『ジョーカー』続編の計画なし、監督が明言 ─ 「今回限りの作品」「世界を作る映画ではない」

DCコミックス屈指の人気ヴィラン・ジョーカーをホアキン・フェニックス主演で描く映画『ジョーカー』に続編の計画は存在しないという。監督のトッド・フィリップスが米GameSpotの取材にて明らかにした。
“狂気の犯罪王子”として愛されるジョーカーのオリジン・ストーリーを独自の解釈で描く本作は、第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞(最高賞)に輝き、すでに批評家やファンから絶大なる支持を得ている“コミック映画史上最大の問題作”だ。それゆえだろう、コミック映画の例に漏れず続編を期待する声もあるわけだが、フィリップス監督はこれを真っ向から否定した。
「続編の計画はありません。僕たちの作った今回の映画は、ワーナー・ブラザースに1本限りの作品として提案したもので、独自の世界に存在する、今回で終わりのものです。世界を作る映画ではないし、ほかのバージョンについての作品でもない。いうなれば、“僕たちなりのオリジン・ストーリーはこれだよ”というもの。そういう意図でした。」
このたび、監督が続編の計画をわざわざ否定した背景には、過去に自らが「ワーナーやホアキンにやる気があるのなら」とコメントしたことで、あたかも『ジョーカー』続編の可能性が存在するかのような報道が広がったことがある。監督は「すごく困ります、なにか言えば24時間でストーリーが作られてしまう」と述べ、困惑していることを認めた。現状、続編に対するポジティブなコメントはリップサービスの域を出るものではないのである。
「僕が言ったのは、“ホアキンのやりたいことなら何でもやる”ということ。実際、そうすると思います。けれども、この映画は続編に向けて準備する作品ではありません。常に1本限り、これで終わりと考えていました。」
なおワーナー/DCは、ロバート・パティンソン主演による新たなバットマン単独映画『ザ・バットマン(原題:The Batman)』の企画を進めているが、フィリップス監督は、ホアキン演じるジョーカーと新バットマンが共演する可能性についても「絶対にありません」と否定。あくまで今回限りの作品だということにこそ、監督やホアキンら作り手のこだわりがあるのだ。逆に言えば、バットマンやジョーカーを知らないまま、本作を観るため映画館へ足を運んでも問題ないということ。非常に野心的かつ完成度の高い作品ゆえ、ぜひ多くの方に味わっていただけることを祈るばかりだ。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。
Source: GameSpot