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『マンダロリアン シーズン1 コレクターズ・エディション スチールブック』、ファン目線でここがアツい ─ 細かすぎて伝わらない劇中小ネタも解説

ザ・マンダロリアン
Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

“完璧な「スター・ウォーズ」”として多くのファンから愛されるドラマ「マンダロリアン」シリーズ。2019年にディズニープラスで配信が開始されてから現在までに合計3シーズンが製作され、スピンオフとしてドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021)も登場。さらには劇場映画化も決定しており、その人気は留まるところを知らない。

そんな「マンダロリアン」が円盤化されると聞いて歓喜した「スター・ウォーズ」ファンは多いのではないだろうか。2024年3月27日に待望の発売となる『マンダロリアン シーズン1』のBlu-ray/4K UHD コレクターズ・エディション スチールブック(数量限定)には本編映像の他に、ボーナス・コンテンツ映像2本(「帝国軍の残党」と「製作の舞台裏:パート1」)、コンセプト・アートカードセット3枚、スチールブックケースとたくさんの特典が付いてくる。具体的な特典内容はファンの気になるところであろう。

マンダロリアン
Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

本記事では、魅力がたっぷり詰まった『マンダロリアン シーズン1』Blu-ray/4K UHD コレクターズ・エディション スチールブックの中でも、特に「スター・ウォーズ」ファンの心に突き刺さるであろうポイントを厳選して紹介。さらに、シーズン1に隠された細かな小ネタも掘り下げて解説する。

制作スタッフたちの言葉に一貫する圧倒的なルーカス愛を感じろ!

ボーナス・コンテンツとして収録される特別映像「帝国軍の残党」では、製作陣がいかにして“帝国崩壊後”の世界観を作り上げていったかについて知ることができる。小道具担当がオリジナル三部作の制作においてブラスターがどのような過程で作られたかを調べていたり、視覚効果チームでは“当時の映像の質感に近づける”ことを指針としていたりと、オリジナル三部作の地続きとしての世界観を作り出すため、地道な努力が行われていたことが語られる。

各方面から本作の制作に関わったスタッフのインタビューが聞けるのだが、彼らの言葉に共通している点が1つある。“ジョージ・ルーカス”だ。彼らの言葉を引用すれば、「マンダロリアン」の制作陣がルーカスの「スター・ウォーズ」をいかに深くリスペクトし、その遺産を継承して制作を進めたのかが分かるであろう。

製作総指揮・クリエイター・脚本 ジョン・ファヴロー「伝統を守り続ける責任がある。元になるのはジョージが作った世界だ」

デザイン監修・共同製作 ダグ・チャン「本作では旧三部作と新三部作のデザインを結合し、ジョージが望んだ世界を創り上げられる」

製作総指揮・監督・脚本 デイブ・フィローニ「僕らは道を逸れないよう、ジョージが成したように、彼の物語を紡いでいく」

フィローニによる「マンダロリアン」誕生の瞬間を目撃せよ!

続くボーナス・コンテンツ「製作の舞台裏:パート1」では、「マンダロリアン」のキャラクターや物語の設定がどのように作られたかについて興味深く解説される。製作総指揮を務めた重要人物のジョン・ファヴローやデイブ・フィローニはもちろん、制作に関わったスタッフたちのインタビューを、本編映像を交えながら聞くことができるいう構成だ。マンドーの船<レイザー・クレスト>をデザインする上で原型となった航空機や、グローグーがどのように演じられていたのかが明かされるなど、貴重な裏話が披露される。

マンダロリアン
Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

注目のポイントは映像冒頭。初回の製作会議でファブローから作品の構想を聞かされたフィローニは、帰りの機内でそのイメージを具現化したスケッチを描いたという。それは、後にシーズン1第1話のエンディングシーンとなる、“マンダロリアン”と“ザ・チャイルド”が初めて対面するシーン。いわば「マンダロリアン」の方向性を決定付けた原風景のような存在の絵である。

贅沢なことにこのボーナス・コンテンツでは、実際にデイブ・フィローニ本人がその“原風景”をスラスラと描いていく様子が映されている。「マンダロリアン」がこの世に誕生した瞬間の再現映像を、画面越しに目の当たりにすることができるのだ。ずっと「マンダロリアン」を追ってきたファンであれば、マッドホーンの卵に歓喜し「スーカー!」と叫ぶジャワのように画面に釘付けになること間違いないであろう。

マンダロリアン
Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

マンダロリアン愛の結晶、それがスチールブック

これらのボーナス・コンテンツと本編映像が収められた2枚のBlu-rayディスクは、スチールブックに収納される。スチールブックとは通常のプラスチック製ケースとは違い、メタリックな素材で作られた高級感あふれるパッケージのこと。カバーにもオリジナルアートが描かれており、ファン心をくすぐるアイテムだ。

シーズン1のスチールブックには、表面にディン・ジャリンとグローグー、裏面に惑星アーヴァラ7でブラーグにまたがるクイルとその上空を飛ぶレイザー・クレストが描かれている。DVD・Blu-rayのコレクション棚に加えるもよし、マンダロリアンのフィギュアの背景として飾るもよし。サインを書いてもらう用のグッズにするのも最高ではなかろうか。折しも2025年には「スター・ウォーズ・セレブレーション ジャパン」が控えている。来日ゲストは未定であるが、「マンダロリアン」のキャストからこのスチールブックにサインをもらうことができれば、ファンとしては格別な宝物となるであろう。

4K UHD コレクターズ・エディション スチールブック

そんなスチールブックの背後を固めるのがアートカードセット。カードは横長で、コンセプトアートが施されている。追い詰められたディン・ジャリンとIG-11、前述したディンとグローグーの出会い、そしてディンの肩越しに何とも言えない愛らしい表情を見せてくれるグローグーの3枚だ。寸法はおよそ116mm×146mmで、ポストカードと同じくらいの大きさ。スチールブックと一緒に飾りたいものだ。

【解説】『マンダロリアン シーズン1』の小ネタを振り返る

何度見ても新たな発見があるのが「スター・ウォーズ」の醍醐味である。特に「マンダロリアン」には、これまでの映画やアニメーション作品の要素が多数盛り込まれており、各作品が時代を経てつながっていることを感じさせてくれるドラマだ。本記事の最後に、「スター・ウォーズ」ファンにしか伝わらない、でも「スター・ウォーズ」ファンのみんなで分かち合いたい、細かすぎるイースターエッグや注目ポイントをおさらいしていく。円盤が届いたら、高画質な4K UHDでじっくり確認してほしい。

まず気になるのが、第1話冒頭でジャリンにけんかを売った男が話す言語。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の追加シーンのように字幕が出るので、あまり注目されないかもしれないが、あれはハット語である。スター・ウォーズ世界の言語を詳述したベン・バートによる書籍「Galactic Phrase Book & Travel Guide(未邦訳)」の記述を参考にすると、いくつかの単語を聞き取ることができるのだ。

ここで取り上げるのは「ウバハサ ミヨコラ」と言っているセリフ。日本語字幕では「俺の酒をこぼした」と表示されている。同書によると、uba(ウバ)は「あなた」という意味で、yocola(ヨコラ)は「酒」を意味するという(Burtt, 2001, pp46-47)。少しでも言葉が分かると秘密の暗号を解読したようでワクワクするものだ。

ザ・マンダロリアン(原題)
(c) 2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

「マンダロリアン」がルーカスの「スター・ウォーズ」の継承作品であることを意識すると、原点である『エピソード4/新たなる希望』をオマージュしたカットの多さも実感できるであろう。第1話で雪原をスピーダーが走るショットは、画面配置だけでなく効果音も含めて、ジャンドランドの荒野にR2を捜しに出たルーク・スカイウォーカーのスピーダーを連想させる。また、第5話でのタトゥイーン着陸までのシーンは、『エピソード4/新たなる希望』のオープニングシーンそのままの画角であり、モス・アイズリーへ飛ぶレイザー・クレストを映すショットは、ルークとオビ=ワン・ケノービが同じ宇宙港を見渡した時とほとんど同じのように見える。


また、シーズン1を通して見えてくるつながりとして、第2話と第7話のとある共通点がある。第7話においてグローグーはフォースでカルガのケガを治すが、第2話でもジャリンの傷を癒やそうとしていたのではなかろうか。賞金稼ぎたちに襲われた後、夜営時に自分のケガを手当していたジャリンに、グローグーが手を伸ばしている。グローグーの表情や音楽などの演出に、第7話との類似性を見いだすことができる。

『マンダロリアン シーズン3』までが製作された今、見返すと味わいが変わるポイントにも注目していこう。まずは第1話でネヴァロの街を歩くシーン。ここではコワキアン・モンキー・リザードが丸焼きにされて食されている。その後、上級監督官グリーフ・カルガの統治により治安が良くなったシーズン3では、コワキアン・モンキー=リザードの群れが木の上で伸び伸びと過ごしている、という変化が見られる。

また、シーズン1第3話でグリーフ・カルガがジャリンに渡した手配書のモン・カラマリの貴族は、シーズン3第6話の冒頭で登場している。グローグーのおかげで、モン・カラマリとクオレンの種族を超えた駆け落ちロマンスは、少しの猶予を得られていたのだ。

マンダロリアン
Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

最後に、シーズン1の第1話から続く「アーマラーのベスカー鍛冶を前にすると、過去の辛い記憶が蘇る」という演出。シーズン3第4話でグローグーも同様に、カレラン・ベクによる救出を鍛冶場で思い出すこととなった。アーマラーのセリフを踏まえた上で、シーズン1のジャリンによる回想シーンと向き合うと味わいが変わってくる。「マンダロリアンの鋼を鍛えるように、我々は己を鍛える。誰しも最初はただの原石だ。試練や逆境に耐え抜いて、自分を錬磨していく」。


「マンダロリアン」をいつでも心ゆくまで堪能できるコレクターズ・エディションスチールブック。ボーナス・コンテンツから本編の細かなところまで、何度でもじっくりお楽しみいただきたい。有無は言わせん。

『マンダロリアン シーズン1コレクターズ・エディション スチールブック』は、2024年3月27日(水)Blu-ray版と4K UHD版が発売。※『マンダロリアン シーズン2 コレクターズ・エディション』は4月24日発売。なおTHE RIVERでは、シーズン2についての特集記事も掲載予定だ。引き続き細かな解説をお楽しみに。

『マンダロリアン シーズン1』
Blu-ray コレクターズ・エディション スチールブック(数量限定)
4K UHD コレクターズ・エディション スチールブック(数量限定)
3月27日(水)発売

Star Wars © & TM Lucasfilm Ltd. LLC. All Rights Reserved. Used Under Authorization.
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン

Supported by ウォルト・ディズニー・ジャパン

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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