映画『ジョーカー』DCコミックスの重鎮ジム・リーが絶賛 ─ 新たなジョーカー像に感銘、コミックへの反映も示唆

ホアキン・フェニックス主演、コミック屈指の人気ヴィランである“狂気の犯罪王子”を描く映画『ジョーカー』に、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジム・リー氏が絶賛の言葉を贈った。ライター、アーティスト、編集者として輝かしい経歴を誇るジム氏は、いまやDCのみならずアメコミ界の重鎮である。
ヴェネツィア国際映画祭で世界初上映を迎えた『ジョーカー』は、新たな解釈でジョーカー誕生の起源を語り直す物語。しかしジム氏は、本作が決してコミックの解釈を逸脱する作品ではなく、むしろそれ以上の要素が秘められた作品だとコメントしている。
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「トッド・フィリップス監督の『ジョーカー』は、激しく、生々しく、魂のこもった作品。彼は、ジョーカーの解釈がコミックのルーツとは大きく違うのだというお話をされていますが、“ジョーカーとはかくある人物だ”という私たちの理解に一致しないところは全くありません。むしろホアキン・フェニックスの魅力的かつ心をかき乱す演技は、我々の愛すべきヴィランについて、深く完全な洞察を与えてくださいました。
いくつかの要素は、これまで展開されてきた、そして現在進行している私たちの(コミックの)物語に取り入れられることになると思います。力強く、説得力のある物語だからこそです。そして間違いなく、長年のDCファンは、このつらく苦しい教訓の物語がもたらす多くの事実と疑問をひも解くため、長い時間を費やすことになるでしょう。」
ここでジム氏は『ジョーカー』で描かれたジョーカー像、ホアキン・フェニックスによる演技に最大限の賛辞を贈っている。長年コミックやジョーカーを愛してきたファンに対して、しっかりと作品を薦めることも忘れなかった。
脚本・監督を務めたトッド・フィリップスは、以前『ジョーカー』のストーリーについて「コミックは意識しませんでした。ファンは怒るかもしれませんけど」と述べ、「ジョーカーをやるのではなく、この男がジョーカーになる物語をやる」のだと語っていた。しかし、どうやら作り手たちはジョーカーというキャラクターを研究し尽くしたうえで映画版に臨んでいたようだ。
『ジョーカー』はヴェネツィア国際映画祭で8分間にわたるスタンディングオベーションを受け、すでに熱狂的な支持を獲得。アカデミー賞をはじめとする映画賞での健闘にも期待が高まっている。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。