マッツ・ミケルセン、『カジノ・ロワイヤル』の脚本を飛行機に忘れてきちゃった話をする

“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンが『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)で演じたル・シッフルは『007』シリーズの歴代ヴィランの中でも特に人気の高いキャラクターだ。チェスやポーカーを好む頭脳派かつ円熟した渋味を醸し出す存在だが、マッツの方はなんと飛行機に脚本を忘れてしまう失態を犯していたそうだ。チューリッヒ映画祭にて明かしたエピソードを米Varietyが伝えている。
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた1作目でもある『カジノ・ロワイヤル』で、テロ組織から預かった金の資金洗浄・運用を行うシッフルを演じたマッツ。マッツの評価を世界的なものにした重要な一作について「『カジノ・ロワイヤル』は私の名前が全ページに記されている最初の脚本でした。つまりそれをなくしてしまったら、自分のせいだということです。飛行機に乗って脚本を読み始めたのですが、眠ってしまったんです。その後飛行機を降りて、機内に脚本を置いてきてしまいました」とのうっかりエピソードを振り返っている。
一大シリーズのヴィランに抜擢されたのに、大切な脚本を紛失してしまうなんてパニックに陥りそうなものだが、マッツによればその後「ラッキーなことに、それが何のかを知らないまま、清掃員の人が捨ててくれました。下手したら、私のキャリアはそこで終了だったかもしれません」とどこか飄々としている。何でもその時点までマッツは『007』シリーズを一作も鑑賞したことがない上に、「鑑賞している」と偽っていたそうだ。「鋼鉄の歯の男」(『私を愛したスパイ』(1977)と『ムーンレイカー』(1979)でリチャード・キールが演じた殺し屋ジョーズのこと)のことを知っている程度だったとか。
「ロンドンでプレミア上映されて、女王に会うことになるまで、いや、女王が私たちに会いに来てくれることになるまで、このシリーズがどれだけ巨大なのか気づいていませんでした。」
一方、クレイグがボンド役に起用された当時は、これまでのボンドのイメージと異なるなど否定的な意見も多く、身長や鼻、髪色などが「違う」と評されていたことは、マッツも耳にしていたもよう。しかし、「クレイグは私がインディペンデント映画出身であることを歓迎してくれたように思います」と友好的な共演を果たせた旨を口にしている。
「ロープで彼のタマをくすぐるシーンがありますよね(編注:劇中ではめった打ちにしている)。私たちはたくさんアイデアを出し合ったのですが、監督がこっちを見て『君たち、ちょっと戻ってきて。これはボンドムービーなんだから』って。」
結果、クレイグ演じるボンドは世界中から絶賛を受け、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)まで5作品をヒットに導いた。またマッツも『ドクター・ストレンジ』(2016)『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)などの大作と並行して、インディペンデント系作品にもコンスタントに出演し、独自のキャリアを継続している。ちなみに現在は、『007』シリーズ作品は”ほぼ”全て鑑賞済みだそうだ。
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Source:Variety