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「オビ=ワン・ケノービ」音楽に「ロキ」作曲家が就任 ─ 巨匠ジョン・ウィリアムズ、テーマ作曲は自身の強い意向

オビ=ワン・ケノービ
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ』のドラマシリーズ「オビ=ワン・ケノービ」の音楽を、マーベルドラマ「ロキ」(2021-)のナタリー・ホルトが手がけていることがわかった。米Vanity Fairにて、ナタリー本人が認めている。

既報の通り、本作のテーマ音楽は『スター・ウォーズ』スカイウォーカー・サーガの音楽を担当した巨匠ジョン・ウィリアムズが作曲。女性音楽家が『スター・ウォーズ』の実写作品で作曲を担当するのはナタリーが史上初となる。このたびのインタビューで、ナタリーは「ジョン・ウィリアムズと同じ扱いで言及していただけることを光栄に思います。ひとりのファンとして興奮していますし、また圧倒されています」と心境を語った。

ナタリーいわく、本作のテーマをジョンが作曲したのはジョン自身の強い意向だったとのこと。オビ=ワンは『エピソード4/新たなる希望』(1977)で死亡してしまうため、ジョンにとっては“テーマ曲を書いていない唯一のレガシー・キャラクター”だったのだ。ジョンは望みを叶えるため、ルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディに直談判したという。

ジョンによる「オビ=ワン・ケノービ」のテーマ曲を、ナタリーは「作品の精神を体現する」楽曲だと説明する。「思慮深く、作品にふさわしく、ジョン・ウィリアムズならではの完璧な方法で作品の本質を抽出しています。愁いがありつつ、希望もある。新鮮な曲で、驚いてもらえると思います」。ナタリー自身の楽曲は、ジョンが本作に取り入れた要素を自分なりに解釈しながら作り出されたという。

 オビ=ワン・ケノービ
C)2022 Lucasfilm Ltd.

そもそもナタリーは、5歳のときにオリジナル3部作を父親と鑑賞して以来の『スター・ウォーズ』ファン。ジョン・ウィリアムズの音楽にも『E.T.』(1982)や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)『ジュラシック・パーク』(1993)などで幼少期から親しんできたため、「オビ=ワン・ケノービ」については「すでにこの作品のファンである、というところから始めました」「歴史に敬意を払い、正しく作りたかった」という。

「オビ=ワン・ケノービ」のためにナタリーが書き下ろした曲はまだ発表されていないが、本人によると、ルドウィグ・ゴランソンによる「マンダロリアン」(2019-)よりも『スター・ウォーズ』の伝統に近いテイストになっているそう。250ものホルンとフルート、狩猟用のラッパ、シンセサイザーなどを使用し、オーケストラとの融合を試みたという。なお、レコーディングにはジョンと同じオーケストラ・チームが参加した。

また本作の音楽にも、「カンティーナにディキシーランド・ジャズの要素があったように」現実世界からの影響がある。新たな世界にはそれぞれの特徴があるようで、「ある惑星にはラテンの影響がありますし、タイや香港など東洋のサウンドも入ってきます。世界の趣を拝借しながら別世界のものにするのです」とナタリーは語る。「『スター・ウォーズ』の惑星に曲を作るわけですから、それ相応のスケールがなくてはいけません」。

なお、エンジニアには「マンダロリアン」のクリス・フォーゲルが参加。同作の音楽を担当したルドウィグ・ゴランソンと面会し、ルドウィグのスタジオで作業が行われたという。ナタリーは「ルドウィグの大ファンでもあるので、このお仕事で彼に会えたことは本当にうれしかった」と話している。

作品の全貌はいまだ謎の多い「オビ=ワン・ケノービ」だが、ナタリーは「デボラ・チョウ(監督)は素晴らしい仕事をしているし、もちろんユアン(・マクレガー)もキャリアに残る演技を見せています。観ていただけるのが楽しみです」と語った。

ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」初回2話は、2022年5月27日(金)16時よりディズニープラスにて独占配信。

Source: Vanity Fair

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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