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DC映画『ジョーカー』、撮影しながら脚本を全編書き直していた ─ 『ミッション:インポッシブル』スタイルで製作か

ジョーカー

ホアキン・フェニックス主演で“狂気の犯罪王子”ジョーカーのオリジン(起源)を描く映画『ジョーカー(邦題未定、原題:Joker)』の撮影は、主人公のジョーカーよろしくトリッキーなスタイルで行われていたようだ。本作でシングルマザー役を演じる、『デッドプール2』(2018)のザジー・ビーツによれば、本作の脚本は撮影中に全編書き直されていったというのだ。

米MTV NEWSの取材にて『ジョーカー』ついて尋ねられたビーツは、「何も言えないんです」と困り顔。「ダークで、リアルで…ゴッサム…」と言葉を絞り出した。現時点では本編の映像を見ていないことを明かしつつ、「脚本は最高だった」と話している。

「撮影しながら、みんなで全編を書き直していたんですよ。トッド(・フィリップス監督)のトレーラー(控え室)に行って、夜のうちにシーンを書いて、撮影するんです。」

『ジョーカー』は1980年代を舞台に、一人の青年が“狂気の犯罪王子”へと変貌していくストーリー。脚本はトッド・フィリップス監督と『8マイル』(2002)『ザ・ファイター』(2010)のスコット・シルバーが執筆した。ビーツによると、現場でのリライト作業にはシルバーも加わっていたという。

「メイクの最中にセリフを覚えて、撮影して、その3週間後にまた撮り直していました。できることは全部やらなきゃいけなかったですね。ホアキン(ジョーカー役)が体重をかなり落としていたので、(本撮影が終わってから)撮り直すことができないんです。だからみんなで考えていたんですよ。」

ちなみにフィリップス監督は仕事が早かったため、『ジョーカー』の撮影には常に時間の余裕があったとのこと。「そのことも良かったですね」とビーツは振り返っている。

撮影を進めながら脚本を執筆し、さらにリライトを重ねながら撮り直しをおこなうというスタイルは、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)でクリストファー・マッカリー監督も採用していた手法だ。両作のBlu-rayに収録されている音声解説では、ストーリーの展開を決めないまま撮影を進めていくことのメリットと過酷さが克明に語られている。
おそらく『ジョーカー』でも、程度の違いこそあれ『ミッション:インポッシブル』2作品に近い形で撮影が進んでいったのだろう。マッカリー監督にせよ本作のフィリップス監督にせよ、自身が脚本を執筆しているからこそ可能な芸当だといえる。

本作で主人公アーサー・フレック/ジョーカーを演じるのは、『ザ・マスター』(2012)や『her/世界でひとつの彼女』(2013)などのホアキン・フェニックス。トーク番組の司会者役でロバート・デ・ニーロ、アーサーに興味を寄せられるシングルマザー役で『デッドプール2』(2018)のザジー・ビーツ、アーサーの母親役でドラマ「シックス・フィート・アンダー」(2001-2005)のフランセス・コンロイが出演する。
さらに幼いブルース・ウェイン役を『ビューティフル・デイ』(2017)のダンテ・ペレイラ=オルソン、トーマス・ウェイン役を「ナルコス」(2015-2017)のブレット・カレン、執事アルフレッド役を『レッド・スパロー』(2018)のダグラス・ホッジが演じる。

なお本作はマーティン・スコセッシ監督作品『キング・オブ・コメディ』(1982)の影響を受け、「社会から疎まれた男をリアルな人物描写で」描く作品になるとのこと。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)などのDC映画ユニバースとは世界観を共有しないため、本作のジョーカーは『スーサイド・スクワッド』(2016)のジャレッド・レト版ジョーカーとは別人だ。

映画『ジョーカー(邦題未定、原題:Joker)』は2019年10月4日より米国公開予定

Source: MTV NEWS

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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