『バズ・ライトイヤー』なぜクリス・エヴァンスに声優交代? 製作陣が意図を明かす

ディズニー&ピクサー最新作『バズ・ライトイヤー』は、『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ映画にして前日譚。バズ・ライトイヤーは少年アンディが大好きだった映画の主人公だった……という設定で描かれる、いわば“劇中劇映画”だ。バズ・ライトイヤー役の声優は、『トイ・ストーリー』シリーズのティム・アレンから、キャプテン・アメリカ役で知られるクリス・エヴァンスにバトンタッチとなる。
「ティム・アレンはおもちゃのバズ・ライトイヤー。彼がおもちゃのバズに息を吹き込んでくださいました。しかし、今回は『トイ・ストーリー』ではありません」と語るのは、プロデューサーのゲイリン・サスマン氏。本国で開催されたプレス・カンファレンスでは、声優交代の狙いが率直に明かされている。「今回はバズ・ライトイヤーの映画ですから、まず第一に別人が演じる必要があったんです。おもちゃではないライトイヤーですから」。
サスマン氏によると、製作陣は新たなバズ役の候補者が並んだ「とても長いリスト」を作成してキャスティングを検討したとのこと。条件はドラマをきちんと演じられること、そしてバズのキャラクターを壊すことなくコメディを演じられること。哀愁を漂わせつつ、安全への懸念や葛藤、罪悪感を表現できることだった。そこで白羽の矢が立ったのが、キャプテン・アメリカ役で複雑なパーソナリティを演じきったクリス・エヴァンスだったのである。
監督・脚本のアンガス・マクレーンも、クリスの起用によって『トイ・ストーリー』のバズと差別化できたと自信をにじませる。「まるで別の路線ですから、映画を観たら納得してもらえると思います。作風も違うので、より筋が通っているはず」とは監督の談。また、キャラクターの違いはバズのビジュアルにも表れた。「『トイ・ストーリー』のバズはちょっとふくよかでしたが、今回はコミカルな役割ではないのでもう少しスマートに。面白いキャラクターですが、間抜けではありません。だからこそクリスにお願いしました」。
ちなみにクリス本人は、『トイ・ストーリー』の世界に入り込んでバズ・ライトイヤーのルーツを演じること、ティム・アレンでおなじみの台詞「無限の彼方へ、さあ行くぞ!(To infinity, and beyond!)」を口にすることを「本当に名誉なこと。とても光栄」と語った。実際の演技にあたっては、シリーズに最大限の敬意を払いながら、自分なりの解釈で演じるよう心がけたという。
映画『バズ・ライトイヤー』は2022年7月1日(金)より全国劇場公開。日本語吹替版はバズ・ライトイヤー役を鈴木亮平が担当する。