上の友だちであるアドルフ・ヒトラーの助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していた。教官の教えを受け、実地演習や待ち伏せ作戦に挑戦するも、「そんなのできない」と弱気なジョジョに、アドルフはきらきらと目を輝かせて「大丈夫、できるよ」。

失敗続き、本を燃やすことに楽しみを見いだせないジョジョは、ふたり暮らしの母親から「大人になるのが早すぎるよ。10歳で戦争を喜んだり、政治の話をしたりすべきじゃない」と声をかけられる。その一方、秘密警察ゲシュタポの男は「多くの少年たちが盲目的に熱狂してくれればと願います」と一言。そんな中、ジョジョは友人ヨーキと「ユダヤ人はお互いに心を読めるって知ってた?」との話をする。

ある日、ジョジョは、母親が家の小部屋にユダヤ人の少女を匿っていることを知る。「私のことが分かるでしょ、言ってみて」。ジョジョが「ユダヤ人?」と尋ねると、少女はドイツ語で「お大事にね」と答える(編注:英語で「ユダヤ人?(A Jew?)」と尋ねるセリフの音が、くしゃみの音“Achoo”に似ているため)。パニックになったジョジョはアドルフに相談する。アドルフも「大変なことになったな」と狼狽し、「どうしよう?」「わからない」。ジョジョが決意して「話し合う」と言ったのと同時に、アドルフは「家を焼こう、それでウィンストン・チャーチルのせいにする……か、話し合うか」。

ともあれ、ジョジョと少女は関係を深めていく。母は「愛がこの世界で一番強い」と言い、少女は「あなたのお母さんが入れてくれた。親切な人だね、私を人間として扱ってくれる」と話した。一方のアドルフは、ジョジョの「悪い人だと思えないんだ」という言葉に不満げだ。少女「僕は敵だよ」とジョジョが打ち明けると、彼女は「あなたはナチじゃない。ヘンな服を着るのが好きで、クラブに参加したいだけの、ただの10歳の男の子」と返すのだった。今回の予告編は、ドジなヨーキが盛大にヘマをやらかし、「ナチにいてもいいことないな」とぼやく場面で締めくくられている。

少年ジョジョ役は新人ローマン・グリフィン・デイヴィス、母親ロージー役は『マイティ・ソー バトルロイヤル』にもカメオ登場したスカーレット・ヨハンソン。自宅にかくまわれる少女を『足跡はかき消して』(2018)の新鋭トーマサイン・マッケンジー、ナチスのキャンプ・リーダーを『スリー・ビルボード』(2017)でアカデミー助演男優賞に輝いたサム・ロックウェルが演じるほか、『ピッチ・パーフェクト』シリーズのレベル・ウィルソン、「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)シオン役のアルフィー・アレン、『LOGAN/ローガン』(2017)のスティーヴン・マーチャントが登場。脚本・監督・製作、そしてアドルフ・ヒトラー役はタイカ・ワイティティが務める。

映画『ジョジョ・ラビット』は2020年1月全国ロードショー

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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