DCドラマ生みの親グレッグ・バーランティが監督!再リメイクが決定したB級映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』って?
数年前から空前の観葉植物ブーム。今はエアープランツとやらが流行っている。だが、私はどれも買っていない、ある形の観葉植物を探し回っているからだ。
こういうやつ。

そう、まさにオードリーⅡだ。子供の頃から私は、この観葉植物が登場するB級コメディホラーの『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』が大好きで、いつかオードリーⅡを飼いたいと思っている。
さて、その『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』が、なんとリメイクされることが決定した。メガホンをとるのは、DCドラマシリーズのプロデューサーもとい生みの親とも呼ばれている、グレッグ・バーランティだ。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』とは
あらすじ

主人公は、花屋に勤めている冴えない男シーモア。店長に怒鳴られながらも、同僚のオードリーに恋をしながら毎日を過ごしていたが、彼はある日不思議な植物の鉢を手にする。あまりにも珍しいため、それを一目見ようと花屋には客が押し掛けるようになってきた。シーモアは恋するオードリーにちなんで、この植物を「オードリーⅡ」と名付ける。

店長も機嫌がよくなり、シーモアもオードリーを振り向かせそうだと思っていた頃、彼はその鉢を手入れしていた際に指を切ってしまった。すると、鉢がシーモアの血を求めたのだ。店長から絶対に枯らすな、と命じられたシーモアは、植物に言われるがまま、血を与えて育てて行く。店の天井に届くほどまで成長した植物の要求は、もはや指先からしたたる血数滴では収まらないものになっていた……。
この映画の意外と長い歴史
実は、この映画には意外と長い歴史がある。
60年版

遡ること1960年。最初の『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』が公開された。
監督はロジャー・コーマン、低予算B級映画の帝王と言われた男。しかも、俳優ジャック・ニコルソンも出演している事も作品の見所のひとつだ。この作品はモノクロであり、今はすでにパブリックドメイン化されている。また、この時植物の名前は「オードリージュニア」と名付けられている。(80年版はオードリーⅡ)
ミュージカル版

そして、後にこの作品を基にしたミュージカル作品が生まれ、オフからオンブロードウェイまで伸び、空前のヒットを記録した。このミュージカルを手がけた作曲家、作詞家は、アラン・メンケンとハワード・アシュマン。
彼らは“黄金コンビ”とも呼ばれ、ともに『リトル・マーメイド』『アラジン』等、ディズニー映画の名作を手がけた人物でもある。
80年版

そして、そのミュージカル版をもとにハリウッドリメイクされた映画が1986年に公開された『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』なのだ。私がドハマりしていたのはこちらの作品。
『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』といえばこちらの作品を思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。
60年代のものと比べ、ミュージカル要素が加わっただけでなく、カラー版となり、設定にSF感が加わった事でより現代化されている。
例えば、オードリージュニアが60年版ではただの気味悪い肉食植物だったのに対し、80年版はオラオラ系でお喋り、蔓を使ってオードリーに悪戯しちゃう変態宇宙植物として描かれていたり。(問題のちょっとエッチなシーンはこちら)
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=SfcPnul77T8]
私が80年版をこよなく愛する理由としては、やはり原案・ミュージカルを非常にうまく再現しただけでなく、オードリーⅡをエロくてウィットに富んだキャラクターにしたことで憎めない悪役にし、コメディ要素が加わった事でより楽しめる、B級ながらにして若干完成度の高い作品であるからだ。
余談ではあるが、今作はオリジナルエンディングがあまりにも酷い展開になったので、劇場用にもうひとつのエンディングが用意された。そして、先述の60年版で出演しているジャック・ニコルソンの役(マゾな歯科患者)を今作ではビル・マーレイが演じている。
この80年版を監督したのは、フランク・オズ。『スターウォーズ』シリーズのヨーダの声優でもある人物なのだ。以下の写真は彼が声優を務めた主なキャラクター一覧なのだが、通りでクッキーモンスターの声とヨーダの声が激似だったわけだ。

先述したあらすじは、細かい設定の違いはあるものの、基本的に60年版、ミュージカル、80年版に共通している。そして、今回グレッグ・バーランティがリメイクをしようとしているのは、60年版の方だと言う。
DCプロデューサーが手がけるB級ホラーとは

ワーナーブラザーズは、ロジャー・コーマンが監督した60年版、元祖『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のリメイク製作に取りかかりはじめた。
監督をするのは、『ALLOW(アロー)』『THE FLASH(フラッシュ)』をはじめとする、DCドラマシリーズのプロデューサー、グレッグ・バーランティ。
製作を担当するのは、日本では来年公開、すでにアカデミー賞候補として注目を浴びているジャズミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』のプロデューサー、マーク・プラットだ。
また、脚本家は『ウソから始まる恋と仕事の成功術』のマシュー・ロビンソンと発表されている。
つまり、DCの世界観+今最も注目されているミュージカル映画の要素+ラブコメ脚本=新『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ということになりそうだ。まだ、ミュージカル映画にするかどうか発表はされていないが(リメイク元となる60年版はミュージカル映画ではない)、マーク・プラットの存在によってミュージカルを期待してもよさそうである。
是非、この機会に基となる『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を見ていただきたい。60年版はwikipediaにて全編公開中だ。
しかし個人的には、最高な80年版を見てほしい。あなたも絶対、オードリーⅡの虜になってしまうはずだから。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=jFENSU8CmZk]
source:http://www.hollywoodreporter.com/news/little-shop-horrors-remake-works-greg-berlanti-953931