宮﨑駿作品に登場するプロップに着目した“おもちゃ箱”みたいなポスター・ヴィジュアルの世界

英国マンチェスターを拠点として活動するポスターアーティストのジョーダン・ボルトン(Jordan Bolton)さんが、スタジオジブリ製作の宮﨑駿作品を表現したまったく新しいポスター・ヴィジュアルを制作している。

何が新しいのかと言えば、ボルトンさんが注目しているのは作品の中に登場するプロップ、つまり小道具の数々なのである。そのプロップをキレイに並べた様子を写真で撮影して、個々の作品を表現している。ただ、実写の映画であれば当然プロップも現実世界の物質として存在するので、例えば製作サイドの協力を得ればそういったポスター・ヴィジュアルの制作もある程度は想像できるが、アニメーション作品となると映像内に登場するプロップは二次元のため、実際には存在しない。もちろん宮﨑駿作品も然りである。

そこでボルトンさんは、アニメーション内に登場するプロップを自ら手作りで制作し、それを並べた写真を撮影することにより、新たなポスター・ヴィジュアルを生み出しているのである。

というわけで、ここでその素敵な作品をいくつかご紹介したいと思う。

まずは、あの富野由悠季も唸ったという誰もが知る名作『となりのトトロ』。ぼく自身も今まで何度観たかしれない作品だが、こうやって並べられてみると「あんなもの、出てきたっけ?」と思うものも結構たくさんある。おそらくこの中には、いずれかのシーンの背景に置かれているものが山ほどあるのだと思うけれど、“金魚の絵が描かれた団扇”なんてどこに出てきたんだろう?という楽しい疑問が湧き上がってきて、プロップ探しにまた何度も作品を観返したくなってしまう。

 

宮崎作品の中でもなかなか壮大なテーマを扱って話題を呼んだ『もののけ姫』。ご存知のように本作は日本を舞台にした作品だが、このヴィジュアルを観る限りだと、なにやらどこかの国の原住民族かネイティブ・アメリカンを描いた世界観のようにも見えるからおもしろい。

宮崎作品ではじめてCGを導入して制作された『千と千尋の神隠し』。ぼくはこの映画を諸事情あって映画館で2回鑑賞した経験があり、なかなか思い出深い作品でもある。イモリの黒焼きとか電車の切符とか式神とか、見ているとワクワクしてきちゃうね。カオナシの顔は実は“お面”なんだろうか…

 

宮﨑駿の作品の中では、個人的には鑑賞回数が一番少ないのがこの『ハウルの動く城』。だから正直あまり思い入れはないのだけれど、作品群の中では最も鮮やかな色合いになっているような気がする。細かなところまで目を向けて制作しているんだろうなあということが、すごく伺える。

 

というわけで、ボルトンさんは宮﨑駿作品だけではなく、他にも様々な映画のプロップをテーマにしたポスター・ヴィジュアルを制作しており、実際にポスターとしてコチラで販売もしているので、興味のある方はぜひ訪れてみていただきたい。ショップの品揃えの中にはプロップだけではなく、他にも様々な視点のポスターがあるので、見ているだけでも十分楽しめるはずだけれど、見たら欲しくなっちゃうかもね。

 

では最後に、プロップ以外の作品をひとつ取り上げておきたい。ソフィア・コッポラの監督した『ロスト・イン・トランスレーション』のこんな視点のポスターもあるよ。

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普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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