スクリーン無し、メガネ無し!3Dホログラム映像がリアルタイムで投影可能に ホログラム通信実現も遠くないかも
遠く離れた地にいるジェダイとホログラムで会話できる日も近いかもしれない。
NTTが研究開発を進めるイマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」の進展が注目を集めている。
これまで開発されていたホログラム映像投影技術は、映写場所に特殊なスクリーンが存在していたり、予め作成された動画データを映し出すものだっが、「Kirari!」では擬似3Dの人物を「ゴーグルもメガネも無し」で、「スクリーンも何もない空間」に、高解像度で「リアルタイム」に投影する事が可能となった。
「Kirari!」が見据えるのは2020年の東京オリンピックだ。競技空間をまるごとリアルタイムで3D配信する事により、まるでその場にいるかのような”超高臨場感”を実現することができる。
「Kirari!」というネーミングには、“「速い!!!」「高い!!!」と体感させて、観戦者の目をKirari!と輝かせる” という意味が込められている。
こちらはNTT R&D フォーラム 2016で発表されたデモ映像。映し出されているのは離れた場所でリアルタイムに行われている空手の演舞の映像だが、まるで選手が舞台の上に実在しているように見える。映像と音声にズレも感じられない。
https://youtu.be/vySMFx4ZQvY?t=58s
ホログラム映像は多くのSF映画で夢見られていた未来の技術だ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』で描かれた2015年でマーティーは、映画館前でジョーズに噛みつかれていた。
『バニラ・スカイ』の主人公デイヴィッドの誕生日パーティーでは、モダン・ジャズ界の巨人ジョン・コルトレーンがサックスを吹く映像がホログラム投影されていた。
http://socalledtwenties.blogspot.jp/2010/02/dope-ish-vanilla-sky-2001.html
また音楽界では、マイケル・ジャクソンや2Pac、マライア・キャリーらが既にホログラムへと姿を変えている。
ホログラムとの対話は実現するか
立体映像との対話については、音声認識を活用した形で南カリフォルニア大学の研究グループが2015年時点で既に実現している。
体験者の発した言葉に合わせて、予め用意した3D映像を映すというものだ。たとえばこちらの動画では、「どうやってホロコーストを生き延びたのですか?」と尋ねる体験者に対して、ホロコーストの生存者が「どうやって生き延びたかって?それはね…」と語る様子が見られる。
しかし、リアルタイム投影であれば、事前に用意した映像を映し出すのではなく、離れた場所にいる人物の姿と音声をナマで目の前に持ってくる事ができる。
つまり、『スターウォーズ』で、ジェダイ達やダース・シディアス、最高指導者スノークらが使用していたホログラム通信のように、遠隔地の相手があたかもそこにいるかのように通話できるようになるかもしれない。
http://pages.vassar.edu/ltt/?cat=5495
http://starwars.wikia.com/wiki/Snoke
http://boards.theforce.net/threads/whos-the-baddie.50004944/page-477
ただし、現時点での「Kirari!」の主目的はあくまでスポーツを中心とした「競技会場の空間・環境を中継先会場へリアルタイム中継」する事。
個人競技を中心に、競技のリアルタイム中継のトライアルを進めてまいります。具体的なユースケースとして、空手やフェンシングなどの競技や、ピッチャー、バッターなど個人のプレイにフォーカスがあたる野球などへの展開に挑戦してまいります。
また今後は、サッカーなど大人数の競技者すべてを3D投影する事を目標としているそう。
2017年には、Kirari!で実現する競技の幅を広げるため、選手複数人での競技(被写体の重なりの大きい競技)へ対応するための研究開発を推進してまいります。将来的には競技者が大人数、もしくは複数の被写体の移動の大きい競技などへ対応することにより、現在では実現の難しい柔道サッカーなどへの適用を目指します。
日本全国のパブリックビューイング会場で、海外のスタジアムの会場空気をそのまま体験できる日も遠く無さそうだ。
勝手な想像だが、更に研究が発展し出力環境が小型化され一般商品化されれば、サッカーの試合やロックフェスのステージをバーや自宅のテーブル上で観られるようになるかもしれない。
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