『マッドマックス 怒りのデス・ロード』トム・ハーディ&シャーリーズ・セロン、撮影時に確執「重圧に押し潰されそうでした」

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)にて最強の同士として関係を築き上げた、トム・ハーディ演じるマックスとシャーリーズ・セロン演じるフュリオサだが、実際の撮影現場では険悪な雰囲気だったのだという。一体、二人の間に何が起きたのだろうか……?
2020年5月、米The New York Timesのインタビューに二人の他、独裁者イモータン・ジョーの妻の一人であるトースト役を演じたゾーイ・クラヴィッツなどが登場。ゾーイは、「トムは苛立ちを隠せず怒っていました。シャーリーズも同じような雰囲気でしたが、ジョージ(・ミラー監督)に対して最も怒りの矛先を向けていたのは彼だったと思います」と当時の状況を振り返っている。その光景に失望してしたというゾーイだが、激しい重圧の中では仕方なかったと理解も示した。「ある意味では彼を責めることは出来ません。何故ならば、二人には多くの事が求められており、多くの問いかけに答えを与えられませんでしたから」。
シャーリーズ本人は、「あの時の事を振り返ると、彼がメル・ギブソンの後任を務める事が一体どんな気分なのか、私には理解する思いやりが足りなかったと思います」と反省している。とはいえ、シリーズを牽引してきた主演俳優の代わりを務めることは、トムだけでなくシャーリーズにとっても激しい重圧だったようだ。
「非常に怖い事だと思います。“あなたも怖いだろうけど、それは私も同じです。お互いに優しくしましょう”と言う代わりに、自分自身を守る為に壁を作ってしまいました。変な話ですが、私たちの役柄と同じような感じでしたね。とにかく、全てがサバイバルでした。」
一方、トムもシャーリーズの言葉に同意し、「後から考えると、色々な意味で僕の持つ能力の範疇を越えていました」と本音を語っている。
「時々、僕と彼女は重圧に押し潰されそうになっていました。彼女からすれば、僕が更に経験豊富なパートナーである必要があったのでしょうね。でも、それは偽る事の出来ないものなので。当時よりも年齢も見た目も重ねた今なら、上手く役目を果たせると信じたいです。」
様々な製作問題や役者同士の苦難を乗り越えて完成された本作は、カンヌ国際映画祭で上映されて、期待値を遥かに上回る完成度に批評家から絶賛の嵐。「What a Lovely day!」「V8!V8!V8!」と旋風を巻き起こした本作は、米国アカデミー賞では最多6部門で受賞も果たした。トム・ハーディとシャーリーズ・セロンの葛藤の末、結果的に最高の形で作品が世に送り出されたというわけだ。
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Source: Vanity Fair , The New York Times