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限られた時間、限られた場所で繰り広げられる究極サバイバル『ロスト・バケーション』レビュー

サメ映画といえば、スティーブン・スピルバーグ監督の『JAWS/ジョーズ』のような傑作から、数々のヒット映画をアレンジしまくるアサイラムのようなZ級映画まで、さまざまな作品が作られてきた。
テレビ東京の平日午後の映画番組『午後のロードショー』が毎年夏に放送するB級サメ映画が映画ファンの間でも話題になっているが、なんと 大手であるソニー・ピクチャーズがサメ映画を作ったというのだから注目しないわけにはいかないだろう。

その名は『ロスト・バケーション(原題:The Shallows)』。監督は『フライト・ゲーム』や『ラン・オールナイト』のジャウマ・コレット=セラ。主演はアメリカのTVシリーズ『ゴシップガール』、『アデライン、100年目の恋』のブレイク・ライブリー。

物語は亡き母が教えてくれた秘密のビーチにやってきたライブリー演じる医学生のナンシーが、サーフィンをしている途中で一匹の巨大な人食いザメに襲われるというもの。 ナンシーがサメに襲われ、たどり着いたのが、干潮のときにだけ出現するという小さな岩場。ケガを負いながらもサメとの戦いが繰り広げられていく。

満潮までという限られた時間、いつサメに襲われるかもしれない恐怖。ナンシーがたったひとりでサバイバルをするわけだが、彼女が医学生であるということが伏線となって、実に巧みに物語が展開していく。ナンシーを襲うサメがホオジロザメで、これがスピルバーグ監督の『JAWS/ジョーズ』と同じで、映画のところどころにはオマージュと思われるシーンも数多く登場し、思わずニヤリとさせられる。

今回のサメはフルCGで作られているが、このサメの質感が実に本物に近く、CGとは思えないほどリアルだ。CGがここまで発達したのかと、時代の流れも感じさせる。 この映画の上映時間は86分(エンドロールを外すと80分前後ぐらいか)で、最近のハリウッドや日本映画の2時間越えの映画と比べても実に短い。だが、短い中にもさまざまなジャンルの要素が詰め込まれていて飽きさせない。
そして、ライブリーがビキニ姿を披露していて、そのナイスなバディーにも目が釘付けになること間違いなし。

映画は長ければいいったもんじゃない。予算をかければいいってものでもない。短い中にいかにアイデアを詰め込むか。アイデア一点勝負の快作だ。

Writer

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masashiobara小原 雅志

小学館のテレビ雑誌『テレパル』の映画担当を経て映画・海外ドラマライターに。小さなころから映画好き。素晴らしい映画との出会いを求めて、マスコミ試写に足しげく通い、海外ドラマ(アメリカ、韓国ほか)も主にCSやBS放送で数多くチェックしています。

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