タイカ・ワイティティがカズオ・イシグロ原作『クララとお日さま』を実写化 ─ AIと病弱な少女の友情を描く

英国の作家カズオ・イシグロによるディストピアSF小説『クララとお日さま』(早川書房刊)の実写化計画が進行中だ。『マイティ・ソー』シリーズのタイカ・ワイティティが監督として現在交渉中である旨を米Deadlineが報じている。
イシグロにとって2017年のノーベル文学賞受賞後、初の作品となる『クララとお日さま』は人工知能を搭載したロボットのクララの目線で描かれるストーリー。病弱な少女ジョジーのAF(Artificial Friends=人工親友)として家庭に迎えられたクララはジョジーと友情を育み、彼女の人間関係や成長を見届ける存在となる。近未来を舞台に、命の尊厳やヒューマニティを問う作風は、2010年に映画化された『わたしを離さないで』にも通じるものがあり、世界中の読者から高い評価を博している。
本企画は、TVシリーズ「マッドメン」の共同プロデューサーを務めたダービ・ウォーラーが執筆した脚本をもとに、Sony 3000 Picturesが製作を担う。『ハリー・ポッター』シリーズの制作で知られるデヴィッド・ハイマンがプロデューサーに就任し、「エジソンズ・ゲーム」(2019)「モンタナの目撃者」(2021)のギャレット・バッシュ、ワイティティもプロデューサーとしての参画を交渉中だ。
ワイティティはマイケル・ファスベンダー主演の最新作『ネクスト・ゴール・ウィンズ』が2023年に日本公開されるほか、『スター・ウォーズ』の新作映画という大役が控えている。『クララとお日さま』の監督については、一度企画が浮上したものの、契約がクローズした経緯があるが、この度改めて取り組む運びとなった。『ジョジョ・ラビット』(2020)では、少年少女の立場から、第二次世界大戦下のドイツにおける人々のありようや、現実、恐怖などを独特のタッチで描いたワイティティと、イシグロ作品の繊細かつ鋭い筆致がいかにリンクし、新たなケミストリーを生み出すか、企画の進捗に要注目だ。
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Source:Deadline