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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』監督、劇場版シーンのカット作業は「愛しい人を殺すようだった」

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
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『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作にして完結編、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の4K Ultra HD、ブルーレイ、デジタルが米国でリリースされたが、ここには劇場公開版とは異なる“エクステンデッド・バージョン”が収録されている。このいわゆる完全版が、そもそもオリジナルカットだったと言うコリン・トレボロウ監督が、劇場版のために余儀なくされたシーンのカットに言及している。

劇場版の尺は2時間27分だが、エクステンデッド・バージョンは2時間40分となり、約14分間にもわたる未公開映像が追加されていることになる。このバージョンは劇場版とはオープニングが異なるとも伝えられているが、米Colliderにてトレボロウ監督は、劇場版のためにシーンをカットする作業や、監督として踏んだプロセスについて回答している。

今までで一番大変な作業でした。“愛しい人を殺さなければならない”と言いますが、それは映画業界に入った人なら誰でも、自分の映画に関してその覚悟が必要でしょう。ある意味、合理化のために必要なことかもしれないと理解することです。もちろん、その必要がないことを願いましたが、この映画は2時間半に収める必要がありました。すでに、他のどの『ジュラシック』映画よりも20分ほど長かったですから。根本的に映画で何が起こっているのかを、観客の理解の妨げになることなく、どうカットできるか。これを編集室で考えるのはチャレンジを強いられましたね。」

劇場版のためにシーンをカットする過程は、まるで“愛しい人を殺すようだった”と形容した監督。またトレボロウは、監督を目指す人たちが映画館へ足を運んだ後にオリジナル版であるエクステンデッド・バージョンを観賞し、監督が映画作家として払わなければならない犠牲や妥協を理解してもらえたら、とも発言。続けてトレボロウは、あくまで映画業界がビジネスであることに理解を示し、「私がこの映画のためにお金を出したわけでも、世界中で公開したわけでもありませんからね。それを理解しなければならないんです」とも語っている。以前にも監督は、「映画を作る側と投資する側には利害関係が存在する」とし、ビジネスの仕組みとして向き合っていく必要があると述べていた。

トレボロウ監督が「ディレクターズカットではなくオリジナル版」と称する2時間40分に及ぶエクステンデッド・バージョンが、近いうちに日本へ上陸することを期待しよう。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は公開中。

▼ 『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の記事

    Source:Collider

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    Hollywood

    ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行に料理と、読書とキャンプ。