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『ナイブズ・アウト』最新作はミステリーの原点回帰、「推理小説の父」エドガー・アラン・ポーにオマージュ ─ 「よりゴシック、かつリアルに」

ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン
Netflix映画『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』12月12日(金)より世界独占配信

ダニエル・クレイグが名探偵ブノワ・ブランを演じる人気シリーズ『ナイブズ・アウト』最新作『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』は、過去2作よりも「ミステリーの原点」に回帰する作品になるという。監督・脚本のライアン・ジョンソンが明かした。

本作は『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』(2022)に次ぐシリーズの第3作で、ブノワ・ブランが「かつてない危険な事件」に挑む。プロットや登場人物などは謎に包まれているが、先日公開された予告編では、超常現象やオカルトが題材となることが示唆されていた。

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Rolling Stoneのインタビューにて、ジョンソンは、本作が前作『グラス・オニオン』とは「まったく異なる」作風であることを認めた。「よりゴシック、かつリアルなトーンなので、その意味では第1作に似ています。(ミステリーという)ジャンルの起源に立ち返っているのです」。

ジョンソンが『ナイブズ・アウト』シリーズでオマージュを捧げてきたのは、“ミステリーの女王”として知られる推理作家アガサ・クリスティ。しかし、本作『ウェイク・アップ・デッドマン』は「アガサ・クリスティ以前、エドガー・アラン・ポーまでさかのぼる」という。世界初の推理小説といわれる『モルグ街の殺人』などのほか、数々の怪奇・幻想小説を発表した大作家だ。

同じ「ミステリー」というジャンルのなかで作風を変化させる理由を、ジョンソンは「自分が楽しくいられるように、同じことを繰り返したくないから」と説明する。「必ずしも別の作風にするわけではありません。けれども、あるトーンの作品を3年間作るのは、同じランチを3年間食べるようなもの」だと。

ただしジョンソンが強調するのは、“変化”そのものが目的ではないことだ。「やりたいジャンルやスタイルから(創作を)始めますが、それを新鮮に扱うことではなく、自分自身が怒っていること、考えていること、向き合っていることを大切にしている」という。

「自分が本当に気にかけていることがあり、そのうえでジャンルやスタイルを表現の手段として掘り下げていく。きちんと歯車が噛み合ったときに創作のプロセスは始まるもので、それが僕の知る唯一のやり方です。個人的な欲求として、ジャンルを超えて探求したいという熱意があれば、それがジャンルを新鮮にしてくれるのです。」

共演は『チャレンジャーズ』(2024)のジョシュ・オコナー、重鎮グレン・クローズ、『デューン』シリーズのジョシュ・ブローリン、『ブラック・スワン』(2010)のミラ・クニス、『アベンジャーズ』シリーズのジェレミー・レナー、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)のケリー・ワシントン、『異人たち』(2023)のアンドリュー・スコット、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)のケイリー・スピーニー、「ツイスターズ」(2024)のダリル・マコーマック、『スパイダーマン3』(2007)のトーマス・ヘイデン・チャーチ。

Netflix映画『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』は2025年12月12日(金)より全世界独占配信。

Source: Rolling Stone

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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