『マッドマックス 怒りのデス・ロード』銀色スプレーの元ネタとは
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)で、独裁者イモータン・ジョーに忠誠を誓う武装集団「ウォー・ボーイズ」は地獄の荒野で死を賭す時に、口元に“銀色のスプレー”を吹きかけるという儀式を行うのだ。2015年、米Movies.comのインタビューに登場したジョージ・ミラー監督は、儀式の着想について以下のように語っている。
「若きカンボジアの兵士達が戦争に身を投じているドキュメンタリーを観ました。彼らは神として崇める御守のような物を持っていました。戦闘に繰り出す前に、ストラップで固定された御守を自分達の口の中に入れていたんです」。
ジョージ・ミラー監督は具体的なドキュメンタリーの作品名を挙げていない為、実際の行動を映像で確かめる事は困難だ。しかし、Movies.comの独自調査によると、デヴィッド・ブラッドバリー監督『フロント・ライン/ベトナム戦争の全貌』(1980)の可能性が高い模様。同作はオーストラリアの戦場カメラマンであるニール・デイヴィスが、ベトナム・カンボジア戦争の最前線で捉えた映像を収録したドキュメンタリー。残念ながら同作はいまや入手困難な作品であり、予告編からもその様子を確認することは出来なかった。
結果、カンボジアの兵士達の行為が何を意味するのかは定かでない。しかしジョージ・ミラー監督が、その行為に強くインスパイアされたことは確かだ。もしかすると本作と同じく、死を厭わずに戦うことを表明するような儀式だったのかもしれない。
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Source: Movies.com