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『ジョーカー』ホアキン・フェニックス、現在も続編には否定的 ─ 「ヒットしただけではやりません」

ジョーカー
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

DC映画『ジョーカー』は、2019年10月4日(金)の日米同時公開から1ヶ月を経た現在も、アメコミ映画の歴史に残る世界的ヒットを継続している。全世界興行収入は9億ドルを突破しているほか、R指定作品として『デッドプール』シリーズを抜いて歴代記録を樹立。日本国内でも、興収ランキングの首位を4週連続でキープするという偉業を成し遂げた。

現在のハリウッドにおいては、これほどの成果を挙げた作品に続編が作られないことは考えづらい。しかし、脚本・監督のトッド・フィリップスは、早くから「続編の計画はありません」「今回で終わりです」断言してきた。ただし監督は「ホアキン・フェニックスのためなら何でもやる」とも述べており、ホアキンさえ乗り気になれば続編も作られうる状況だ。では、肝心のホアキンはどうか。

The Los Angeles Timesのインタビューで、ホアキンは現在でも『ジョーカー』続編に否定的な姿勢を貫いていることを明らかにしている。「1作目が成功したというだけで続編をやるようなことはしません」と言い切ったホアキンは、「そんなのはバカげてる」とまで口にして、現在の大手スタジオの傾向にも厳しい視線を向けた。ホアキンにとって大切なのは、興行成績ではなく、それが映画を作るに値するだけの物語なのか、自分が惹かれる企画なのかということなのである。

特に関心のないものを繰り返しやることに、自分が組み込まれてしまうのが恐ろしいんです。それでやる気が出たり、面白がれたりはしないから。(『ジョーカー』では)そういう見込みがまったくなかったことも魅力のひとつでした。今回の作品かぎりで、それ以上の契約は結んでいません。」

とはいえ、ホアキンにとってアーサー・フレック/ジョーカーという役どころが魅力的だったことは事実のようだ。『ジョーカー』の撮影が始まって2~3週目のころ、ホアキンは監督に対して「続編の話を始められないかな、(役柄について)掘り下げるものが多すぎる」と口にしていたそう。「一種の冗談で、本気ではなかったですけどね」。ちなみにホアキンは、撮影中に「このキャラクターはどんな映画にでも出せる」と主張し、自分が演じたジョーカーの写真を名作映画のポスターに合成して遊んでいたことも明かしている。

「撮影現場でカメラマンが撮ってくれた写真を、僕がPhotoshopを使って、古い映画のポスターに貼り付けていたんです。『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)や『レイジング・ブル』(1980)、『愛のイエントル』(1983)とかね(笑)。もしもそのポスターを見たら、みんなが“その映画、観たい”って言うと思いますよ。『愛のイエントル』にジョーカー、最高じゃないかって。」

ちなみにフィリップス監督は、「『愛のイエントル』のことはハッキリ覚えてます」と証言。「あとは『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1995)に、『ハングオーバー』もありましたね」。ホアキン演じるジョーカーが名作映画に乱入してくるシリーズ、合成されたポスターを見るまでもなく、めちゃくちゃ観てみたい。

映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)より全国公開中。

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Source: The Los Angeles Times

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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