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レディー・ガガ『クロマティカ』インタビュー ─ 立ち上がる勇気「私だって、長い時間がかかった」

レディー・ガガ、約3年ぶりのニュー・シングル「Stupid Love」を発売

レディー・ガガ(Lady Gaga)が、2020年5月29日に新アルバム『クロマティカ』をリリースする。THE RIVERでは、日本のファンのために行われた特別インタビューを公開。さらに、オリジナルデザインのTシャツを3名様にプレゼントする。

応募方法は、インタビュー部分下部。ガガの強い思いが色濃く現れたインタビューを読んで応募しよう。

レディー・ガガ『クロマティカ』リリース記念インタビュー

──ここ数年間にあなたの人生にも、アメリカと世界にも、様々なことが起きたわけですが、そういったことを踏まえて『Chromatica』に着手した時のあなたは、エモーショナルな意味でどういう場所にいたのでしょう?

『クロマティカ』の制作に着手した時の私は、ものすごくダークな場所にいました。すごくウツになってた。それは必ずしも、世界の状況とかアメリカの政治情勢のせいではありません。私はウツ持ちなんです。だから、毎日、仕事はしていたけれど、それは一緒に仕事をする私の友人たちの思いやりのおかげでした。友人たちが、「おいでよ、一緒に作曲しよう、君はやれるよ」って声をかけてくれて、本当に私の力を信じてくれたから、私はゆっくりと、このアルバムを作ることができたんです。

そして、私を癒してくれたのは、曲を作った後に聞き返してみたら、私の歌声がハッピーに聞こえたこと。歌詞は私の人生についての詩で、歌うのが難しい内容ではあったけれど、でも同時に私はこの世界のことも考えていて、どうすれば人々を幸せにできるだろうってことを考えていたんです。私は、それが私のやるべきこと(使命)だと信じている。私は人々をハッピーにするためにここにいるべきだって、信じているんです。

──ええ、今日6曲聞かせていただきましたが、幸せを感じました。

楽しめましたか?

──はい、非常にハッピーになりました。

良かったです。

──あなたは2013年のアルバム『Artpop』を最後に、ポップ・ミュージックから距離を置いて、以来Tony Bennettとのデュエット・アルバムである『Cheek To Cheek』、『Joanne』、映画『A Star Is Born』のサウンドトラックの3作品で、よりオーガニックでルーツ・ミュージックに根差した音楽を作りましたよね。ここにきて久しぶりにポップを志したのはなぜですか?

私自身が、私をポップに戻らせたんです。私がこういう曲を書いたっていうだけ。私はこれまで、自分のハートと頭で感じていないものは創造したことも書いたこともありません。そして、これが私の作りたかったものなんです。私が沢山の痛みを抱えてる時にこれが出てきたから、驚きでした。私は、痛みの中で踊り切ることができるような曲を書こうって、決心したんです。日々、作曲とプロデュースをして、私が作った曲の数々を聞き返す度に思ったんですね、「ああ、私の声がハッピーに聞こえる、私の中にまだハッピーな何かが残ってるはずだ」って。それが徐々に大きくなって行って、遂にアルバムが完成したと感じた時に、『クロマティカ』と名前をつけました。それが今の私がいる場所。私はハッピーな場所にいて、私の周りの人々に心から感謝していて、私の人生と、創造できる力と、私がこの世界で声を持っていることに深く感謝しています。そして今の私は、思いやりを世界に広めることにフォーカスしているんです。

──今すでに少し語ってくださいましたが、『Chromatica』のテーマや、あなたがこのアルバムを通して伝えたいメッセージはなんですか。なぜ『Chromatica』というタイトルなのかも合わせて教えてください。

アルバム・タイトルの『クロマティカ』(色彩・半音階)は、まず色と、それから、全ての人々は本当に様々な形で異なっているということにインスパイアされています。単に人種や、宗教だけでなく、個性や性自認、セクシャリティにおいても人はみんな違う。だから、様々な形で、私たちはとてもカラフルな存在なんですね。でも、音楽面での意味もあって、いちオクターブの中に半音階がある。どういうことかというと、音は半音ずつ上がっていくもの。だから、音楽の中の音は、お互いにすごく近い関係にある。それで私は、すごくカラフルであることを、すごく近い関係であることになぞらえたら面白いなって思ったんです。つまり、私たちはそれぞれにとても異なっているけれど、色々な意味でとても近い存在だっていうことです。そして、世界に沢山の衝突がある時、沢山のネガティヴなこと、憎しみ、戦争、あるいは病が存在する時、どうすれば私たちはお互いを癒せるだろう、どうすれば生き残れるだろうって考えたんです。そして私は、思いやりこそがこの全てを解決する鍵だと信じている。思いやりが私たちを自由にすると信じているし、思いやりは決して失敗しないって、信じているんです。

──今回「レイン・オン・ミー」という素晴らしい曲でアリアナ・グランデと共作されていますが、どういった経緯なのですか。アリアナとコラボしてどうだったか、そして、ミュージック・ビデオはどのようなものになっているかを教えてください。

私はアリアナが大好き。ミュージック・ビデオはサプライズにしたいから、それに関してはまだ情報を出したくないんです。でも、アリアナと私は本当に結束しました。私たちが人生で経験したことをお互いに話し合ったんです。私たちは二人とも、沢山の困難を経験した。私は彼女の数々の体験と、彼女の強さを尊敬しています。そして彼女も、私の強さを敬ってくれた。歌詞では、私たちが「私はドライでいられるならそうしたいけど」って歌ってて、「私は泣かずにいたいけど」っていう意味。「でも少なくとも私は生きてる、私の上に雨を降らせて」って。だから、泣くのは弱いと思われるかもしれないけど、でも私が流した全ての涙は私を本当に強くした、ってことを言っているんです。

それから「今の私は雨の中に立っていられる」、つまり、私の涙の中で立っていられる、そして私はパワフルで力を得たと感じてる、っていう意味です。私は本当に、この世界で手にした私の声を他の人たちを助けるために使いたい。そしてあなたの涙は、あなたを弱い者にはしない、むしろあなたを強くするって、知らせたい。天気のようにね。雨のように。それが嵐になる時もある。

──BLACKPINKとも「サワー・キャンディ」という曲を共作されていますが、こちらもどういった経緯だったのですか。彼女たちとコラボしてどうだったか、そして、ミュージック・ビデオはどのようなものになっているかを教えてください。

私が彼女たちに声をかけて、私と一緒に曲をやりたいかどうか聞いてみたら、彼女たち、すごく喜んでやる気になってくれました。本当にワクワクするコラボレーションでした。私は彼女たちのようなパワフルな女性たちが大好きだから、彼女たちを祝いたかった。そして彼女たちも、私を祝いたいと思ってくれたんです。この曲を一緒に作って、素晴らしい時間を過ごしました。彼女たちが韓国語で曲の解釈をするのを聞いて興奮したし、そのパートがすごくクリエイティブで楽しかったって彼女たちに伝えました。彼女たちの歌声を聞いて感嘆しましたよ。彼女たちは美しい若い女性で、本当に才能があって、(この曲で)BLACKPINCKの5人目のメンバーになれたことを誇りに思います。

──線維筋痛症という病気を抱えながら、「Stupid Love」ではこれだけの激しいダンスを披露されていますが、葛藤や苦悩はありましたか。

撮影現場で?はい。もの凄く痛みを感じていました。でも、それを感じながら踊りきりました。それにね、私の周りには最高のダンサーたちがいてくれて、私を支え、私の気分を上げてくれた。友人たちもそこにいたし、監督は素晴らしかったし。

正直、私は慢性痛の疾患を持ってることを根本的に受け入れたんです。楽ではないけれど、それでも私はロックできるし、踊れるし、パフォーマンスを披露できる。それができない人たちもいます。だから、私の感謝の気持ちは強大なんです。私にとって良いことを認識して、それに感謝できれば、それが困難なことに立ち向かう助けになるんです。私、日本のファンには、本当に感心しているんですよ。日本のファンはとても強くて、感謝の心を持っていて、すごく個性的で美しいやり方で人生を楽しんでる。彼らは会う度にいつも、私をすごくハッピーにしてくれる。だから日本のファンに会うのが楽しみで仕方ありません。

──「Stupid Love」のミュージック・ビデオで、あなたはピンクの装いをしていますが、日本ではそれが「セーラームーンみたい」(特にセーラーちびムーン)と似ていると話題です。このことについてどう思いますか。これなんですけど(絵を見せる)。

この子、セーラームーンの妹じゃなかった?

──ええ、セーラーミニムーン(セーラーちびムーン)です。

セーラーミニムーンね。私たちがこのビデオを製作した時、私はアニメにインスパイアされていました。今の私は、アニメにインスパイアされてるんです。なぜかというと、プロデューサーのブラッドポップが、私がスタジオで悲しんでいる時にアニメのオモチャをくれたから。

そんな風にして彼は、私を元気づけようとしてくれた。それで、私の友人が私に優しくするためにしてくれたことを祝って、音楽と共にこのアート的表現を作れたら最高に素敵だなって思ったんです。彼はスタジオにベヨネッタのフィギュアを持ってきてくれた。そこにあるヌイグルミ(コリラックマ)もね。彼の様々なプレゼントのおかげで、私は愛されてるって実感できたんです。それが、このビデオにも反映された。だから、私は日本とアジアの文化の一面を祝福したんです。私のファンと世界中の人々に、私が最高の敬意を持って特別なやり方でやったことだと知って欲しい。本当に、私を笑顔にしてくれたから。

──あなたが日本に最後に来たのは、『ジョアン』のプロモーションで2016年10月のことですが、久しぶりに日本に帰って来てやりたいことはありますか。

日本でどこに行きたいかな。私はパフォーマンスしたいから、日本のスタジアムに行きたいですね。私の新しいツアー、『クロマティカ・ボール』を日本に持っていきたい。それから、ただ歩き回りたい。私は東京が大好き。さっき言ったように、このアルバムの制作中に友達から素敵な日本のギフトをもらうのが本当に嬉しかったし、日本の文化が大好きだし、日本のファンと日本を愛してる。だから、とにかく日本に行きたい。私は日本に居られるだけで嬉しい。多分、みんなが想像するよりも日本での私はみんなが想像するよりも地味だと思いますよ。日本に居られるだけでハッピーですから。

──「フリー・ウーマン」は、人々に力を与える素晴らしい曲ですね。あなたがデビューした約10年前と比べ、女性がアクティヴに表現することに対して、世の中がポジティブに受け入れるようになったと思います。あなたはデビュー時からそのムーヴメントの先頭を走ってきたように思えますが、この世の中の変化についてどう思いますか。

そんな風に言ってくれて、本当にありがとう。すごく優しいです。私はこれまでずっと、人々のロールモデルになろうと努力してきました。女性はこういう見た目であるべきとか、こういう行動や振る舞いをするべきといった固定観念に一度も従いたくなかったから。私は常に、どんな人間にとっても大事なことは、私たちの心と知性(頭)、そして私たちが世界に提供すべきことだと思っていたんです。

世の中の変化について思うのは、この業界で今よりも若かった時、一緒に仕事した男性たちに物として見なされたことが沢山あった。セクシーな服を着ろとか、こういう髪型にしろとか、性的なことを言う人たちと同じ部屋で仕事するのはすごく大変でした。私は私を使ってお金を稼いでいる人たちに、絶えず性的な魅力を強要されていました。女性として、不快でした。

あの当時と今の違いは、当時は自分のために立ち上がることがトレンドではなくて、社会的に容認されていなかったことだと思う。でも今は、そういうことが起こったら、私は「あなたは私を物として見てる。仕事場で、私を性的に見てる。私は私がやりたい時に私がやりたい方法で、セクシーになってやる。私は自由な女性で、それが私の権利だ」って言います。

そして私は、それは女性に限らず全ての性と、性自認に当てはまることだと思っている。何が変わったかと言うと、私が声を上げても、もう衝撃的ではなくなったことです。昔は私が「それはやりたくない」とか言うと、反対されたり、イラつかれたり、差別的な言葉で罵られたりした。私が強く出たことでね。自分たちのために立ち上がる女性たちを良い人間じゃないとか言うのは良くないと思うんです。自分自身のために立ち上がるって素晴らしい資質だから、何も悪くない。

──また自分を表現したくても人の目が気になり出来ない、という思いを抱えている女性たちに何を伝えたいですか。

あなたの中にあるその恐怖心を敬って、自分自身に優しくすること、その部分を思いやることは大切。だから多分、ゆっくりと、自分が自由になれると感じることを、常に少しずつやっていけばいいと思うんです。色々と試して見て、どうすれば自分に力がついた感じがするかを知る。そうするうちに、気づいたら、あなたがなりたい自由な女性になっているんじゃないかな。私だって、世界がどう私を見ているかとか、人々がいつも私にレディー・ガガのルックスでいて欲しいと思ってるとかを気にしていたんです。でも、少しずつ勇気を持つことを続けていけば、いつかは自分がすごく勇敢であることに気づくでしょう。

私は、女性はものすごく勇敢だと思ってる。それに人は誰もが、すごく勇敢だと思います。私たちは、勇敢さで溢れた世界に生きている。でも、お互いをもっと励まし合うことはできるし、自分自身を励ますこともできる。私はもっと自由になりたいって言うことは、勇敢なことの一つ。でも、より自由になるためには、この牢屋から出ることが必要なんです。そして、牢屋に閉じ込められている気分になったら、あなたがその牢屋の鍵を手に持っているってことを覚えていて欲しい。そして柵の間が充分に空いてるから、あなたはそこから手を伸ばして、外側から鍵を開けて、ドアを開けて、その牢屋から自分を解放できるんです。私たちは全員、その能力を持っていると思う。その恐怖心を乗り越える必要があるかもしれないけれど、でも、恐れていても大丈夫だし、時間がかかってもいい。私だって、長い時間がかかったんだから。

──近年のあなたは、テレビドラマ『American Horror Story: Hotel』と映画『A Star Is Born』に出演、役者としての類稀な才能も見せつけましたが、今作を作りながら「演技も面白いけど、やっぱり音楽はここが素晴らしい」と再確認したところがありましたら、教えて下さい。

音楽は、この世で最もパワフルなものの一つです。そして、それは色々な意味で、私たちが持っているあらゆる才能と同等だと思っていて。全ての人に得意なことがあって、全ての人がシェアできるものを持ってる。音楽は、私が持っていて、私がシェアできるもので、演技もまた私が持っていてシェアできるもので、慈善家も私がシェアできるもの。でも私は、音楽がそれ以外のことよりも優れているとは思っていません。演技がそれ以外のことより優れているとも思っていないです。私たちが提供するべきものは、等しく重要。だから私は常に言っているんです、『クロマティカ』においても、私の頭の中においても、何かが他よりも優れていることなんて決してないって。

だから、音楽は強力か?と問われたら、答えはイエス。でも、本当に強力なのは、全ての人たちが、お互いに提供できるものを、思いやりを持って分け与えることなんです。「あなたを愛してる、私はこれを作ったことに感謝してる、あなたが何をしているかに関係なく、私はこれをあなたと共有する」って、贈り物として提供するんです。それは音楽と同じレベルで強力だと私は思う。だから、そのことを音楽を通して人々にインスパイアできたらと思ってます。それが私が提供するべきことだから。

──まだアルバム・ジャケットは公開されていませんが、今作にまつわるヴィジュアル・コンセプトを教えてください。また、ピンクを多用していますが、この色にはどんな意味が込められているのでしょう?

私がピンクに惹かれた理由は、私がパワフルなイメージ、パワフルな色になると思う第七感を感じることが時々があって、『クロマティカ』でピンクを私の色として選んだんです。思いやりのある色としてね。これは子宮と女性たちにインスパイアされたんです。私は女性たちとピンクを色々な意味で結びつけているから。

私は以前から、女性達は沢山の知恵を持っていると言ってきました。かつてジョン・レノンがオノ・ヨーコについて、「彼女は男性が持っていない知恵を持っている」と言っています。でも、私は全ての性が知恵を持っていると思う。だから、女性と子宮、創造と出産にとてもインスパイアされていると言う意味でピンクに惹かれた。でも、ピンクが全ての性が同一視できるカラーになることを願っています。思いやりの色だと思うし、ハッピーな色だと思うから。私たちは、お互いを愛し合うために、お互いを高め合うためにこの地上にいるって、思い出させてくれる色だと思うから。

──日本のリトル・モンスターたち(ファンの総称)にメッセージをお願いします。

日本のファンの皆さん、私はあなた達を本当に愛してます。これまでずっと、あなた達とは特別な繋がりを持ち続けてきました。過去10年間、いえ、10年以上、私たちは美しい時間を一緒に過ごしましたね。あなた達が私の人生にいてくれて、本当に感謝しています。あなた達と一緒にパフォーマンスをするのが待ち遠しいし、新しい思い出を築くのを楽しみにしてる。日本に行って、私にできる限りの思いやりと勇気をインスパイアするのも楽しみにしてるし、日本で慈善事業もやりたい。私は日本が大好きだから、日本の人たちのためにいいことをしたいから。

プレゼントキャンペーン概要

レディー・ガガ・オリジナル・Tシャツ(Mサイズ)

応募締切:
2020年6月3日(水)23時59分まで

当選者:
3名様

当選発表方法:
賞品の発送をもって代えさせて頂きます。

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キーワード:
クロマティカ

レディー・ガガのアルバム『クロマティカ』は、2020年5月29日リリース。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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