【もはや特殊メイク】イタリア人衣装デザイナー、マヌエル・ド・アンドレア氏のコスプレがさすがに本気すぎる

イタリアの衣装デザイナーおよびメイクアップ・アーティスト、そしてグラフィック・デザイナーとして活動するマヌエル・ド・アンドレア(Manuel D’Andrea)。彼はそのスキルを活かし、自ら制作した衣装と、そしてメイク技術を駆使して、2011年から高レベルなコスプレイヤーとしても活動している。
日本で「コスプレ」というと、どちらかと言えばオタク・カルチャーのイメージが強いが、欧米では古くからハロウィンなどにおける仮装の文化が根付いているため、コスプレというものに対しても、誰でも楽しめる仮装という考え方が根底にあるのだろうと思う。そのため比較的多くの人々に受け入れられ楽しまれているように感じる。
しかしアンドレアのコスプレは、そんな気軽に楽しむコスプレのレベルを遥かに超えている。今回はアンドレアによる洗練されたコスプレの数々をご紹介したい。
容姿とスキルを活かした魅惑のコスプレ
『塔の上のラプンツェル』のフリン・ライダー
まずは、バイロン・ハワードとネイサン・グレノの共同監督によるアニメーション映画『塔の上のラプンツェル』のフリン・ライダーのコスプレ。アンドレア自身の顔の造形がすでにアニメーションの世界に足を踏み入れかけている上、またもちろんそれを本人も十分熟知しているようで、特にディズニーのアニメーションをテーマにしたようなものは、まさにアニメの世界を地でゆくようにマッチしていて高クオリティーである。そして自作衣装の完成度レベルが高い。
『トレジャー・プラネット』のジェームス・プレアデス・ホーキンス
ロン・クレメンツとジョン・マスカーの共同監督による『トレジャー・プラネット』のジェームス・プレアデス・ホーキンスのコスプレ。対象がシンプルなだけに、本人の素材とメイク技術が肝になってくるはず。本人いわくこれはあくまでテストらしいが、日本人がチャレンジすると単なる無名の一般人にしかならないコスプレに違いない……。
1953年版ディズニー・アニメのピーター・パン
王道ピーター・パンのコスプレ。厳密には1953年のディズニー長編アニメに登場するピーター・パン。アンドレアのコスプレ対象のチョイスの多くはアニメーションであり、さらにギミックの少ないシンプルなキャラクターが目立っている。ただしそのキャラクターが潜在的に持つわずかなギミックの扱いに長けているのではないだろうか。
祖母と共演する『ハウルの動く城』
個人的に注目したいのは、85歳の自身の祖母との共演による、宮﨑駿監督のスタジオジブリ作品『ハウルの動く城』のコスプレだ。アンドレアは物語の主役である魔法使いのハウル、そして祖母はもうひとりの主役、荒地の魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまったソフィー・ハッターのコスプレをしている。正に実写版『ハウルの動く城』と言える完成度、そしてその衣装やメイクもさることながら、自身の祖母を巻き込んでいる辺りに感動すら覚える。