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【独自取材】『ラ・ラ・ランド』の夢と現実 ─『リアル・ラ・ラ・ランド』パロディ動画制作者に訊いた

リアル・ラ・ラ・ランド

2017年日本公開作の中でも、早くも最高傑作としての呼び声高い映画『ラ・ラ・ランド』。特集記事「『ラ・ラ・ランド』奇跡のオープニングはいかに撮影されたか」でも触れたように、ロサンゼルスのフリーウェイを実際に封鎖して撮影された圧巻のオープニングシーンは、映画の始まりながら最大の見せ場の一つとして評価が高い。

夢追い人の背中を押すような快活な楽曲”Another Day of Sun”に乗せて、素晴らしいパフォーマンスで観客を楽しませる同シークエンス。しかし、華々しいハリウッドのショウビズ界の裏で、劇中のミアやセバスチャンのように”夢と現実”の間で必死にもがく者たちは決して少なくない。そんな”悲惨な現実”を笑い飛ばすように描いた『ラ・ラ・ランド』オープニングシーンのパロディ動画 La La Land: The Reality (La La Land parody)”が、2017年2月25日にYoutubeに公開された。

「『ラ・ラ・ランド』は楽しかったけど、ロサンゼルスでの生活は映画通りじゃないんです。LA生活の現実をお見せしましょう!」

お金が無くて車で生活する日常や移民問題など、生々しい現実を歌うこの『リアル・ラ・ラ・ランド』。THE RIVERでは、この動画を制作・公開したクリエーター・チーム、Dr. America Comedyにインタビューを試みた。キャサリン・コーウェルさんは、チームを代表して我々の取材に快く応じてくれ、替え歌歌詞の日本語訳掲載についても快諾してくれた。

まずは動画をお楽しみ頂き、歌われている”Another Day of Sun”替え歌の日本語訳をご紹介する。次に、『リアル・ラ・ラ・ランド』がテーマとする”ハリウッドの夢と現実”についてのインタビューをお届けしよう。

https://youtu.be/weeIwEszXlE

替え歌の和訳

火曜日の正午
仕事もないから
ただLAをドライブしてる
脚本を書きながら
僕は車で生活していて
銀行にはクレカも止められてしまった
でも いつかスターになるんだ!

夏、日曜の夜
移民弁護士がボイルハイツ(※1)まで訪ねてきた
僕を家族ごと
亡命させようとしている
僕たちはホンジュラス(※2)難民
ありえないでしょ!

※1ボイルハイツ:ダウンタウンとイーストLAの中間に位置する街。治安の悪い危険地帯として知られる。
※2 ホンジュラス:中央アメリカ中部に位置するホンジュラス共和国は、殺人率世界一、最悪の犯罪都市と言われ、「リアル北斗の拳」とも形容される。

何かがLAで僕を呼んでる
麻薬カルテルの猛威
名声を掴むチャンス
誰が僕の存在を気にかける?
今にわかるさ

この男をフ◯ラしたら
X-Men 5に出れるかも
それがダメなら、”僕をフ◯ラした女”くらいには出れるかもね

もうすぐ39歳だけど、どうしよう
たまに車で寝るのだが
映画は観たよ!
信じるんだ!
絶対に去ることはない!
ビッグ・スターになってやる!

ボクは財産家の子
歌もうまいよ
ボクのバンドの名は”コカイン”
インターンシップも辞めたとこ
だからツアーに行けるんだ
貧乏は嫌だねぇ
ボクのパパはプロデューサー

レイシストの警官に
職務質問されて撃たれても
TVのニュースに出れるかもってことよね

いつか弁護士の手違いがあれば
私も晴れて市民になれる
そんなことありえないけど
夢を見続けよう

もうすぐ39歳だけど、どうしよう
たまに車で寝るのだが
映画は観たよ!
信じるんだ!
絶対に去ることはない!
ビッグ・スターになってやる!

信じるんだ
絶対に去ることはない

ビッグ・スターになってやる!
ビッグ・スターになってやる!
ビッグ・スターになってやる!

アイデア構想

夢追い人の賛美歌”Another Day of Sun”に乗せ、地底スレスレのリアルな現状を痛快に歌い上げたこのパロディ動画。一体どのようにして着想に至ったのだろうか。この歌詞を書いたキャサリン・コーウェルさんは「『ラ・ラ・ランド』が大好きだからこそ思いついたアイデアです。」と語る。

「グラマラスなものと、そうでないものをミックスさせたら面白いんじゃないかと思いました。だから、グラマラスなダンスに乗せて、貧乏だから車で生活しているとか、映画に出るために枕営業をするとか、全然グラマラスじゃない歌をミックスしてみたんです。」

撮影の裏側

動画では実際の映画同様、ワンテイク・ショットのうちに様々なパフォーマーが画面に飛び込み、脚色なしのある意味チープな歌とダンスで楽しませてくれる。この撮影の裏側を訊いた。

「素晴らしい監督のジェリー・ホワイトⅢと撮影監督ケニス・キーラーが、色調補正まで含めて可能な限り実際の映画のように撮影してくれました。彼らは素晴らしくて、ワンテイクで撮るべきだとの提案もしてくれました。失敗が許されないので、本当に大変でしたけどね!

ダンサーには喜劇役者の友人達をリクルートして、私の自宅近くの駐車場でまる四日かけて準備しました。うまくいって本当に喜んでます。最後には駐車場のオーナーさんがやってきて、追い出されちゃいましたけど。それまでに使えるテイクが撮れてたのが幸いでした。」

夢追い人たちの”リアル”について

『ラ・ラ・ランド』では、ハリウッドで夢を追うミアやセバスチャンが、何かを諦めながらもそれぞれの夢を実現していく過程が描かれた。しかし、あくまでもそれは映画の話で、実際にビッグ・ドリームを掴むことが出来るのはわずか一握り。キャサリンさんは、LAの華やかなショウビズ界を志す者たちが日夜直面する、タフな現実を教えてくれた。

「Dr. Americaの皆も、友人たちもみんな大変な思いをしています。もう荷物をまとめてLAを去ろうかと何度思ったことか…。でも、『信じるんだ!絶対に去ることはない!』という想いがあって。

ここLAでの生活は、本当に高く付くんです。家賃が払えなかったり、仕事にありつけない月もありました。街にはたくさんの移民がいますが、皆同じように感じています。いつか辞め時がくるかもしれない。それを少しでも先延ばしにできるよう、ただただ祈っているんです。」

『ラ・ラ・ランド』で”夢見る愚か者(Fools who dream)”と自虐的に歌われていたように、ハリウッドで夢を目指す者たちの現実は、そのきらびやかな聞こえに反して厳しい。

「私の友人は、劇団の劇場で気絶してしまったことがありました。破産してしまい、数日間何も食べていなかったんです。」

活動について

もがきながら活動を続けるDr. Americaのメンバーたち。キャサリンさん自身「荷物をまとめてLAを去ろうかと何度思ったことか」と語っているが、他の活動について尋ねると、その日々はクリエイティビティに満ちた刺激的なものであることが窺い知れる。

「私たちはチームとして、月に一本動画を公開しています。私はいつも、ミュージカル・ビデオの仕事ができるように頑張っています。3月には、”I Just Drink Wine”というラップ・ビデオを撮影します。チームの女性陣がビールのようなアルコール飲料をディスるっていうやつなんですが、グラスや瓶を割りまくって、みんなで酔っ払うつもり。絶対楽しくなるはず。」

夢や目標に向かってひた走るキャサリンさん。「今年は長編コメディ・ミュージカルを書いて、演じるつもりです!」と、見据えるだけの一点を持つ彼女の姿勢は、羨ましくも思う。

最後に、彼女たちにとって『ラ・ラ・ランド』はどうだったのかを訊いてみた。

「『ラ・ラ・ランド』は大好きです!でも、私のチーム全員がそうかというと、そうではありません。」

 

Dr. America Comedy Youtube Channel:
https://www.youtube.com/channel/UCBJ4wvqHGSXmH6yb82G239Q

Director / Jerry White III:
http://www.jerryjwhite.com/

Director of Photography / Kenneth Keeler:
http://www.kennethkeeler.com/

Katherine, thank you for your cooperation!

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Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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