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「マンダロリアン」は描かれざる『スター・ウォーズ』銀河史の空白埋める ─ 『フォースの覚醒』開始時点まで25年、「闇の力が甦るまでの時間」

マンダロリアン
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『スター・ウォーズ』シリーズ史上初のドラマシリーズ「マンダロリアン」が、ディズニーデラックスにていよいよ日本上陸となった。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でのスカイウォーカー・サーガが完結した今、『スター・ウォーズ』の新たな歴史は名もなきマンダロリアンの手に委ねられた…のかもしれない。

本作で製作総指揮・脚本を務めるのは、『アイアンマン』(2008)や『ジャングル・ブック』(2016)、『ライオン・キング』(2019)のジョン・ファヴロー。米The Hollywood Reporterでは、「マンダロリアン」を通じて『スター・ウォーズ』の物語を紡ぎ出すことへの熱意を語っている。

「(『マンダロリアン』の)全体的なストーリーをどうするのか、キャラクターそれぞれのストーリーラインはどうなのか、世界観はどのようなものか、という検討をデイブ・フィローニ(製作総指揮・監督)とともに一生懸命進めているところです。自分たちの道筋を確かなものにしておきたいのは、我々もまた『スター・ウォーズ』という大きなユニバースのパズルの1ピースだから。ほかにもいろんな映画や企画がたくさんありますし、それらとは足並みを揃えたいと思っているんですよ。」

「マンダロリアン」の舞台となるのは、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)から5年後、中央政府を失って混沌が深まる時代だ。もっと言えば、『フォースの覚醒』(2015)の物語が始まるまでには25年というギャップがある。実写作品としては未開拓の歴史を埋めるにあたって、ファヴローは「ストーリーテラーとしては非常に面白い時代です」と語っている。「帝国が崩壊したあと、闇の力が甦ってくるまでの時間ですから」

以前、デイブ・フィローニは「マンダロリアン」で描かれる時代について「デス・スターを2つ吹き飛ばしたからといって、世界が善人ばかりになるわけではない」と述べた。すなわち、なぜ宇宙はファースト・オーダーの台頭を許してしまったのか、その背景を描く余地が示唆されているのだ。

「マンダロリアン」には主人公の“一匹狼のガンファイター”マンダロリアンのほか、傭兵の女性キャラ・デューン、賞金稼ぎの重鎮グリーフ・カルガ、暗殺ドロイドIG-11、元帝国軍総督のモフ・ギデオンといったキャラクターが登場。今後、映画やテレビでさらなる展開を見せるであろう『スター・ウォーズ』ユニバースだが、ファヴローは本作の登場人物がほかの作品に現れることも「確かにありえます」として否定していない。

「映画館で観られるものと、自宅のスクリーンで観られるものの境界線はかなり揺らいでいます。一度の鑑賞体験だけでなく、数時間かけたストーリーを描けるのはすごくエキサイティングなこと。ほかの道筋と交わるのも時間の問題だと思いますね。」

シリーズは全8話構成で、エピソード監督には「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」を手がけたデイブ・フィローニのほか、『ハン・ソロ』(2018)ロン・ハワード監督の娘であり、『ジュラシック・ワールド』などの女優ブライス・ダラス・ハワード、オビ=ワン・ケノービの単独ドラマに抜擢されたデボラ・チョウ、リック・ファミュイワ、そしてIG-11の声を担当するタイカ・ワイティティなどが就任している。

ドラマ「マンダロリアン」は、2019年12月26日(木)より「ディズニーデラックス」にて国内独占配信(第2話は2020年1月3日(金)配信開始、以降は毎週金曜日配信)。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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