なぜ「マンダロリアン」は『スター・ウォーズ』の新アプローチに成功したのか ─ 脚本家コンビが語る創作の秘訣

『スター・ウォーズ』のドラマシリーズ「マンダロリアン」シーズン2が、2020年10月30日(金)よりDisney+で配信される。西部劇や時代劇の要素を取り入れ、シリーズの新機軸というべきアプローチで挑んだシーズン1は、あらゆるファン層を巻き込んで高評価を獲得。さらにスケールアップした物語に期待が寄せられている。
しかし『スター・ウォーズ』への斬新なアプローチは、多くのクリエイターが挑み、そのつど激しい賛否両論を呼んできたもの。脚本・製作総指揮のジョン・ファヴロー&デイヴ・フィローニは、この難題をいかに解決したのか。米Entertainment Weeklyにて、ファヴローは「初めてのテレビドラマだからですよ。映画とは基準が違う」と謙遜しつつ、成功のカギを明かしている。いわく、それはパートナーであるデイヴ・フィローニの存在だったというのだ。

「マンダロリアン」でファヴローとタッグを組むフィローニは、もともと「スター・ウォーズ クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」などのアニメシリーズで脚本やプロデュースを務めてきた人物。「クローン・ウォーズ」の製作時は、創造主たるジョージ・ルーカスのもとで長期間学んだ過去をもつ。
シーズン1の脚本について、ファヴローは、自身が『アイアンマン』シリーズや『ライオン・キング』(2019)などで培ってきた物語の感性と、フィローニの「スター・ウォーズかくあるべし」という判断を融合させたものと語った。かたやフィローニは、ルーカスの作劇をそのまま踏襲することの重要性も強調している。
「すごくシンプルな話で、物事を考えすぎるようなことをしなかったんです。ジョージはとてもアイコニックなキャラクターで物語を始め、彼らの関係性をクリアに示して、そして物語の課題を提示した。僕らの作品にとって、それはザ・チャイルドだったんです。いわゆる“お約束”を守った物語と、たとえば古き良き西部のガンマンのような、おなじみのキャラクターは観客に楽しんでもらいやすい。だから明快なストーリーと、楽しいアドベンチャーにしたんです。それが、たとえ(『スター・ウォーズ』では)観たことのないものであっても。」
脚本について話し合う中では、ファヴローのアイデアに対し、フィローニが「それは『スター・ウォーズ』ではやっちゃダメ」とのジャッジを下したこともあったという。当のファヴローは「映画や『クローン・ウォーズ』を観てアイデアを正当化しようとしていました。裁判官を相手にする検事みたいだった」と振り返るが、それでも、フィローニがOKを出さないアイデアは脚本に採用しなかったという。「彼がジョージに接していたのと同じように、僕はデイヴに接していました」。
シーズン2にも継続されたファヴロー&フィローニのタッグは、きっと前シーズン以上に充実したものとなったのだろう。ファヴローが「デイヴは『スター・ウォーズ』は楽しくあるべき、変化し続けるべきだということを理解しているんです」と賛辞を寄せれば、フィローニもファヴローとの共同作業こそが「フォースにバランスをもたらした」と語っているのである。
ドラマ「マンダロリアン」シーズン2は2020年10月30日(金)よりDisney+にて独占配信。全8話構成。
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Source: Entertainment Weekly