『ジョーカー』初期編集版は2時間35分あった ─ コミックの要素も削除、トッド・フィリップス監督が明かす

ホアキン・フェニックス主演で“狂気の犯罪王子”の誕生を描く映画『ジョーカー』が公開を迎えた。ともすれば長くなりがちなコミック映画において、本作は122分というタイトな上演時間で、主人公アーサー・フレックがジョーカーになるまでを描いていく。
脚本・監督のトッド・フィリップスが米ComicBook.comに明かしたところによると、『ジョーカー』の初期編集版は2時間35分あったとのこと。そこから編集を重ねて、スピーディだがゆるやかに展開していく、独自のストーリーテリングが誕生したのだ。
「ファースト・カット(最初の編集版)は2時間35分ありました。それをチェックして、何回か見直して、“あそこは必要ない、ここも必要ない”と。ですが、ある展開をまるごと削除するということはありませんでした。全体的に余分なところを削っていったんです。自分の映画はタイトな方がいいと思っていますね。」
フィリップス監督は、これまで『ハングオーバー!』シリーズや『デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜』(2010)など、主にコメディ映画を多数手がけてきた人物。『ジョーカー』の編集にあたっても「100分以上のコメディ映画はそうありませんよね」と述べ、「立ち止まらない映画にしたかった」と語っている。
ちなみに監督いわく、削除されたシーンには、ブルース・ウェインをはじめとするDCコミックス作品の要素も含まれていたという。本作は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2017)などのDC映画ユニバースとは世界観を共有しない独立した作品として構想されていたため、コミックの要素とオリジナルの要素のバランスを取ることには苦心したようだ。
「初期の編集には、(コミックの要素が)もっと含まれていたと思います。全体的にもっと多かったですね。だけど面白かったのは、コミックの世界に片足を突っ込みながら、もう片方の足はそこから出ているという状態をキープすること。そのバランスを決めるのが難しかったんです。けれどもこの映画は自由に作ることができました。コミックについていえば、DCという会社も、ワーナーというスタジオも、僕たちがやりたいことをやらせてくれたんです。“バットモービルについて言及するように、それから…”なんてことは一切なかったんです。」
となれば、いやおうなしに楽しみになるのはブルーレイの特典映像なのだが、そちらについて考えるのは少し気が早いというものだろう。まずは劇場で、122分の物語をじっくりと噛みしめることにしたい。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。
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Source: ComicBook.com