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エドガー・ライト、次回作は「今までと全然違う」 ─ ヒントは60・70年代サイコホラー

エドガー・ライト
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9345815579/

『ベイビー・ドライバー』(2017)を手がけたエドガー・ライトの最新作『ラスト・ナイト・イン・ソーホー(原題:Last Night in Soho)』は、監督にとって明らかな新境地を切り拓く作品となる。軽やかなユーモア、痛快なアクション、小気味よいリズム感などで親しまれてきたライトが、自身初のサイコホラー/スリラーに挑戦するのだ。

Empireにて、ライトは「これまで作った映画とはまるで違うように感じられるでしょう」と述べた。しかし、その一方で、従来作品との共通点についても語っている。「僕はゆっくりと変化していく映画が好きですし、撮った作品の多くにもそういう感覚はあると思います」。はっきりと異なるのは、あくまでジャンルと表現方法だ。

「『ラスト・ナイト』は(従来よりも)心理的なところから始まりますが、話が進むにつれて、どんどん激しくなっていきます。いつでも僕は、自分が欲しているジャンルの映画づくりに引き寄せられていくところがあって、(今回は)60~70年代の、芝居がかったサイコホラーです。そういう映像の文法を使っています。」

既報によれば、本作はニコラス・ローグ監督『赤い影』(1973)、ロマン・ポランスキー監督作品『反撥』(1965)から影響を受けているとのこと。今回はこれらに加え、同じくポランスキー監督による『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)の系譜を汲んだホラーであることも明かされている。いずれも今のうちから予習(復習)しておきたい作品群だ。

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』の舞台は、イギリス・ロンドンの中心部にある、かつては歓楽街だったソーホー。若きファッションデザイナーのエロイーズは、なぜか1960年代に迷い込んでしまい、自分にとっての“アイドル”である歌手のサンディに出会う。当時の彼女は、スターを目指している快活な女性だった……。

歌手サンディ役は『ミスター・ガラス』(2019)のアニャ・テイラー=ジョイ、デザイナーのエロイーズ役は『ジョジョ・ラビット』(2019)の新鋭トーマシン・マッケンジー。紳士のジャック役を『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)のマット・スミスが演じる。そのほか、『アタック・ザ・ブロック』(2011)のマイケル・アジャオ、『女王陛下の007』(1969)のダイアナ・リグ、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)のテレンス・スタンプ、『ナック』(1965)のリタ・トゥシンハムら英国俳優たちが出演する。脚本はエドガー・ライトと『1917 命をかけた伝令』(2019)のクリスティ・ウィルソン・ケアンズが執筆した。

映画『ラスト・ナイト・イン・ソーホー(原題:Last Night in Soho)』は2021年4月23日に米国公開予定

ミステリ映画も待機中

Source: Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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