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鬼才デヴィッド・リンチ、2015年の短編アニメ『Fire (Pozar)』をYouTubeで配信開始

デヴィッド・リンチ
Photo by Sasha Kargaltsev https://commons.wikimedia.org/wiki/File:David_Lynch_by_Kargaltsev.jpg Remixed by THE RIVER

「ツイン・ピークス」シリーズや『マルホランド・ドライブ』(2001)などで知られる“カルトの帝王”デヴィッド・リンチ監督が、自身の公式YouTubeチャンネル「David Lynch Theater」にて短編アニメーション映画『Fire (Pozar)(原題)』を公開した。

本作は、空から突如と現れる不気味な目をした生命体や降り注ぐ謎の物体、ムンクの『叫び』を思わせる人物、燃え盛る小屋など、まるで混沌と化したかのような世界をモノクロ映像で綴る摩訶不思議な短編。リンチ自身が監督・脚本・作画を務め、ポーランド系アメリカ人のミュージシャンであるマレク・ゼブロウスキーが音楽を担当している。『インランド・エンパイア』(2006)をポーランドで撮影する際、リンチがゼブロウスキーを通訳担当として雇った時からの仲だという二人は、2007年のアルバム『Polish Night Music(原題)』でもコラボレーション経験がある。

そもそも『Fire (Pozar)』は、2015年に製作された作品で、2019年に東京・原宿で行われた展覧会「デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国」など様々なイベントで限定上映されてきたもの。ただし、これまで広範囲で公開されることはなかったため、リンチファンにとっては念願かなっての配信なのだ。そんな本作についてリンチは、2015年にUSC School of Musicのインタビューにて以下のように語っている。

「私の意図は何も伝えず、マレク自らが映像について解釈していくという実験的な作品でした。結果は最高でしたよ。マレクがペンデレツキ弦楽四重奏団のために手掛けた音楽も大好きだったんです。」

リンチの言葉に対してゼブロウスキーは、「ある意味、非常に憂鬱で詩的な映画だと思いました」と語っている。「あまり明確化しないようにしながら、デヴィッドが描こうとしていることをさらに深く掘り下げていくようにしました」。その例として、「雹(ひょう)を伴う嵐のような場面があって、そこではピチカート※を多用したんですが、それ以外にも叙情的な要素を取り入れるため、高揚するようなメロディを添えましたよ」と説明している。(※バイオリンなどの弦楽器で指で弦を弾いて音を出す手法)

公式YouTubeチャンネル「David Lynch Theater」では、2020年5月11日から毎日、デヴィッド・リンチ監督による天気予報が投稿されている。なお、リンチ監督は自身の74歳の誕生日(2020年1月20日)にあわせ、2016年に製作した短編映画『ジャックは一体何をした?』をNetflixにて独占配信中だ。

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Source: USC School of Music

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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