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「ダーク・ユニバース」ユニバーサル、モンスター映画の新戦略を開始 ─ 『透明人間』リブート企画が再始動、ジョニー・デップは参加せず

ダーク・ユニバース
(C)Universal Pictures

米ユニバーサル・ピクチャーズは、往年のモンスター映画を蘇らせるべく新たな戦略をスタートさせる。H・G・ウェルズの同名SF小説を原作とする、映画『透明人間』(1933)のリブート企画が再び始動したというのだ。米Varietyが報じている。

このたび『透明人間』のリブート企画をプロデュースするのは、『ゲット・アウト』(2017)や『スプリット』(2017)、『ミスター・ガラス』(2019)のジェイソン・ブラム。数々のホラー/スリラー映画を低予算で製作し、大ヒットに導いてきた敏腕プロデューサーである。ジョン・カーペンターによる同名シリーズの最新作『ハロウィン』(2019年4月公開)を米国で大ヒットさせたのもこの人物だ。

また今回のリブート版で脚本・監督に就任したのは、『インシディアス 序章』(2015)のリー・ワネル。『ソウ』『インシディアス』シリーズで脚本や製作総指揮を務めてきたクリエイターで、日本未公開の監督最新作『Upgrade(原題)』(ジェイソン・ブラム製作)は観客・批評家からの絶賛を受けた。

『透明人間』、ダーク・ユニバースの一環だった

実は『透明人間』のリブート企画は、2017年春ごろにユニバーサルが発表した「ダーク・ユニバース」の一環として構想されていたものだ。これはユニバーサルが自社の保有するモンスター映画を復活させるため企画したもので、第1弾は『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)。このとき『透明人間』はジョニー・デップ、『フランケンシュタイン』(1931)はハビエル・バルデムの主演でリブートされることが発表されていたのである。

しかし、その後『ザ・マミー』が興行的に不振だったことなどから「ダーク・ユニバース」の行き先は不透明となっていた。『美女と野獣』(2017)ビル・コンドン監督による『フランケンシュタインの花嫁(仮題)』の製作は無期延期となり、「ダーク・ユニバース」は主要スタッフが離脱して事実上の凍結状態だと伝えられたのである。2018年1月には、『透明人間』から脚本家が降板していたことも明らかとなった。

ダーク・ユニバース
(C)Universal Pictures

このたびVarietyは、新たな布陣による『透明人間』のリブート企画を「クラシックなモンスターと明確なビジョンを持つクリエイターを出会わせる、ユニバーサルによるモンスター映画の新戦略のひとつ」と説明している。そして、それは「作品が内側でつながるダーク・ユニバースのコンセプトから先へ進む」ものだというのだ。現に、今回のリブート版『透明人間』にジョニー・デップは出演しないとのことである。

ユニバーサルの新戦略は、自社で映画化可能なモンスターをもとにクリエイターが企画を主導する趣向。作り手が独自のストーリーを生み出し、現代の観客にも魅力あるキャラクターとなるよう、それぞれのモンスターの起源や解釈などにも自由度を確保する。予算や作風、レーティングにも縛りを設けず、あくまでホラーというジャンルに根ざしたものとなるようだ。

Varietyによると、すでにユニバーサルは複数の企画を進めており、数人の有名監督と面会しているという。したがって、今回報道されたリー・ワネル監督の『透明人間』がモンスター映画の次回作になるとは限らないようだ。

一方で、「ダーク・ユニバース」への参加が決まっていたトム・クルーズやハビエル・バルデム、ラッセル・クロウ、そしてジョニー・デップは、新たなクリエイターが製作するモンスター映画への出演権を有しているとされる。『透明人間』ではなくとも、遠からずデップが別のモンスターを演じる可能性は残っているわけだ。

現在、ユニバーサルが「ダーク・ユニバース」というブランドを今後も残していくかどうかは不明。新たな名前が与えられるかもしれなければ、今後は統一したブランド名が用意されないのかもしれない。いずれにせよ多くの映画ファンに期待されたモンスター映画のリブート企画である、新戦略が秀でた成果へと結実していくことを期待したい。

Source: Variety

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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