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『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』冒頭映像、圧巻のカメラワークと音楽 ─ 「冒頭5分で特別な作品だと分かる」

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

『ムーンライト』(2016)のA24、ブラッド・ピット率いるプランBが再タッグを組んだ『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が2020年10月9日(金)に全国公開を迎えた。映像美とサウンドトラックも話題の本作から、このたび映画冒頭の映像が到着している。

米サンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、祖父が建てた、家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛している。しかし家主はある日、変わりゆく街の観光名所となっていたその家を手放すことにした。人の手に渡った“我が家”に再び住むことを願って奔走するジミーを支えるのは、親友のモント(ジョナサン・メジャース)だ。今や“最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、ジミーは心の在り処を取り戻すことができるのか……。

公開されたのは、ジミーとモントがスケートボードで2人乗りをしながらサンフランシスコの街を駆けていくシーン。雄弁で壮大な音楽とカメラワークが印象的で、米Rolling Stoneは「冒頭5分で特別な作品であることが分かる」と評した。変わりゆく街・サンフランシスコへの愛情が詰まった本作では、冒頭から監督のこだわりがたっぷり。スローモーションを用いて、スケートボードに乗る2人や人々の姿、街並みをとらえた理由について、ジョー監督は「サンフランシスコの街を動きをつけて見せたかった」からだと語っている。「最近のサンフランシスコはITの進化で生活ペースが早くなってしまったから、スローダウンさせて、写真に近い形で、何が起きているのかを伝えたかった」。

スケートボードの2人乗りは監督のアイデアだったが、“実現は難しいのでは”という声も多かったそう。そこでジョー監督は、Thrasher Magazineの創設者の息子であり、現発行人のトニー・ヴィテロ氏に相談。専門家に連絡を取り、通常のボードよりも幅が広く、長いボードを特別に制作した。ジミー・フェイルズとジョナサン・メジャースは練習を重ね、2人乗りを習得。監督は「モントがジミーの肩に手を置くだけで、2人の友情、いかに彼らが親密かが分かる。スケボーのシーンで役者2人の絆は強くなりました」と語っている。

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
©2019 A24 DISTRIBUTION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

本作の舞台となるのは、ゴールデン・ゲート・ブリッジや坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並ぶ情緒豊かなサンフランシスコ。歴史あるこの街は、急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで、代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。主人公を実名で演じた、ジミー・フェイルズもその一人。監督のジョー・タルボットは、幼なじみであるフェイルズが体験した物語を自身初の長編映画として作り上げた。本作はサンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞をダブル受賞し、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領のベストムービー(2019)にも選出されている。

映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は2020年10月9日(金)より全国公開中

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THE RIVER編集部THE RIVER

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