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【ネタバレ】「ロキ」シーズン2最終話、怒涛のクライマックスと究極の決断 ─ 『マイティ・ソー』あの台詞との繋がりも

ロキ
© 2023 MARVEL.

この記事には、「ロキ」シーズン2最終話のネタバレが含まれています。

「ロキ」シーズン2最終話、ロキ究極の決断

「ロキ」シーズン2最終話『大いなる目的』では、時間移動(タイムスリップ)をマスターしたロキが物語を書き換えるべく、過去へと向かった。戻った先は、防護服に身を包んだヴィクター・タイムリーが時間織り機のキャパシティを増幅させるミッションに出発する直前。しかし、ロキは何もせずに様子をうかがい、筋書き通りタイムリーは消滅した。O.B.にもっと上手くやる方法を尋ねると、時間を巻けとの返答。ロキは過去に何度も戻りながらミッション遂行の研究を数百年分も重ね、ついに時間織り機爆発を阻止することができた。

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しかし、ここで思わぬ異変。時間織り機の処理速度が上がったはいいが、それでも過負荷状態のまま。枝分かれが多すぎるというのだ。頭を抱えるロキに、タイムリーは「時間の枝分かれが無限の速さで拡大している」と告げ、解決策など最初から無かったのだと悟る。諦めないロキは時間をさらに遡り、シルヴィが在り続ける者を刺す直前(シーズン1最終話)に移動した。

何度も説得を試みるロキだが、シルヴィは考えを改めない。すると、見かねた様子の在り続ける者が「これで何回目なんだ?」と尋ねてくる。ロキが時間移動を使っていることを知っていたのだ。TVAを何とか救いたいロキに、在り続ける者は究極の選択を提示する。シルヴィだけは絶対に殺したくないロキは、時間織り機を壊すという決断を取るのだった。

ロキ
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実行する前、ロキは物語のスタート地点に寄り道する。シーズン1第1話、TVAに連行されたロキがメビウスに尋問を受けるシーンだ。そこでメビウスに「誰が生き、誰が死ぬか、どう選ぶんだ」と聞く。するとメビウスは、1人のハンターのしくじり話をし始める。5000人を死なせる見込みのある変異体を処理する任務に出たハンターが、相手が8歳の少年であることを知った途端に剪定をためらってしまい、その間に時間軸が分岐。2人のハンターが犠牲となったが、その場にいた“相棒”が代わりに剪定し、なんとか事は収まったという。話を終えたメビウスは「常に大局を見据えないと。目的ってのは多くの場合、名誉ある重荷だ。でも重すぎるからって逃げるな」と重く伝える。“相棒”とはレンスレイヤーで、失態を犯したのはメビウス自身だったのだ。

何かを悟った表情のロキは感謝を伝え、次にシルヴィの元へ時間移動。もう策が尽きたと告げるロキに、シルヴィは「時には破壊することも必要なんだ」と伝える。メビウスとシルヴィ、2人の友からヒントを得たロキは再び、限界を迎えようとしている時間織り機の所へ時間移動。ついに決断の時を迎えた。

ロキ
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せっかく出会った仲間を失いたくない、1人になりたくない。その一心で懸命に動いてきたロキは自ら重荷を引き受け、時間織り機に続く通路へ出る。一歩ずつ前へ進むと、次第に神の姿へ変わっていき、渾身の力を振り絞って時間織り機を破壊。辺りは真っ暗になり、分岐していた無数の時間軸は死んでいった。

しかし、ロキは分岐の蔦一つひとつにパワーを与えていく。そして見えない階段を上っていき、空間の裂け目の向こう側へと足を踏み入れた。かつて、在り続ける者が座した玉座の前に来たロキ。握っていた分岐時間軸を一つに束ねると、彼を覆うようにして一つの巨木が出現し、画面はブラックアウトした。

「その後」。TVAには再び平和が訪れ、以前の日常が映し出される。メビウスはTVAから去り、子育てに追われる自身の変異体のことを遠くから見守っていた。そこに晴れやかな表情をしたシルヴィ。2人は少しの会話を交わし、一時の別れを告げた。画面が再び切り替わると、カメラは無数の分岐時間軸を通り過ぎ、コアの部分へ。そこには自由を手にした友の幸せをひとり見守るロキの“神”としての姿があった。

究極の決断を迫られたロキは、自らが“在り続ける者”の役を担うことで緊急事態を救った。かつては世界を敵に回した悪戯が、今や世界を束ねる側にいる。怒涛のシーズン2は、ロキが「名誉ある重荷」を背負うことで幕を閉じた。次の展開を示唆するおまけシーンも今回はお預け。ロキの物語は一つの区切りを迎えたと言えよう。

ところでロキを包んだあの巨木だが、北欧神話に登場する世界を体現する木、ユグドラシルを思わせる。このユグドラシル、『マイティ・ソー』(2011)で言及されている。昔、父親から聞かせてもらった話として、ソーはジェーンに「君の世界は宇宙にある9つの1つ。ユグドラシルの枝で(アスガルドと)互いに繋がっていて、気づかずに毎日目にしているんだ」とロマンチックに語る。しかし、「ロキ」シーズン2を観た後では、どうしてもこう考えてしまう。ソーが聞かされていたのはおとぎ話で、真に宇宙を繋げていたのはロキなのではないかと。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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