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【ネタバレ】「マンダロリアン」シーズン3第1話、重要な伏線と小ネタ解説

マンダロリアン
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「マンダロリアン」シーズン3チャプター17『背教者』のネタバレが含まれています。

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『スター・ウォーズ』ドラマ「マンダロリアン」シーズン3チャプター17『背教者』は、チルドレン・オブ・ザ・ウォッチの長のような存在であるアーマラーが、ベスカーを大槌で叩いてヘルメットを作る場面から始まった。そのヘルメットは、孤児を新たに正式な一員として迎えるためのものであった。水辺で儀式を執り行っていると突然、巨大なワニのようなクリーチャーがマンダロリアンたちを襲う。

戦士たちはブラスター、火炎放射器、グレネードにグラップリングラインと、ありとあらゆる武器で立ち向かうが、全く歯が立たない。もはや絶体絶命かというタイミングで、N1スターファイターに乗ったディン・ジャリンが登場。『エピソード1/ファントム・メナス』(1999)でアナキン・スカイウォーカーが通商連合の司令船に攻撃した時のように、プロトン魚雷を発射し、華麗に巨大生物を葬り去る。

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ディンの訪問の目的は、償いの可能性をアーマラーに認めてもらうことにあった。「ボバ・フェット」で再会した際は、償いのため訪れるべき鉱山は破壊されたと言及されたが、ディンは惑星マンダロアの地表で拾われたという碑文を見せて説得を試みる。アーマラーは、ディンが鉱山の下の泉に入った証拠を持ち帰ることで、償いと見做すことを黙認した。

ちなみに、アーマラーの「これを見る限り、マンダロアの全地表は核光線で結晶化してる」という答えから、マンダロアを汚染するものの正体は核攻撃による放射能汚染だと推測できる。前例として、小説『スター・ウォーズ ファズマ』では、キャプテン・ファズマの故郷の星パナソスが、過去の核爆発により汚染されていることが描かれている。

ディンが次に向かったのは、上級監督官となったグリーフ・カルガが治める惑星ネヴァロ。シーズン2のチャプター12で帝国残党の基地が一掃されたことで、経済的にも文化的にも一層の繁栄を見せた。ディンの目的は、シーズン1最後のモフ・ギデオンとの戦いで自爆したIG-11を復活させ、マンダロア探索の助けを得ることであった。

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修理を試みるも、IG-11のプログラムは賞金稼ぎ時代のものに戻ってしまっていた。そこでカルガから、最高のドロイド職人としてアンゼラン種族の職人たちが紹介される。しかし、彼らにも記憶回路がないとそもそも修理ができないと言われてしまうのであった。

筆者には、登場した3人のアンゼラン種族の内の1人が『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)に登場したバブ・フリックであるのかどうか、見分けを付けることはできなかった。

ディンは回路を探す前に、マンダロア星系の惑星カレヴァラにいるボ=カターン・クライズに会いに行く。シーズン2でマンダロア奪還作戦に誘われていたため、協力を得られると思ったのであろう。だが、ダークセーバーを勝ち取る機会を失った彼女は自暴自棄に陥っていた。あえなく拒否されるも、泉が首都サンダーリ官庁街の下にあることを教えてもらい、ボ=カターンの城を後にする。

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壮大な物語の始まり

本話は展開のスピードが速く、シーズン3の下地作りのために必要な要素を詰め込んだ印象を受けた。本シーズンで扱われていきそうな大きなテーマとして、赦しを求めるディン・ジャリンにザ・ウォッチがどう対応するのか、失意のボ=カターンがどう動くか、そして両者がどのように関わるのかが気になるところだ。

ザ・ウォッチはシーズン1で散り散りとなり、「ボバ・フェット」でアーマラーと行動を共にしていたのはパズ・ヴィズラ1人のみであった。だが今回、次世代を担う子供たちも含め、結束した一定数の集団へと回復を遂げていたことが描かれている。ディンは償いを果たすことができるという泉で何を見るのか、ザ・ウォッチはディンとグローグーを再び仲間として受け入れることはあるのか、注目したい。

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一方で、ボ=カターンの一派は完全に崩壊している。また、彼女自身がひどく意気消沈しているため、物語の流れに入ってくるためには、きっかけとなる大きな出来事が必要となりそうだ。今回はザ・ウォッチへの恨みを吐露したが、ボ=カターンが動き出した時にザ・ウォッチにとって敵となるのか、はたまた味方となるのか気になるところである。

本話はテンポが速くはあったが、細部への気配りを感じられる演出も見ることができた。惑星ネヴァロの描写では、コワキアン・モンキー=リザードが対比にうまく活用されている。シーズン1の第1話において、近く種族であるはずの彼らはケージに閉じ込められて丸焼きで売られていたが、本話では晴れて自由の身となり、木の上でのんきに過ごしていた。

ちなみに本話のタイトル『背教者』は、「ボバ・フェット」でディン・ジャリンがヘルメットを脱いだ罪を告白した際に、パズ・ヴィズラが言い放った「背教者は去れ」(Leave, apostate.)からの引用となっている。

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また、パーギルの登場という重要な伏線も張られた。ハイパースペース航行中にグローグーが見た巨大クジラのような影の正体であるパーギルは、生身でハイパージャンプをできる伝説の生物であり、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」(2014-2018)で初登場。同作の実質的な続編となりそうなドラマ「アソーカ」が2023年秋の配信と報道される中、登場が予告されているエズラ・ブリッジャーとゆかりのある存在を先取りして登場させた形となった。

「毎週がクリスマスプレゼント」と予告されている本シーズン。来週のプレゼントにも期待したい。

「マンダロリアン」シーズン3はディズニープラスにて独占配信中。

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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