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スタンリー・キューブリックと友情を結んだ男、敬愛ゆえに追い詰められた男 ─ 天才の素顔に迫る秀作ドキュメンタリー、2本同時公開決定

キューブリックに魅せられた男
©2017True Studio Media

『2001年宇宙の旅』(1968)や『時計じかけのオレンジ』(1971)、『フルメタル・ジャケット』(1987)などを送り出した、映画史に残る巨匠監督スタンリー・キューブリックに全く異なるアプローチで迫ったドキュメンタリー映画『キューブリックに愛された男』(原題:S is for Stanley)と、『キューブリックに魅せられた男』(原題:FILMWORKER)が、没後20年となる今年、2019年11月1日(金)より史上初のカップリング上映されることが決定した。

『キューブリックに愛された男』は、キューブリックの専属ドライバーであったエミリオ・アレッサンドロの目を通して、奇妙な出会いや神経質なキューブリックの生活様式、動物に囲まれ穏やかな日常など、知られざる巨匠の普段着の姿が、2人の厚い友情と共に浮かび上がるハートフルな仕上がりだ。かたや『キューブリックに魅せられた男』は、キューブリックに絶対的な忠誠を誓った若き俳優レオン・ヴィターリが、個人的なアシスタントとして、無限にも思われるキューブリック監督の雑事に追われていく過酷な日々を数々の証言と共に描き出してゆく意欲作だ。


2019年は没後20年のメモリアル・イヤーに相応しく、4月にはロンドンで大規模な「キューブリック展」が開催され、5月のカンヌ映画祭ではアルフォンソ・キュアロン監修による4K版『シャイニング』の上映が大きな話題となり、11月にはその『シャイニング』の40年ぶりの続編となる『ドクター・スリープ』が世界公開を控える。その同日より、巨匠の仕事からプライベートまでを描き尽くした2作品が、同劇場にて回を替えてのカップリング上映で公開。天才監督の人生に、ほんの少しだけ近づいてみてほしい。

「キューブリックに愛された男」

キューブリックに愛された男
©2016 Kinetica-Lock and Valentine

第10回ローマ国際映画祭上映作品

エミリオ・ダレッサンドロはイタリア系の移民。元々は才能溢れるレーシング・ドライバーとして、将来を嘱望されていたが、新天地を求め移住したロンドンではレーサーの職は得られず、タクシー運転手として家族と平凡な生活を送っていた。1970年の雪の夜、ホークフィルムという会社からエミリオに奇妙な仕事の依頼が入る。「人ではなく、ある“モノ”を撮影スタジオに運んで欲しい」。悪天候に加え、その現物は車に積むには大き過ぎたが、エミリオはなんとか無事にスタジオまで送り届けることが出来た。

映画に興味のない彼は、そこで何が行われ、直接の雇い主が誰かなど特に気にはかけなかった。後日、そのホークフィルムから「我が社の代表が挨拶したい」と連絡が入る。それがキューブリックとエミリオの出会いだった。レーサーとしての実績を知っていたキューブリックは「あなたを自分の専属運転手として雇いたい」と申し出てきた。エミリオは快諾し翌日からアボッツ・ミードにある監督の自宅兼スタジオに通うことになった。30 年に渡る 2 人の奇妙な友情はこうして始まるのだった…。

日本オリジナルのビジュアルは、キューブリックの代表作である『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964)のビジュアルにオマージュを捧げ、後ろ姿のキューブリックとエミリオ、そして爆撃機の代わりに大量のメモ書きが空を覆いつくすというコミカルなデザインになっている。

監督:アレックス・インファセッリ 出演:エミリオ・ダレッサンドロ/ジャネット・ウールモア/クライヴ・リシュ
2016 年/イタリア/カラー/82 分/ビスタサイズ/5.1ch

「キューブリックに魅せられた男」

キューブリックに魅せられた男
©2017True Studio Media

第70回カンヌ国際映画祭クラシック部門公式セレクション作品

レオン・ヴィターリは有望な若手英国俳優。多感な時期に『2001年宇宙の旅』と『時計じかけのオレンジ』に衝撃を受けた、キューブリック監督の信奉者でもあった。その彼が全力で挑んだのが新作『バリー・リンドン』のオーディション。万全の態勢で臨んだ結果、見事に合格を果たす。撮影初日、初めて監督本人と会った瞬間「電流が走った」とレオンは回想している。撮影が進む中、監督の厳しい要求の数々にもこたえ、2人は次第に親交を深めてゆく。

クランクアップの後、レオンの中に「キューブリックとまた仕事がしたい」という思いが高まり、レオンは有望視されていた俳優業からスタッフ側に転身。念願叶い『シャイニング』からキューブリック組に参加する。ダニー少年役のキャスティングを任され、その子役の世話から演技指導までを手がけ、早くも監督の信頼を勝ち取るレオン。この時からキューブリックは身の回りに無数にある、ありとあらゆる細かい用事や仕事を彼に任せ始める。その量は常識をはるかに超え、レオンは24時間365日体制を強いられる。そして、監督から課せられるプレッシャーは次第に彼を肉体的、精神的に追い詰めていく…。

日本オリジナルのビジュアルは『バリー・リンドン』のビジュアルにオマージュを捧げ、主人公バリーと本作のレオン・ヴィターリのイメージが重なり、まるで彼がキューブリックに踏みつぶされているかのようなデザインとなっている。

監督・撮影・編集:トニー・ジエラ 出演:レオン・ヴィターリ/ライアン・オニール/マシュー・モディーン/R・リー・アーメイ/ステラン・スカルスガルド/ダニー・ロイド
2017 年/アメリカ/カラー/94 分/ビスタサイズ/5.1ch


映画『キューブリックに愛された男』『キューブリックに魅せられた男』は、2019年11月1日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

『キューブリックに愛された男』『キューブリックに魅せられた男』公式サイト:http://kubrick2019.com/

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THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

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