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『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』新キャラのケイラは何者なの? ─ ディワンダ・ワイズ単独インタビュー

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
© 2021 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』には、主演のクリス・プラットら『ジュラシック・ワールド』勢に加え、『ジュラシック・パーク』シリーズからもレジェンド3人が堂々の帰還を果たす。まさに『ジュラシック』のオールスター作品となった本作では、数少ない新キャラクターも登場している。その一人が、物語における中枢を担う、元軍人の女性パイロット・ケイラだ。

演じているのは、Netflixのコメディシリーズ「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」(2017-)で知られるディワンダ・ワイズ。2018年にはマーベル映画『キャプテン・マーベル』(2019)のマリア・ランボー役に起用されたことが話題となったが、後にスケジュールの都合により降板。『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は、そんなワイズにとって初のハリウッド大作となる。

ケイラは、クリス・プラット演じるオーウェンと共に行動しているようだが、その正体は謎に包まれている。THE RIVERは、ワイズに単独インタビューを実施し、ケイラというキャラクターについて掘り下げてみた。このほか、ワイズはプラットとの共演秘話やアッと驚く撮影の裏話も披露してくれた。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』ケイラ役ディワンダ・ワイズ 単独インタビュー

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── 本日はよろしくお願いいたします!

こんにちは。よろしくね。

── お話できて光栄です。無事、島から帰還できたようですね。

そうなんです、なんとか逃げ切りました(笑)。

── (笑)。さっそくですが、本作は『ジュラシック』シリーズのフィナーレと言われています。数少ない新しいメインキャストに抜てきされましたが、どのようなお気持ちですか?

とにかく光栄です。映像と物語の両方で、史上最も美しい映画フランチャイズの一つですから、参加できたのは名誉です。ファンも素晴らしいですよね。彼らは、これ以上ないほどに親切で、礼儀をわきまえている。画像や予告編が公開された時など、どの段階においても熱狂的に迎え入れてもらえたように感じました。愛以外の何ものでもないです。

── 役を射止めた時、どんな反応をされたか憶えていますか?

衝撃を感じました。2019年3月にコリン・トレボロウ監督にお会いしたのを憶えています。彼が私に役をオファーして下さったんですけど、3ヶ月後くらいまで実感が湧きませんでした。6月くらいに彼からまた電話をいただいたんです。その(3ヶ月の)間、彼は全プロデューサーやユニバーサル(・ピクチャーズ)の人に私への正式オファーを承諾してもらうことに必死だったと思います。それが無事終わって、私に電話で「スティーヴン・スピルバーグがイエスって言ってくれたよ」って伝えてくださりました。そこで初めて、私は『ジュラシック・ワールド』に出るんだって実感しました。

── あなたがケイラのことを「ヒーロー」だと形容していたことが印象的でした。『キャプテン・マーベル』の件もありますが、ヒーローを演じることに憧れはありましたか?

ありました。いつだったかな……えっと、あなたはヒュー・ジャックマンの『LOGAN/ローガン』(2017)を観たことあります?

── 観ましたよ!

そこではウルヴァリンのオリジンストーリーが描かれていたと思うんですけど、あの作品が初めてです。「ハリウッドの大作アクション・アドベンチャーの分野で、キャラクターをこんなにも深く描くことができるんだ」って感銘を受けたのは。正直に言うと、それまでの私はキャラクター重視の作品が大好きで、そういったもの(大作アクション)に惹かれることはなかったんです。でも『ローガン』を観て、「へぇ、こんなことも出来てしまえるんだ。私にも出来てしまうかも」って思いました。もちろん、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は『ローガン』とは全く違いますよ。トーンや物語もそうですけど。

この映画では、自主性のあるキャラクター開発が許されていました。これこそ、私も出来ると確信していたものでした。こうしたものが一粒のからし種となって、私をここまで導いてくれた。私自身、「欲しいと願う仕事に見合う服を着なさい」と言われていた環境だったので、アクションヒーローになるために2011年から鍛え始めていました。

クリス・プラットとの共演、「忘れられない」出来事

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
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── 「ヒーロー」で言えば、本作で共演されたクリス・プラットもヒーロー俳優の先輩ですね。撮影前、彼からは何かアドバイスをもらいましたか?

撮影が始まる前ではなかったですけど、撮影中、彼は全てを私に与えてくれました。当時の私は、彼の気前の良さに驚き、恐れ多さを感じてました。とにかく彼は真のアクションスターです。これはサム・ニールもインタビューでおっしゃっていたことですけど、彼(クリス)がヒーローであることを誰もが当然のように思っているんです。なぜって、彼はいとも簡単にやってのけるように見えるから。彼は良く見せるのがすごく上手いし、それを面白くもカリスマ風に見せることも出来る。スタントについてもそうで、彼は自分でこなしてしまうんです。スタントを一度見たら、よくスタンドダブルのクリス・ロムレルに聞きにいっていました。彼(ロムレル)の仕事の大半は、プラットが空間で身体をどう動かせばよいのかを教えることでした。あなたは本編をもう観てる?

── はい、観ました。

劇中で、クリスと私が氷の上を走るシーンがありますよね?ケイラがジャンプして、彼が水中に落ちる。あのシーンは、同時に撮っているんです。彼はどうやってスタントを行えば良いのか、ワンテイクでどのように行えば良いのかを心得ていた。彼は常に「急がば回れ、だ。急ぐことは怪我を意味するんだよ」っていうスタンスでした。タイミングから身体の姿勢、スタントチームとのコミュニケーションまで、彼は何でも知っていて、そうした知恵を私に分け与えてくれたんです。俳優としてクリスがあそこまでの寛容さを示してくれて、恩と言えるレベルで感謝しています。

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── クリスとの化学反応は、特にコメディの側面から見て、見ていて非常に楽しかったです。彼との共演で、何か面白いエピソードはございますか?

彼との仕事はめちゃくちゃ楽しかったですよ。よくジョークも言い合いました。撮影では2週間くらいずっと彼と一緒で、現場にも私たちだけという状況でした。コロナ禍で撮影したこともあって、クルーも少人数でね。だから現場では、素敵でシンプルな時間が流れていたんです。お互いに腹を割って話したこともありますし、彼とは労働者階級出身という出自も一緒だった。私の父は食料品店で働いていたんですけど、そしたら彼のお母さんもそうだったんです。性格から何まで色んな点で、私たちは意気投合しました。そうした会話が出来たからこそ、スクリーン上で生まれたものもあると思います。

── 2人の間でアドリブもあったんですか?

もちろん。あの時期で忘れられないことがあって。この映画は自分にとってキャリアの初期にあったから、私自身ものすごく必死でした。それで初日にクリスと会って、「この業界に入ってどれくらいなの?」的な、お互いを知るための会話をしました。それでその週の木曜日かな、操縦席でのシーンでたくさんのアドリブをしたんです。一緒にふざけたり、彼が周りを確かめる仕草をしたり。コリンも私に何度もアドリブをさせて、その様子をカメラに収めるといった感じでした。それである時、クリスを見たら彼は(頷く仕草をしながら)「うん、まあ悪くはないか(hmm…not bad)」みたいな反応をしてて、それが愛おしかったんです。充実した時間でした。 

「ヒーローのお呼び出しに応えることができる人間」

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
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── ケイラというキャラクターは最初こそ行動や考えが全く読めませんでした。あなたの演技は、ケイラの二面性を演出するのに欠かせなかったと思います。キャラクター造形については、開発の段階から携わったのでしょうか?

全てで関わっていましたよ。彼女の背景については、たくさんの時間を費やしました。皆さんがスクリーンでケイラをご覧になった時、彼女の二面性がはっきりと映るように意識しました。彼女が何かの崖っぷちな状況にいなければいけない人間だということは、私にとって明らかだった。彼女は何かにうんざりしているんです。彼女はヒーローのお呼び出しに応えることができる人間でした。

コリンとは、彼女がクレアを助けたいと思う理由をよく話し合いました。なぜ彼女は、「幸運を祈ってるよ」で終わらなかったのかって。人間、何か間違いや不正義が目の前で起きた時に、間に入ろうとする人もいれば、「私には関係ない」って知らんぷりな人もいる。この映画で会う彼女は、それまでの数年間を「これは私には関係ない」ってたくさんやり過ごしていたと思うんです。「自分のためだけに戦うんだ」って。そこで彼女はこう思うんです。「これじゃだめだ」という風に。

── アクションも活発でしたね。恐竜との戦闘シーンの撮影では、実際にスクリーンに映るほどリアルな恐竜は目の前にいなかったと思うのですが、やはり演技は難しいものなのでしょうか?

私の場合、ほとんどがアニマトロニクスとの撮影でした。これはまだ誰にも話していなくて、誰にも知られたくないので具体的には言えないんですけど、テニスボールと仕事しているかのような瞬間があったんです。その時の私は恐竜の怖さとか雰囲気を心得ていたので、心眼で置き換えることができました。このアクションが実際に起こっているんだ、と。監督がグリーンバックやブルーバックに感じることはそれぞれだと思いますけど、俳優にとっては童心に帰るようなものなんです。子どもの頃に遊んでいたことをしているだけなんですから。空想上の友達を作ったり、ごっこ遊びをしたりして育ってきた人なら、「ああ、あの時のあれってこれじゃん」って思えるんですよ。あとはそれが本当のものだと決めつけるだけ。あの頃に浸って、俳優としてのコツを加えれば、別にそこまで偽らなくたって済むんです。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
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── ところで、私はケイラがジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコム博士の娘ケリーだと推測していたんですが……。

私たち(ワイズとケリー役のヴァネッサ・リー・チェスター)、同い年ですもんね!

──まさしく。だからケイラも偽名を使っているのかなと思って。

うんうん(笑)

── シリーズの最終作で、しかも『ジュラシック・パーク』の3人もカムバックするということで、ケイラにも何らかのサプライズがあると思ったんです。あなた自身、役の詳細を耳にした時は、何かあると思いませんでしたか?

そうは思わなかったです。でも何がワクワクするかって、もし製作陣が物語を続けるってなったら、この世界にはたくさんのキャラクターがいるってことですよ。(ケリーも)再登場させたら、面白いですよね!

── 可能性は全然ありますね。その場合は、ケイラ役として続投の意思はございますか?

絶対にカムバックしたいです。

── 嬉しいことを聞けました。ところで、スピルバーグ監督とは何かお話をされましたか?(編注:取材は4月中に実施)

彼にはまだ会えていないんです。多分LAでのプレミアまでは会えないかなと思いますけど、もし会っても泣かないように頑張ります(笑)。彼に会っても過呼吸になったり大泣きしたりしないことが目標の一つです。そうならないように祈ってて(笑)

──分かりました!最後に、日本のファンに一言お願いできますか?

日本のみんな、こんにちは!ケイラを演じているディワンダ・ワイズです。皆さんが私と同じくらい『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を楽しんでくれることをほんっとうに願ってます。

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は公開中。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。