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映画『ラ・ラ・ランド』ロケ地レポート ─ 米ロサンゼルス、名シーンの舞台に行ってみた

ララランド ロケ地 聖地

アカデミー賞史上最多タイである作品賞他14ノミネート、ゴールデン・グローブ賞では歴代最多7部門を受賞したデイミアン・チャンゼル監督『ラ・ラ・ランド』。2016年12月9日に全米公開されてから大絶賛の嵐となった空前絶後の話題作が、ここ日本でも2017年2月24日にようやく公開となった。

2016年12月、既にメディア関係者や一部の幸運な映画ファンらに向けた試写会が実施されたが、残念ながら筆者は機会に恵まれず。鑑賞を終えたファンらのSNS上で吹き荒れる絶賛コメントの数々、さらにアカデミー賞ノミネート発表での”ラ・ラ・ランド無双”を目の当たりにし、「日本公開まで待てない!」「こうなったら、何が何でも日本公開前に観てやるぞ」と震える手でパスポートを握りしめ、映画の舞台となったロサンゼルに飛んだ。ハリウッドの中心、チャイニーズ・シアターのレーザーIMAXで『ラ・ラ・ランド』を鑑賞し、映画のロケ地を巡るためだ。

この記事では、映画『ラ・ラ・ランド』の撮影ロケ地を実際に周ってきた筆者が、その先々で撮影した独自写真とともに、実際のロケ地の様子をお伝えしたい。きっと、『ラ・ラ・ランド』がより身近な作品に感じられるはずだ。

この記事には、『ラ・ラ・ランド』のネタバレが含まれています。

まず筆者が向かったのは、『ラ・ラ・ランド』のメインビジュアルにも使われている、ミアとセバスチャンが”A Lovely Night”に乗せて情熱なタップ・ダンスを見せた丘。ふたりの間にあった、やわらかな電撃が恋愛の糸に変わりゆく瞬間を演出した地だ。ふたりは「普通の夜景」とおどけていたが、ハリウッドの夜景を一望できるなんともドラマチックなこのエリアはMt.Hollyrood Driveと呼ばれるドライブウェイで、グリフィス天文台の近くにある。

地元の人の話によれば、劇中で二人が座っていたベンチと、揺れ動く恋心をそっと照らしていた街灯は撮影用に設置されたものだという。

筆者の『ラ・ラ・ランド ロケ地巡り』の一路は、ここを目指す所からスタートする。移動には車がないと少々辛いロサンゼルスの街だが、幸いにも現在は2017年、配車アプリUberを使えば自由自在に移動することができる。スマホでアプリを起動し、現在位置と目的地をピンで指定すれば、近隣を走っているUberドライバーが迎えに来てくれるのだ。ドライバーは既にアプリ上で乗客の目的地を確認しているので、異国の地で言葉が通じなくても目的地を伝えるのに一切苦労しない。おまけに相乗りサービスUber POOLを選択すれば、更に格安での移動が可能になる。

出発地点はハリウッドの中心、チャイニーズ・シアターから。Uberを起動して目的地の住所を入力すると、早速5分ほどでドライバーが迎えに来てくれた。目的地となるMt. Hollywood Driveはグリフィス・パークのど真ん中。”パーク”とは行っても山のように広大な敷地だけあって、「こんなところに行くの?」と驚かれた。

時刻は17時過ぎ、30分少々走るとグリフィス・パークに到着。ナビに従って夜路を進んでいくが、思った以上に日の入りが早い。おまけにこの日はロサンゼルスでも珍しいという雨と濃霧に見舞われた夜だった。「今年はおかしいの。こんなに雨が降るなんて滅多にないんだけど」どうやら渡米のタイミングが悪かったらしい。

「あなたには悪いけど、ここまでしか行けないみたい」と車を停められ、観ると『STOP』…進入禁止のサインが。「時間は調べた?」と聞かれたが、どうやらドライブウェイは夜間通行禁止になるらしい。Googleマップを観ると、目的地までは徒歩でここから1時間くらいかかる。

「どうすべきか一緒に考えてあげるわ」ドライバーは親切にも、なんとか近くまで車を進められないか調べてくれたのだが、為す術はないようだった。

「仕方ないので、歩きます」と伝えると「本当に?一時間くらいかかるわよ。動物が出るかもしれないし」と止められる。確かに辺りはすっかり暗くなり始めている。温暖なロスといえ2月の夜は冷え込むし、今夜は霧雨もひどい。こんな環境で見慣れぬアメリカの山道をひとり傘をさして歩くのはさすがに危険だろうか。それに、ネットで得た住所情報が、ピンポイントでロケ地の丘を指しているかも定かではなかった。いわゆる「代表地点」ってやつで、大雑把に「このあたり」に案内しているだけかもしれない。街灯もないであろう夜霧の最中を、あちこち探し回るのは気が引ける。

「どうする?行くか行かないか、あなた次第よ。」

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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