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『マンダロリアン・アンド・グローグー』高めのハードルどう越える? ─ 「ドラマ観てない観客にも寄り添う」とジョン・ファヴロー監督

マンダロリアン&グローグー
©2024 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

確かに、考えてもみれば映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』はかなりハードルが高そうな映画ではないだろうか?今や『スター・ウォーズ』というだけで、ある程度、客を選ぶ。我々は『スター・ウォーズ』が大好きで、「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」に出かけては散財して全力で楽しんだが、世間の全員がそういうわけではない。

さらに本作はディズニープラスの配信ドラマ「マンダロリアン」の劇場版である。ディズニープラスは巨大プラットフォームだが、NetflixやAmazon Primeに比べれば加入者数はまだ劣る。それに、ディズニープラスのドラマ設定を劇場映画に持ち込むと一般ファンに理解されず苦労するというのは、マーベル・シネマティック・ユニバースが先に味わっている。

もちろん「マンダロリアン」ファンの我々は、映画『マンダロリアン・アンド・グローグー』の実現に大喜びで、出来によっては何度か劇場に通う覚悟も今からできていることだろう(映画は2026年5月公開)。しかし、すでに全3シーズンも登場しているディズニープラス配信ドラマの映画版というものに、一体世の中でどれだけの人々が反応してくれるのか。ルーカスフィルムは、新しいファンとドラマのファン、その両方に向けた映画製作に取り組まなくてはならない。

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「それこそが私たちが真正面から向き合いたかった挑戦の大部分ですよ」と、本作で監督に挑戦するジョン・ファヴローは米Colliderの問いかけに答えている。「ドラマを観たことがなくても、あのキャラクターたちを知っている人は多い。つまり、単にドラマを観ている人もいればキャラクターを知らない人もいるというばかりでなく、彼らがどんな人物で、どんな原型で、どんな姿をしているのかに馴染んでいる人たちの幅が大きいんです」。

スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー
(C)2025 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved | 2025 Getty Images

本作に登場するグローグーことベビーヨーダは、ドラマ未鑑賞者の間でも何だか可愛いキャラクターとして随分認知されているだろう。「ファンの二次創作で見たことがあるという人、SNSで映像を観たことがあるという人もいるので、そういう人々の理解に寄り添いたいのですが、彼らがドラマの全シーズンで描かれたすべての伝承を知っていて当たり前というわけではない」と、ファヴローは認めている。「どうすればキャラクターやその原型を受け入れつつ、予習必須にしないようにできるのか?」

新たな客層に門戸を開きつつ、「初めからずっと観てくれている人には報われてほしい」とファンサービスも検討している。「もしドラマを観ているのなら、まるで自分だけに語りかけてくるように感じられると思います。それこそが『スター・ウォーズ』の醍醐味ですよね」。

主演はペドロ・パスカル。2025年にはマーベル映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』で主演し、2026年以降も『アベンジャーズ』映画で活躍するから、ますます国際的な人気度を増すことは確実。しかし「マンダロリアン」ではマスクで顔を隠しているから、“ペドロ・パスカル主演”というカードはあまり効力を持たず、キャラクターや世界観、ストーリーによる訴求が重要となる。

もっとも、それはうまくいけば地域や文化を問わない普遍的な魅力がアピールできるということでもある。本作は賛否両論となったスカイウォーカー・サーガ完結後の初の劇場映画となり、今後の『スター・ウォーズ』を占うような重要作。マンダロリアンとグローグーには、大ヒットの大空へとジェットパックで思い切り飛び上がってほしい。

『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は、2026年5月22日(金)日米同時公開。

Source:Collider

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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