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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』、もともと3時間45分あった ─ 「やっちまったなって感じだった」と監督

ジョン・ウィック:コンセクエンス
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キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』シリーズ第4作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の上映時間は過去最長の2時間49分(169分)となっているが、最初の編集版はなんと3時間45分もあったとのことだ。監督のチャド・スタエルスキと編集を務めたネイサン・オルロフが、米Indiewireのインタビューにて明かしている。

2014年公開の第1作『ジョン・ウィック』からスケールやアクションを作品ごとにパワーアップさせ、世界中にファンを広げてきた本シリーズ。第1作(2014)の上映時間は101分で、『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)は122分、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)は131分。作品を重ねるごとに尺が長くなり、最新作『コンセクエンス』は169分であることがすでに報じられている。過去最長の長尺ではあるが、編集のために100回近く見たというスタエルスキは「全く飽きない」と太鼓判を押していた。

とは言うものの、169分というのは試行錯誤を重ねた末に、出来上がった完成形だ。スタエルスキは「正直に言いますと、何も計画を立ててなかったんですよ。初版は3時間45分あって、体感としても3時間45分だったんです。だから『あっ、やっちまった』という感じでしたね」と当初の感想を率直に語っている。

大きく時間が膨らむ要因として挙げられるのは、今作では登場人物が多くなったことと、『ジョン・ウィック』の世界を大きく拡大するストーリーラインだという。オルロフは作品の前半では、常にジョン・ウィックにストーリーを繋げながら、脇を固めるキャラクターたちにどれだけの時間を費やすか、導き出すために数々の実験を試みたそうだ。「確実に、ジョン・ウィックが世界の中心にいるようにしたかったんです。彼を切り落としたとしても、全てが彼に戻ってくるように」とシリーズのコアを保ちながらも、最良の形にするべく、必要不可欠ではないパートについては取り除く作業に臨んだ。

「とにかく圧縮して、圧縮して、圧縮しました。すでに表現された考えを誰かが繰り返しているところを徹底的に見直して、切っていきました。繰り返されている表現はありません。一直線に進むストーリーなので、再構築したところや再編したところはあまりありません。必要のないものをふるい落としただけですね」

映画の編集作業は、製作陣が頭を抱える部分でもあり、また腕の見せどころにもなる重大な要素だ。ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』について「取り除いてしまったら、話の筋が追えなくなってしまう部分がたくさんある」と葛藤を抱えながら最終的に192分に着地したことを、『トップガン マーヴェリック』の編集者は合計800時間以上に及ぶ空撮素材を1年がかりで編集したことを語っている。『ジョン・ウィック:コンセクエンス』も編集の美学や真髄が輝く作品となっていることだろう。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は2023年9月、日本公開。

Source:Indiewire

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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