【ネタバレ】『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ラストシーン解説

この記事には、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の重大なネタバレが含まれています。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ラストシーン振り返り
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)に命を救われたジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)が、闇の組織“主席連合/ハイテーブル”から解放されるベく、命懸けの戦いに挑んでいった。ジョン・ウィック狩りに執念を燃やすグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、ジョンの旧友である元殺し屋ケイン(ドニー・イェン)に殺しを依頼。かつての仲間、そして数百万ドルの懸賞金を狙う無数の殺し屋たちから追われることになったジョンは、大阪コンチネンタルホテルの支配人シマヅ(真田広之)を頼り、身を潜めることにする。
シマヅや彼の娘アキラ(リナ・サワヤマ)の助けを借りて、なんとかケインらの猛攻を逃げ延びたジョン。ニューヨークへ戻り、ウィンストン(イアン・マクシェーン)にグラモン侯爵との決闘を申し入れる。勝てば、いよいよ主席連合から解放される。グラモン侯爵は、自分の代わりにケインをジョンの決闘相手に任命し、2人による早撃ちガンマン対決が始まった。
1発、2発、3発……。静寂のパリに銃声が響き、ジョンとケイン、どちらかの死へのカウントダウンが迫る。ついに早撃ちの最終ラウンド。両者傷を負う中、銃弾が放たれた。ケインはその場に立ち続け、ジョンは後ろに倒れこむ。直後、グラモン侯爵はケインから銃を奪い取り、ジョンに銃口を向ける。ここで、ウィンストンが「お前は傲慢な大バカ者だ」と言い放つ。ジョンは最後の一発を撃たなかったのだ。ジョンはセーブしていた銃弾で、グラモン侯爵のこめかみを撃ち抜き、決着を迎えた。重傷を負ったジョンはウィンストンに「家まで送ってくれるか?」とだけ言い残し、教会堂の階段に倒れこんだのだった。
シーンが切り替わると、バワリー・キングとウィンストンが「愛する夫(Loving Husband)」と刻まれた墓石の前で立ち、「こんな日が来るとは思いもしなかった。アイツは天国と地獄、どっちにいるかな?」「さあ、どうかな」と言葉を交わす。こうして、ジョン・ウィックは命と引き換えに平穏を手にしたのだった。隣には先に旅立った妻のヘレンも眠っている。ジョン・ウィック怒涛の物語、これにて閉幕だ。
ジョン・ウィックは本当に死んだのか?監督&プロデューサーの見解
さて、ジョン・ウィックは本当に死んだのだろうか。遺体は映っていない。前のように誰かが手を貸していて、死んだと見せかけているだけではないのかと、ジョン・ウィックの死をどうにか疑った方もいたはずだ。実のところ、墓地での会話に至るラストシーンでは、ジョン・ウィックの運命を曖昧なまま終わりにする演出が意図的になされていたという。
ラストシーンでの演出について英Empireで言及したチャド・スタエルスキ監督は、「私たちには別のエンディングがありました」と語っている。「あれ(劇場版)はキアヌと私が望んだものでしたが、違うエンディングを撮っていたんです」と続ける監督は、ジョン・ウィック生存案が存在していたことを明かしている。
「映画の最後に、ジョン・ウィックの姿が映し出されているショットでした。そこでは、彼がまだ生きていることがとても明らかでした。」
ジョンの死が示唆された劇場版とは真逆の展開だが、この案はテスト試写の段階で却下されたという。「オーディエンスは曖昧なエンディングを好んでいました」とスタエルスキ監督は話している。
シリーズ第1作からプロデューサーを務めてきたベイジル・イヴァニクも、スタエルスキ監督と同様の見解だ。本国アメリカ公開直後の2023年3月、米Indiewireでラストシーンへの見解を求められたイヴァニクは、「あれは曖昧なエンディングでした。これには答えがありません」と続けている。
「ジョン・ウィックと、民間人としてのジョン、ここには2人のキャラクターが存在しています。私たちにとって大事なのは、“もし観客が物語を受け入れてくれて、興行成績も良かったとしたら、私たちに伝えるべき物語はあるのか”ということです。実際のところ分かりません。映画の最後に彼が死んだのか、生きているのか、私たちは自分達を困った状況に追い込んでしまったとは思っていません。」
イヴァニクは、この発言から約半年後の2023年9月、米Colliderでラストシーンについて再度口を開き、とりわけ撮影現場でのキアヌ・リーブスの様子について言及。キアヌは「ジョン・ウィックが死ぬ」という結末を望んでいたという。
「2作目、3作目、4作目と映画を作るのは、キアヌにとって身体的にも精神的にも疲弊しますし、壊れてしまうことになります。最後の頃の彼はいつも、“もう二度と出来ない”という感じでした。私たちも賛成です。彼は行ったり帰ってきたり、という状況でしたから、抜け殻のようになってしまった。彼は“この映画のラストで、僕は永遠に死んだということにしてほしい”と言っていましたよ。私たちは、“10%だけでも余地を残しておこう”という感じでしたが。」
そもそも、当初の計画では『ジョン・ウィック』シリーズは第4作で終了するはずではなかった。2020年8月、第5作の製作が発表され、第4作と連続撮影されることが伝えられたのだ。しかし、連続撮影はハードすぎるという理由により計画は変更となり、ひとまず第4作のみ撮影されることになった。2023年5月には、シリーズの米国配給を担当するLionsgateジョー・ドレイク会長が第5作の製作を認めていたが、いつ実現するかは定かでない。少なくともキアヌが万全な状態でない限りは難しいだろう。
そんなキアヌは、今後の続投を「絶対にないとは言わない」とする一方で、『コンセクエンス』での結末について、こうも言い残していた。
「私にとっては、ジョン・ウィックが平穏を見つけるのにとてもふさわしかったように感じました。」
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は公開中。
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Source: Empire,Indiewire,Collider,EW