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「マンダロリアン」はスター・ウォーズの「善悪の境界超える」 ─ シリーズ初のドラマ作品は新機軸

マンダロリアン
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2019年、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でスカイウォーカー・サーガは幕を閉じた。しかし幸いにも、日本の『スター・ウォーズ』ファンにはまだお楽しみが残っている。米国では2019年内に全話が配信された『スター・ウォーズ』シリーズ初のドラマ「マンダロリアン」が、ディズニーデラックスにて順次配信されているためだ。

物語の舞台となるのは、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の出来事から5年後。帝国が崩壊し、中央政府を失って混沌が深まる時代だ。主人公の“一匹狼の戦士”マンダロリアン/マンドーを演じるのは、「ナルコス」(2015-2017)や『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)、そして2020年には『ワンダーウーマン 1984』を控えるペドロ・パスカル。素顔をマスクに覆っての出演だが、幼い頃からボバ・フェットが大好きだったとあって、マンドーのビジュアルを「『スター・ウォーズ』で一番クールなルックス」と語る。

そんなパスカルは、AP Newsにて、「マンダロリアン」と従来の『スター・ウォーズ』作品には決定的な違いがあると語った。西部劇の影響も色濃く見てとれるダークなテイストは、作品の雰囲気にとどまらないという。

「『スター・ウォーズ』の世界では善と悪が完璧に分けられています。今回の作品で、僕たちはその中間に迫っているような感じ。(善と悪の)境界を越えていきます。非常に断定的で具体的な、定義の線引きを超えていくんです。」

これに同意するのが、傭兵キャラ・デューン役のジーナ・カラーノだ。「私たちの役柄は、どちら側にでも身を置くことができるんです。私たちのひとりひとり、全員がです。『マンダロリアン』の物語が始まった時、誰がどちら側なのか、誰にも分からないんですよ」。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)が示した曖昧な倫理観、善と悪が揺らぐ物語は「マンダロリアン」が継承したということだろうか。

脚本・製作総指揮は『アイアンマン』(2008)や『ライオン・キング』(2019)のジョン・ファヴロー。同じく製作総指揮として、「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」のデイブ・フィローニも参加した。『スター・ウォーズ』としては異色の作品だが、ジーナはファヴロー&フィローニに絶大な信頼を示している。「これはファンのための作品。だって、作っている2人が『スター・ウォーズ』のファンですから」

一方、ルーカスフィルムの秘密主義に触れながら、「マンダロリアン」もまたれっきとした『スター・ウォーズ』なのだと強調するのは、賞金稼ぎたちのギルドリーダーであるグリーフ・カルガ役の名優カール・ウェザースだ。「彼ら(製作陣)は『スター・ウォーズ』を、ストーリーを、『マンダロリアン』を、そしてブランドをしっかりと守ろうとしています。きちんと筋が通っているし、それは僕たちみんなが守りたいものですしね」。

ドラマ「マンダロリアン」は、2019年12月26日(木)より「ディズニーデラックス」にて国内独占配信中(毎週金曜日に新エピソード配信)。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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