ハリウッド版『聖闘士星矢』米公開も大苦戦 ─ 12位スタートで製作費回収も困難か

新田真剣佑初のハリウッド映画主演作として話題を集めた『聖闘士星矢 The Beginning』に苦戦の話題が続く。誕生の地である日本での興行不振が伝えられている中、海外デビューも非常に厳しい立ち上がりとなった。
海外では『Knights of the Zodiac』のタイトルで流通するこの作品は2023年5月12日より米公開。初週末は12位デビュー、興収は55万ドルとなった。日別内訳は、12(金)が10位、13(土)が16位、14(日)が13位。
同週末の1位は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』(2週目)で6,200万ドル、2位は『ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー』(6週目)で1,261万ドルとなった。3位には『また、あなたとブッククラブで』(2018)の続編として初登場のラブコメ映画『Book Club: The Next Chapter』が667万ドルをあげた。
レビューサイトの米Rotten Tomatoesでは、批評家スコアは29%と低調ながら観客スコアは70%(本記事時点)と比較的楽しまれている印象。もっとも両スコアとも、そもそも寄せられているレビュー数が少なく、あまり盛り上がっているわけでもないというのが実情だ。
6,000万ドル(約80億円)とされる製作費を東映が全額出資した。本来であれば1億8,000万ドル(約240億円)以上を稼ぎたいところだが、現時点の世界累計はわずか515万ドル(約7億円)と極めて厳しい状況。
東映の手塚治社長は2022年12月、日本経済新聞の取材で「興行収入30〜40億円程度とみている」と予測していた。近年の洋画興収を参考とすると、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021)約36億円、『SING/シング: ネクストステージ』(2022)約33億円、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022)約42億円、『ミニオンズ フィーバー』(2022)約44億円。これらの作品に匹敵する話題作となることを狙っていたと考えられる。
しかしながら『聖闘士星矢 The Beginning』は日本では公開2週目時点で早くも動員トップ10から姿を消した。初週末成績は約4,000万円だったと伝えられるが、残念ながら国内1億円に届くかどうかといったところで公開を終えることになってしまいそうだ。
ちなみに、最も稼ぎをあげているのは故郷である日本……ではなくメキシコで、日本の3倍強となる107万ドルを記録している。実は『聖闘士星矢』のアニメシリーズはメキシコでも放映されており、熱狂的なファンも多いそうだ。ただし2週目の成績は20万ドルで、前週対比マイナス80%という強烈なドロップに見舞われている。
Source:Box Office Mojo,Rotten Tomatoes,日本経済新聞