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仕事・勉強のやる気が起きない時は?ハリウッド映画監督のストイック思考法、「とにかく書き始めろ」仕事術語る

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資料作成や勉強が手に付かない、今日はどうもやる気が出ない、スランプなのかな…。

誰だって、思うように手が進まない事態に直面することもあるだろう。こうした生理現象は、ハリウッド大作映画という何億ドルもの予算がかかった巨大プロジェクトを指揮する一流の映画監督にも当然ながら起こるようだ。しかし彼らは、スランプなど初めから存在しないものとするストイックな思考術で仕事をやり遂げているようである。

2014年に公開されたマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で全世界7億7千万ドル以上の興行収入をあげ、続く続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)も8億6千万以上の大成功を収めた映画監督のジェームズ・ガン監督は、ファンから寄せられたスランプ脱出方法に関する質問に回答。この意見に、他の映画監督らも同調した。

「ただ書くのみ」

ファンからの質問は、「ライターズ・ブロックを脱する良い方法は?」というもの。ライターズ・ブロック(writer’s block)とは、ライターが創作上煮詰まってしまい書くことができない、筆が進まない、といった状況を表す英語。同じように執筆業を手がけるライターのみならず、創作作業に携わる方なら、まるでブロックに阻まれたかのように手が進まなくなる現象に覚えがあるだろう。ジェームズ・ガン監督はこの相談に対し、以下のようにズバリと回答した。

「ライターズ・ブロックなど存在しない。執筆中にいい気持ちになれる方法があるのではと思ってる人もいるが、ライター(および全てのプロフェッショナル)にそんなものはない。ただ書くのみ。」

この”喝”に「言ってくれてありがとう。僕も同じことを言っていた」と同調したのは、映画『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010)などで知られるジョー・カーナハン監督だ。

ライターズ・ブロックなんぞ、執筆を放棄してX-Boxで遊んだりネット徘徊したいがための空想上の仮病にすぎない。“ブロック”なんてものはない。あるのは、苦境を超えて働き続けるお前の意志だけだ…。」

ハリウッドで成功を収める彼らにとって、こうしたストイックに邁進する強い意志は生まれ持った才能なのだろうか?少なくともガン監督は、かつては我々と同じようにスランプに陥って苦しんでいたようだ。その過去を明かした監督の脱出方法は、やはり「ただ書く」に終始している。

「書くのが辛くなった時もあるよ。特に、アマチュア作家(楽しい)からプロ(うげぇ!)に転向しようと思ってた時。一年間、自分の書くもの全てが気に入らなかった。でも、これがプロとアマの違いなんだと思ってがむしゃらにぶっ続けた。

先程のジョー・カーナハン監督も、以下のように補足する。

「僕は初めての映画を作るまで、15編もの脚本を書いた。完成しなかったものはクローゼットにしまって、次に進んだ。消耗するよね。とにかく、書いて、書いて、書いてを続けるのみ。ジェームズ・ガン監督の言うように、それこそが他との差をつけてくれるんだよね。」

彼らのやり取りに加わったのは、『パンズ・ラビリンス』(2006)『パシフィック・リム』(2013)など数々の人気映画を手がけ、直近では『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)が大きな評判を呼ぶギレルモ・デル・トロ監督だ。

「ケツを叩かれずに執筆するなんて、地獄みたいなもん。でも、いったん習慣になれば大丈夫。ジムに行くみたいなものだよね、僕は無理だけど。」

続けてガン監督は、デル・トロ監督の「ジムに行くようなもの」の例えに呼応する。

「ジムに行くみたいなもの。しんどいのは最初だけだよ。一旦行っちゃえば、来て良かったって思うじゃん。僕もよく、とりあえず書き始めろって自分に言い聞かせてる(とりあえず身体動かせ、とかね)。うだうだ考えてるより、こっちの方がよっぽど手っ取り早いよ。

一度始めてしまえば、意外にも自然と流れに乗ってしまうもの。自分を起き上がらせ、机に向かわせ、筆を取らせるのは全て自分自身なのだ。一流の監督らが明かした「とにかく書き始めろ」の教訓を、日々の仕事や勉学に活かしたい。

Photo by Allef Vinicius on Unsplash

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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