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『ゴジラ VS コング』レジェンダリー社、米ワーナーを訴訟の可能性 ─ 『DUNE/デューン』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督も不快感

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

2021年、米ワーナー・ブラザースは長編映画全17作を、すべて劇場公開と同時に自社サービス「HBO Max」にて配信リリースすることを決定した。これに対して、『DUNE/デューン 砂の惑星』『ゴジラ VS コング(原題:Godzilla vs Kong)』を製作したレジェンダリー・ピクチャーズが法的手段に訴える可能性が浮上している。複数のメディアが報じた。

Varietyによると、レジェンダリーは『DUNE/デューン』に約1億7,500万ドル、『ゴジラ VS コング』に約1億6,000万ドルを出資。ところが、同社は両作の配給戦略に対する発言権をほとんど持っておらず、劇場公開と配信リリースの同日実施についても発表直前にワーナーから通知されたとの報道もある。

報道によれば、レジェンダリーの幹部は現時点で、まずはワーナーと今後の作品について話し合いの場を持ちたいという意向だ。これまで両社は『ダークナイト』3部作や『GODZILLA ゴジラ』(2014)に始まる「モンスターバース」、さらに『ハングオーバー』3部作や『名探偵ピカチュウ』(2019)など数々の作品で協働してきた経緯があるだけに、まずは穏やかな交渉を望んでいるとされている。

しかしながら、両者が合意に及ばなかった場合、レジェンダリーがワーナーに対する訴訟を起こすことはありうる。それも、2020年12月7日(米国時間)の時点で、Varietyが「今週前半にも」、Deadlineに至っては「早ければ本日中にも」法的対応が取られる可能性があると記したほどの切迫感だ。レジェンダリーは『DUNE/デューン』『ゴジラ VS コング』以外にも3作品に出資しているとも報じられており、社内での緊急性は非常に高いとみられる。

米ワーナーによる劇場公開と配信リリースの同時展開には、『TENET テネット』(2020)を手がけたクリストファー・ノーラン監督が「不信感がある」と批判。『DUNE/デューン』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督も同じく不快感を示しており、従来通りの劇場公開を望んでいるという。ワーナーの決定には映画館業界からも不満が噴出しており、米国最大の映画館チェーン「AMC Theatres」もスタジオを批判する声明を発表していた。

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Sources: Variety, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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