なぜ『M3GAN/ミーガン 2.0』は失敗したのか?ジェイソン・ブラム自ら分析語る ─ 「ヒット作はより大きくヒット、コケる映画はより盛大にコケるようになった」

ブラムハウス製作のスマッシュ・ヒット・ホラー続編『M3GAN/ミーガン 2.0』が日本劇場公開の直前に中止を発表したことは大きな話題となった。もともとは2025年10月10日より日本のスクリーンで暴れるはずだった。
恐怖のAI人形が人々を襲う2022年の人気作続編。この第2作は本国アメリカでも予想外の不振に見舞われていた。日本公開の中止は、これ以上傷を広げないための本国側の判断であったと予想される。
製作会社ブラムハウス代表のジェイソン・ブラムは、米不振スタート時に「週末ずっと苦しんでいて、今回のことを考え込んでしまっていた」と苦悩。ブラムは新たに米Varietyの特集インタビューに登場し、『M3GAN/ミーガン 2.0』失敗の理由を分析した。
まずブラムは「おそらく、全てのジャンルにおいてそうなのだと思いますが、特に今のホラーでは、そうですね、コロナ禍以降の劇場界隈では、ヒット作はより大きくヒットするし、コケる映画はより盛大にコケるようになった」と業界の変化に触れ、「興行収入全体で言うと、今なお2019年当時から20%減です。これは要するに、パイの取り合いにおいて、より少数の映画が大部分を占めるようになったということですね」と分析。次のように続けている。
「それから、現在のリリース時期の都合上、ジャンル映画やオリジナル映画が最も割を食ってると思いますね」。リリース時期とは、作品がストリーミング配信に移行するまでの期間のことだ。別のセクションでブラムは、「映画業界全体で、例えば30日間とか、そういう期間は劇場限定で上映してほしいと思います」と語っており、市場における劇場価値が薄れてきていることを危惧している。
「今年は『罪人たち』と『Weapons』という2作のオリジナルホラー映画が大成功しました。もともとこういう作品は6作か7作はありえたはずです。今や市場は完璧でなければならず、映画も完璧でなければならないのです。」
もともと『M3GAN』シリーズはスピンオフ作品も企画されていたものの、2作目の不振によって間違いなく見直しが入ったはず。監督を手がけたジェラルド・ジョンストンは2作目の公開前こそ「5作目があってもおかしくない」と豪語していたが、今や赤信号だろう。
「誰も求めていなかったんですね。観客が“こういうものは求めていません”と言ったわけです」。『ロングレッグス』『THE MONKEY/ザ・モンキー』のオズグッド・パーキンス監督はTHE RIVERの単独インタビューで意見している。「同じものの繰り返しは求められていない。観客はバカにされたくないんです。そんな時代はもう終わった」。
しかしながらブラムは、このAI人形の再生を諦めていないようだ。「ミーガンは帰ってきます。私が道を見つけます」と熱意を語り、シリーズの蘇生の意向を示した。
なお『M3GAN/ミーガン 2.0』は、国内では2025年10月21日よりPrime Videoで独占配信予定。
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