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「ブラックパンサー党」代表暗殺事件の伝記映画、米予告編が公開 ─ 『ゲット・アウト』ダニエル・カルーヤ&キース・スタンフィールドのW主演

https://www.youtube.com/watch?v=sSjtGqRXQ9Y

1960~70年代に黒人解放運動を牽引した政治組織、「ブラックパンサー党」の有力者フレッド・ハンプトンの暗殺事件を描く伝記映画『Judas and the Black Messiah(原題)』の米国版予告編が公開された。プロデュースを『ブラックパンサー』(2018)のライアン・クーグラー監督が務める話題作だ。

「繰り返してほしい。私は、革命家だ」。集まった人々に壇上から訴えるのは、ブラックパンサー党のイリノイ州代表を務めるフレッド・ハンプトン。黒人たちの暮らすゲットーを警官から守るため、カリフォルニア州オークランドで結成されたブラックパンサー党は、暴力をいとわない性質ゆえFBIや警察にとっての脅威となっていた。指導者の一人だったハンプトンは、民族に縛られない団結を求め、並々ならぬカリスマ性と卓越した弁論術で人々に語りかける。

ハンプトンの言葉を聞きながら腕を突き上げる若い男、ウィリアム・オニールの視線の先には、わずかな笑みをたたえた白人男性がいる。窃盗や詐欺の疑いで逮捕されたオニールは、FBIから解放の条件を提示されていたのだ。それはブラックパンサー党にスパイとして潜入し、情報を流出させること。捜査官は「彼らの目的は憎しみの種をまき、テロを起こさせること」だと言う。スパイでありながらハンプトンの言葉に惹きつけられていたオニールは、自身の裏切りが明るみに出ることを恐れていた。

「解放者を殺せても解放運動は殺せない。革命家を殺せても革命は殺せない。自由の戦士を殺せても、自由は殺せない!」。ハンプトンのスピーチ、人々の声とともに映し出されるのは、熱弁をふるうハンプトンや熱狂する聴衆たちの姿、人々の愛情や友情、信頼、暴力、銃撃、逡巡……。「私が人のために死ぬのは、人のために生きているからだ。人のために生きるのは、人を愛しているからだ!」。

主人公フレッド・ハンプトン役は『ゲット・アウト』(2017)や『ブラックパンサー』のダニエル・カルーヤ。ウィリアム・オニール役には、同じく『ゲット・アウト』や『ホワイト・ボイス』(2018)『アンカット・ダイヤモンド』(2019)など話題作が相次ぐキース・スタンフィールドが起用された。共演者には『バイス』(2018)のジェシー・プレモンス、『ヘイト・ユー・ギブ』(2018)のドミニク・フィッシュバック、『ムーンライト』(2016)のアシュトン・サンダース、『地獄の黙示録』(1979)の名優マーティン・シーンという顔ぶれがそろった。

脚本・監督は、インディペンデント映画やテレビドラマで活躍する新鋭シャカ・キング。撮影監督は『それでも夜が明ける』(2013)のショーン・ボビットが務めた。プロデューサーにはライアン・クーグラーのほか、『黒い司法 0%からの奇跡』(2019)『ハリエット』(2019、日2020)のチャールズ・D・キングも参加している。

1969年12月4日の午前4時ごろ、ハンプトンは睡眠薬を摂取して眠っていたところを警官隊に襲撃され、無抵抗のまま射殺された。警察はハンプトンが先に発砲したと発表したが、これは事実ではなく、国家による暗殺だったことが調査から判明している。オニールはハンプトンの自室の見取り図などをFBIに提供したほか、暗殺直前にはハンプトンの飲み物に睡眠薬を混入。1990年、暗殺への関与を認めて自ら命を絶った。

なぜハンプトンは殺されなければならなかったのか、なぜオニールは最後まで裏切りに手を染めてしまったのか。現在に至るまで影響を与えつづけているブラックパンサー党とフレッド・ハンプトンの物語、そして今もっとも同時代性を高めている出来事と主題が、新たに語り直される。

映画『Judas and the Black Messiah(原題)』は2021年米国公開予定。

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Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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