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キャラの心情は歌詞にあり?『キングスマン』痛快サントラ楽曲を徹底解説!

©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation

「マナーが紳士を作る。」

日本では2015年9月11日に公開され、全世界では興行収入約4億ドルを超えたという大ヒットスパイ映画キングスマン続編『キングスマン : ザ・ゴールデンサークル』の公開も決定し、今もう1度前作を観返そう!と思っている方も多いのではないだろうか。

https://youtu.be/WqLUt_xsB_Y
表向きは高級テーラー、実はどこの国にも属さない最強スパイ組織スタイリッシュな防弾スーツに身を包み、クールに任務をこなすエージェントたち。高揚感あふれる痛快なストーリーが人気の『キングスマン』。しかし『キングスマン』が痛快なのはストーリーだけではない!劇中の音楽だって、胸をすくほど爽快で最高に粋だ。 

実は曲の歌詞や制作された背景に注目してみると、『キングスマン』のキャラクターたちの気持ちやその場面が、より深く見えてくる…かもしれない。今回は『キングスマン』のサウンドトラックの痛快っぷりを、改めて振り返っていこう! 

【注意】

この記事には、映画『キングスマン』のネタバレが含まれています。

Dizzee Rascal& Armand Van Helden / Bonkers 

エグジーが仲間とチンピラたちの車を盗み、道端で大騒動を起こすシーンで流れるのがこの曲。イギリスのラッパー、ディジー・ラスカルによる『Bonkers』である。歌詞はこんな感じだ。 

クレイジーだって言うやつもいるけど、俺は自由にやってるだけさ。

金でスリルを買うやつだっているけど、でも俺はタダで味わってる。

俺は自分の人生を生きてるだけさ。

ハリー・ハートと出会う前、目的もなく毎日を過ごしているエグジーの気持ちを代弁しているかのような歌詞だ。そんなリリックを書き上げたディジー・ラスカルのプロフィールを覗くと、このようなことが書いてある。 

荒んだ治安状態のイースト・ロンドンの公営団地で育った少年時代、ケンカ騒ぎによる幾度とない退・停学処分を経た3度目の転校先で出会った熱心な音楽教師に薫陶を受け音楽に目覚める。 

https://ja.wikipedia.org/wiki/ディジー・ラスカル 

エグジーと同じように公営団地で育っていたディジー・ラスカル。彼もまたエグジーにおけるハリーと同じように、1人の導師によって自分の本当の人生を見つけることができたようだ。マシュー・ヴォーンはエグジーとディジーの青年時代を重ね合わせて、この曲を選んだのかもしれない。 

Lynyrd Skynyrd  /  Free Bird 

アメリカ出身のバンド、レーナード・スキナードが1973年に発表した楽曲『Free Bird』。マシュー・ヴォーン監督はアメリカ出身バンドによるこの曲をあの名シーン、教会ハリー凶暴化事件”で使用するというブラックっぷりを見せつけている。

俺が明日いなくなるとしても

お前は俺のこと、覚えているかい?

俺は旅を続けなければいけない男さ 

でも、俺がお前のそばにずっといるわけにはいかないんだ

お前にも変えられない、自由な鳥なんだよ

ごめんな、可愛いお前よ 

©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation
©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation
この教会事件のあと、ハリーは外で待ち構えていたヴァレンタインによって撃たれてしまう(続編の予告編にはまた登場しているところから、ここでの生死はわからないが)。エグジーやマーリンのもとからいなくなってしまうわけだ。この歌詞はハリーからエグジーに送るメッセージのようにも聞こえるし、またエグジーが1人前のエージェントとして“自由な鳥のように”羽ばたく巣立ちの歌ともとれる。

続編でハリーは、どのようにしてエグジーたちの元へ戻ってくるのだろうか? またマシュー・ヴォーン監督の「私たちが知っているガラハッドではない」とは、どのような意味なのだろうか?

Elgar / Pomp and Circumstance(威風堂々) 

イギリスの作曲家エルガーによる行進曲、『威風堂々』。BBCでエリザベス2世の映像が流れる時のBGMであったり、サッカーイングランド代表のサポーターたちが試合の時に合唱したりと“第2の国歌”としてイギリス国民に親しまれているこの歌。

そんな誰もが愛する名曲にのせて、権力者の首が吹っ飛ぶ吹っ飛ぶ!ブラックジョークにもほどがある。まさに“堂々”と打ち上がる花火、キラキラと光りながら首が吹っ飛んでいくあの場面は観客に絶大なインパクトを植え付けた。 

Writer

Moeka Kotaki
Moeka Kotaki

フリーライター(1995生まれ/マグル)

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