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『ジュラシック・ワールド』主人公オーウェン、『ジュラシック・パーク』第1作に登場していた説 ― クリス・プラットらが証言

Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

『ジュラシック・パーク』シリーズの第4作『ジュラシック・ワールド』(2015)は、現代を舞台に、登場人物を一新して展開する“新しいジュラシック・パークの世界”だ。主人公オーウェン・グレイディは、元海兵にしてテーマパーク「ジュラシック・ワールド」でヴェロキラプトルを訓練する恐竜監視員である。

実は、クリス・プラットが演じるこの主人公については「ある仮説」がファンの間で折にふれて語られてきた。1993年公開、スティーヴン・スピルバーグ監督による『ジュラシック・パーク』第1作に登場していたのではないか、というのだ。

Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

『ジュラシック・パーク』に登場する“ナマイキな少年”が?

映画『ジュラシック・パーク』の序盤には、とある一人の少年が登場する。サム・ニール扮するアラン・グラント博士がボランティアたちに自説を述べていたところ、ナマイキな少年が割って入ってくるのだ。直後、彼はアラン博士にやりすぎなくらい脅かされてしまう……。ファンが仮説として立てたのは、「ボランティア・ボーイ」なる役名を与えられたこの少年が、『ジュラシック・ワールド』の主人公オーウェンなのではないか、というものだ。

むろん、この説にはいくつかの根拠がある。まずは『ジュラシック・パーク』から『ジュラシック・ワールド』までの時間経過と、「ボランティア・ボーイ」とオーウェンを演じるクリス・プラット(劇場公開当時35, 6歳)の年齢差がやけに“しっくり来る”こと。また、恐竜に怯えた少年が多くを学び、今では恐竜を訓練する側になっているという想像が“グッと来る”ことだ。
さらに『ジュラシック・パーク』ではアラン博士が少年に「敬意を払うように」と伝えていたわけだが、『ジュラシック・ワールド』ではオーウェンが「操るんじゃなく、敬意をもって関係を築くんだ」と口にしているのである(このセリフは予告映像の冒頭で聞くことができる)。

二人の俳優、そして監督の証言

一連の根拠に説得力があるとみるか、それとも「考えすぎ」とみるかは人それぞれであろう。では、オーウェン役のクリス・プラットはこの仮説を認識しているのだろうか。もし認識しているとしたら、彼はどのように捉えているのだろう? 米HUFFPOST誌が質問したところ、なんとクリスはこの説を真っ向から否定している。

聞いたことはあるんですけど、真実だとは思えませんね。面白い話だし、あの少年のことは大好きですし、そういう可能性があるって考えるのもすごく良い。でも――僕がキャラクターを生み出したわけじゃないですけど――オーウェンの背景を担う者として、正式に“真実じゃない”と言わせていただきます。そうだったら良かったんですけど。」

また『ジュラシック・パーク』で「ボランティア・ボーイ」を演じていたウィット・ハートフォードも、クリスと同じくこの仮説を否定。今では脚本家・演出家・映画監督として活躍しているウィットは、Twitterにてこのようにコメントしていた。

「はっきりさせておきますけど、クリス・プラットが『ジュラシック・ワールド』で演じてるのは、僕のキャラクターが大人になった役ではありません。くそ、あの役は僕のものだぞ!」

二人の俳優はファンの仮説を完全に否定したわけだが、なにより肝心なのは、オーウェンというキャラクターを生み出した張本人がどのように考えているかであろう。『ジュラシック・ワールド』の脚本・監督を務めたコリン・トレボロウはこのように述べている。

「答えたくないんですよね、だって推理するのはすごく楽しいですから。その楽しみを台無しにしたくなくて。」

コリン監督は続編映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で脚本・製作総指揮を兼任しており、2021年6月に米国公開される『ジュラシック・ワールド3(仮題)』では監督として復帰予定。その頭の中には、いずれオーウェンの過去をきちんと描く構想があったりするのだろうか……?

映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は2018年7月13日より全国の映画館にて公開中。前作『ジュラシック・ワールド』はブルーレイ&DVDが発売中だ。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

[この記事は2017年8月4日に初掲載したものを加筆修正して再掲載したものです。]

Sources: /Film, SR, HUFFPOST
Eyecatch Image: Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。