『The Last of Us』ドラマ版、ゲームならではの物語どう置き換える「ドラマには何が必要なのか」

傑作サバイバルゲーム『The Last of Us』のドラマ版では、ゲーム特有の“インタラクティブ性”を排除してストーリーを成立させる方法を模索しているようだ。米Entertainment Weeklyのインタビューにて、ゲーム版でクリエイティブ・ディレクターを務め、ドラマ版で脚本を担当するニール・ドラックマンが語っている。
ゲーム『The Last of Us』では、人間を凶暴化させる寄生菌の感染拡大により荒廃したアメリカを舞台に、娘を失った悲しみに暮れる主人公ジョエルと、孤独な少女エリーのサバイバル劇が描かれた。一方、前作から5年後を舞台とする続編『The Last of Us Part II』は、凶暴化した感染者や、極限状態の世界を前に理性を失った人間たちを通して、「嫌悪感、罪悪感、屈辱感」など様々な感情が交錯する物語を描く作品。倫理観を問われる選択を強いられる主人公を、プレイヤーが直接操作することによって、自身の体験のように感じることが出来るというわけだ。
ところが、ドラックマンは「こういうことは、映画やドラマになると上手くいかないんですよ。アイデアやストーリーを理解して貰うための適切な方法を模索する必要がありますね」とドラマ化にあたっての悩みを打ち明けている。「ストーリーのインタラクティブ性を排除するにあたって、ゲーム以外のメディアで作品をユニークに仕上げるには、一体何が必要なのか?実に興味深い課題ですし、それから学ぶことも沢山ありそうですね」。
また、ドラマ版で脚本を担当する「チェルノブイリ」(2019)のクレイグ・メイジンについては、「僕は『チェルノブイリ』の大ファンであり、彼もまた我々が手掛けたゲームのファンなんですよ」と語っている。「クレイグにはドラマ化にあたってのアイデアがあったので、尊敬する作家と仕事を出来ることがさらに興味深くなりましたよ。頭を抱える必要も無くなりましたね」。
ドラマ版「The Last of Us(原題)」は原作ゲームで起きたイベントを基にしており、『The Last of Us Part II』の要素も含まれる可能性があるとのこと。キャストや製作時期などは不明だ。PS4ソフト『The Last of Us Part II』は2020年6月19日に発売を予定している。
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Source: Entertainment Weekly