マッツ・ミケルセンの魅力に酔いしれたい人のための厳選4作 ─『ファンタビ』グリンデルバルド役、北欧の至宝の華麗なる出演作を堪能せよ

「魔法ワールド」シリーズ最新作、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』がついに公開を迎えた。世界の支配を企む史上最悪の黒い魔法使い、グリンデルバルドをジョニー・デップに代わって演じるのは、デンマークを代表する名優マッツ・ミケルセンだ。
非魔法族を魔法使いが支配する世界を作ろうと画策するグリンデルバルド。かつてダンブルドアと同じ志を持ち、「互いに戦わない」と血の誓いを交わしていたが、いまでは野望を叶えるためであれば手段を選ばない史上最悪の魔法使いだ。その実力は確かなもので、グリンデルバルドには未来が見える能力まで兼ね備えている。そんなグリンデルバルドを倒すため、魔法動物を愛する魔法使いニュートひきいるデコボコチームが、ダンブルドアによる秘密の作戦を決行することに。
冷徹な黒い魔法使いでありながらも、哀愁漂うグリンデルバルドにふんしたマッツ・ミケルセン。本記事では、“北欧の至宝”として知られる名優の出演作を厳選して紹介したい。
イチオシの出演映画
『アフター・ウェディング』(2006)

『しあわせな孤独』(2002)『未来を生きる君たちへ』(2008)をはじめ、『バード・ボックス』(2018)などで知られる監督、 スサンネ・ビアが手がけた同作。アカデミー賞では外国語映画賞に候補入りを果たし、『秘密への招待状』(2019)としてハリウッド映画化もされている。
マッツ・ミケルセンふんするヤコブは、インドで孤児たちの援助活動に従事していた。しかし、学校の財政難に陥り、破産寸前にまで追い込まれてしまう。そんなヤコブのもとに、ヨルゲンという実業家から巨額な資金援助の申し出があり、彼に会うため故郷であるデンマークへ。
面談を終えたヤコブは、ヨルゲンから娘の結婚式に強引にも招待され、資金援助のために渋々出席することに。そこでヤコブが偶然にも再会したのは、ヨルゲンの妻であり、かつての恋人であったヘレナ。20年ぶりの再会を果たしたのだ。またヤコブは、結婚する娘というのが、ヨルゲンではなくヘレナの元恋人の子供だとを知る。知らされていなかった娘の存在に戸惑うヤコブ。物語は思わぬところへと展開していく。
ヨルゲンがヤコブをデンマークに呼び戻した理由とは一体何だったのか。彼の計画に巻き込まれたヨルゲンとヘレナ。それぞれの登場人物の感情が生々しく切り取られながら、その計画の真実が明らかにされていく。激しく感情を揺さぶれるマッツのパフォーマンス、家族の大切さに迫る物語は必見そのものだ。
『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)
2006年に公開された『007/カジノ・ロワイヤル』は、『007』シリーズの第21作にして、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドに就任した記念すべき一作。ル・シッフルという悪役で同作に登場したのが、マッツ・ミケルセンだ。
シリーズの原点回帰作である同作は、“007”となる以前のジェームズ・ボンドが、テロ組織の壊滅に奮闘する姿を迫力満点の映像と手に汗握る心理戦で描く物語。ボンドはテロ組織の正体に迫っていくなかで、資金を運用していた謎の男の情報を得る。それがル・シッフルである。
ル・シッフルは、スカイフリート社の株の空売りを仕込んだ上、同社の大型旅客機を爆破させ、株価を暴落させることで利益を得ようとしていたが、ボンドによって計画は阻止されてしまう。その巨額な損失を取り戻そうとしたル・シッフルは、カジノでポーカーゲームに参加することに。そこにボンドが現れ、ふたりはカジノテーブルを挟み対決する。相手の手の内を読みながら繰り広げられるスリリングなポーカーシーンは、まさしく同作の見どころのひとつだ。
劇中では、ル・シッフルがボンドを激しく拷問する場面も登場。ポーカー対決後、ル・シッフルはボンドを拉致し、裸にして座面を切り抜いた椅子に縛り、ロープで下半身を打ち続けた。その冷徹で容赦ない姿には観客の恐怖心を煽る。マッツの名前を世界に轟かせた怪演に注目だ。
『偽りなき者』(2012)
カンヌ国際映画祭にて上映され、マッツ・ミケルセンが男優賞を射止めた一作だ。
マッツ演じるのは、学校閉鎖による失業や離婚の悲しみを乗り越え、いまでは幼稚園教師として働きながら、猟友会の仲間たちと穏やかな日々を送っていたルーカス。ある日、ルーカスにプレゼントを受け取ってもらえなかったという親友の園児が、ちょっとした彼への仕返しとして嘘を発する。しかし、その園児の作り話によって、ルーカスは児童虐待の疑いをかけられてしまうのだ。この日を堺に主人公の人生は再び大きく狂い始める。
- <
- 1
- 2