大人向けダーク版『リトル・マーメイド』実写映画化をソフィア・コッポラが降りていた ─ 「限界点があった」

『リトル・マーメイド』といえば2023年のディズニー実写版ヒットが記憶に新しいが、実はかつて、ユニバーサルによる全く別の実写映画化企画が存在していた。監督に内定していたのは、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)『ブリングリング』(2013)など、独自の視覚スタイルでアート系の映画を数多く手がけているソフィア・コッポラ。結局降板することで企画は立ち消えになっている。コッポラは、2014年頃にユニバーサル・ピクチャーズとワーキング・タイトルが共同開発していた実写版映画『リトル・マーメイド』について米Rolling Stoneのインタビューで言及した。
この企画に監督として参加する予定だったコッポラは、よく知られたディズニーアニメ映画のスタイルを避け、ハンス・クリスチャン・アンデルセンによるダークな原作を再現する計画だったという。しかし、コッポラはスタジオ幹部との会話で、「限界点があった」と感じたという。。
「私は役員室にいたのですが、開発担当者に“観客として35歳の男性を引き付けるのは何だろうか?”と言われて、何と答えればよいのか分からなかったんです。それは自分が得意とする分野ではありませんでした。自分はナイーブだったと思うし、自分の本質とは違うことをしようとしている物語の登場人物のように感じて、私にとっては物語との面白い類似点でしたね。」
つまるところ、原点回帰してアンデルセンのダークな世界を映像化したかったコッポラと、30代男性をターゲットにしたかったスタジオのクリエイティブ的な観点が大きくすれ違っていたことが原因のようだ。最終的にコッポラは、水の世界に命を吹き込むために必要な予算に関してもスタジオと衝突し、プロジェクトを降板するに至った。
なお、2014年当時のニュースによると、コッポラの前には、『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』(2015)『シラノ』(2021)などのジョー・ライトが監督する予定だったと報じられていた。
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Source:Rolling Stone , Variety , The Hollywood Reporter