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戦争の歴史と怪談が融合する野心作『ラ・ヨローナ ~彷徨う女~』公開決定 ─ 虐殺を指揮した元将軍の邸宅に、すすり泣く女性の声

ラ・ヨローナ~彷徨う女~
© COPYRIGHT LA CASA DE PRODUCCIÓN - LES FILMS DU VOLCAN 2019

『死霊館』シリーズでも描かれた中南米の怪談「ラ・ヨローナ伝説」を基にした映画『La Llorone(原題)』が、邦題『ラ・ヨローナ ~彷徨う女~』として、2020年7月10日(金)より全国順次公開となる。第76回ヴェネチア国際映画祭 ヴェニス・デイズ部門受賞、第32回東京国際映画祭 コンペティション部門選出など、世界の映画祭で絶賛された話題作だ。日本版ポスタービジュアル&予告編、場面写真も到着している。

闇に葬られし血塗られた歴史が再び呼び起こされる時、恐怖と哀しみの「ラ・ヨローナ伝説」が現代に蘇る。中南米に伝わる「ラ・ヨローナ伝説」とは、二人の子どもとともに夫に捨てられた女が、子どもを溺死させたのちに自殺し、その悲しみが死後も魂として彷徨い続け、嘆きの声が人々を恐れさせるというものだ。

「泣いたら、殺す」という言葉と共に、母親と子どもたちは兵士に殺害された。グアテマラの軍事政権による大虐殺から30年、かつての将軍エンリケは虐殺を指揮した容疑で裁判にかけられるが、証拠不十分として無罪となる。国民の糾弾を受けながら家族と屋敷に戻ったエンリケには、その夜から、不思議な泣き声が聞こえるようになった。そんなある日、新しいメイドのアルマがやってくる。若く美しいアルマは家族に受け入れられ、屋敷で働き始めるが、やがて彼女の周囲で奇妙なことが起き始める……。

ラ・ヨローナ~彷徨う女~
© COPYRIGHT LA CASA DE PRODUCCIÓN – LES FILMS DU VOLCAN 2019
ラ・ヨローナ~彷徨う女~
© COPYRIGHT LA CASA DE PRODUCCIÓN – LES FILMS DU VOLCAN 2019

シンプルに“怖い話”としての怪談を映画化したホラーでないことは、あらすじを読めば一目瞭然だろう。本作を手掛けるのは『火の山のマリア』(2015)で第65回ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞した、世界が大きな期待を寄せる新鋭ハイロ・ブスタマンテ監督。25万人の死者を出したといわれる、1960年から36年にも及んだグアテマラの内戦の血塗られた歴史に「ラ・ヨローナ伝説」を織り交ぜ、幻想的な世界観をもった現代の恐怖の物語として語り直すのだ。

予告編には、内戦時の事件をめぐる裁判が続く中、自身の正当性を主張する元将軍エンリケとその家族が、突如聞こえてきた女のすすり泣く声を聞き、そして混乱の中で新しいメイドが現れたことをきっかけに少しずつ追い詰められる姿が映し出されている。物語に秘められた重く深い悲しみが、恐怖とともに観る者の胸を刺す、繊細かつ巧妙な“怪談”に注目してほしい。

映画『ラ・ヨローナ ~彷徨う女~』は、2020年7月10日(金)より全国順次ロードショー

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THE RIVER編集部THE RIVER

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