マーク・ハミル、ジョージ・ルーカス、ハリソン・フォードのスピーチ全文和訳 ─ ハリウッド殿堂入り記念式典

映画『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役、TVアニメ「バットマン』シリーズのジョーカー役声優として広く知られる俳優のマーク・ハミルがその功績を認められ、2018年3月8日(現地時間)、ハリウッドの殿堂入りを果たした。米ロサンゼルス「ウォーク・オブ・フェイム」にて2,630番目の星が授与された。

エル・キャピタン・シアター前で執り行われたこの記念式典には、マーク・ハミル本人はもちろん、『スター・ウォーズ』ハン・ソロ役で共演のハリソン・フォード、そして創造主ジョージ・ルーカスほか、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のライアン・ジョンソン監督、故キャリー・フィッシャーの娘で女優のビリー・ラード、『最後のジェダイ』ローズ役ケリー・マリー・トラン、ルーカス・フィルム社長キャスリーン・ケネディ、R2-D2も出席。ストーム・トルーパーが警備にあたる中、マーク・ハミルとハリソン・フォード、ジョージ・ルーカスがスピーチにあたった。

エンターテインメント界における長年の活躍がようやく認められ、ハリウッドの地にその名が刻まれた名誉はファンとしても大変喜ばしいのはもちろんのこと。ジョージ・ルーカスとハリソン・フォードもが揃って公の場で『スター・ウォーズ』について語るという点でも、近年稀にみる貴重な機会となった。これを見逃さぬべく、ジョージ・ルーカス、ハリソン・フォード、そしてマーク・ハミルが語った内容を全文お伝えしたい。

なお、米Varietyによる上映像では、ジョージやハリソンのスピーチに傍らで聞き入るマークの姿にも注目だ。特にジョージのスピーチの際には、前半こそまるで親しい恩師と生徒のような空気感の中、ジョージの話におどけてみたり、ふざけてみたり、笑ってみせたりするが、話の終盤ではジョージの姿を真っ直ぐ見据えて感慨深げに聞き入る姿が印象的である。

ジョージ・ルーカス スピーチ全文訳

「マーク・ハミルは、書き表わせるキャラクターではありません。やると決めたら、とてつもなく熱心。辺境の地の農場で育ち、世の中に対してナイーブな若者だけど、熱意に溢れているという、私が探し求めていたルーク・スカイウォーカー像そのものでした。彼はその気概を示してくれたのです。

(ルーク役の)キャスティングは長くかかりましたが、スクリーン・テストの後に確信しました。彼は良い役者であるだけでなく、『スター・ウォーズ』の他のキャストたちともとても相性が良いぞと。私は3人のキャストのアンサンブルを常に考慮していましたから。3人はとても仲良くしてくれて、少なくとも化学反応のような…、何はともあれ、化学反応だったよね。それがいつでも良いものかはわからないけど、とにかく化学反応があった。裏で起こったことの火消しをすることもあったけど…。

でも、マークがスターを得られて本当に誇らしいです。ずっと一緒にやってきましたから。何年かかったか言うつもりはないけれど、あのキャスティング・セッションから、このハリウッド大通りでスターを貰うまで、ずいぶん長い道のりだったよね。その間に、ちょっとした映画がほんの数本、TVシリーズが2、3作あったね。長かったよね。

これは、道の終わりに向っているようなものですね。この道の始まりがどうだったかをお話して、その道中にあった経験にフタをして…、そんなところかな。まだまだ彼は映画をやれる年齢だと思うけどね。(マーク・ハミル「あなたも」)え?(マーク・ハミル「あなたもですよ」)いや、僕はもう…。」

ハリソン・フォード スピーチ全文訳

「(集まった人々を見渡しながら)あぁ、僕がスターを授与された時の方が、よっぽど集まってたな。もっといたよ。

このスピーチに挑むにあたって、マークと行ったスクリーン・テストの時のことを思い返していたんですが、”コイツ、上手いじゃないか”って驚いたものでした。当時は上手いと思っていなかったんですが、大したものだなと。若さと熱意を上手くブレンドしていてね。確か当時ジョージが、この映画は宇宙の乗り物とか宇宙的な概念がたくさん登場するから、そんな世界観に馴染む主人公が必要なんだと言っていて。マークは世界観にも馴染むし、また真面目でもあった。しっかりやってくれたと思うよ。

今日のことを考えると、トリオの1人がこのお祝いに出席できなくて残念に思います。でも、彼女が来てくれているような気がするんです。

マークは僕にとって珍しい友達で、僕たちの人生は、ある程度まで分岐していたと思う。彼は、平穏で、誠実で、実直な人物としての自分の人生の過ごし方を心得ている。決して目立ちたがり屋ということはない。自分にとって心地よく、うまいやり方を見つけたんでしょうね。

君が自分の運命をコントロールしていて、僕は嬉しいよ、相棒。おめでとさん。」

マーク・ハミル スピーチ全文訳

「皆さん、ありがとうございます。言葉にならない思いです。この感謝や喜び、このような形で認めてくださった嬉しさを伝えきることができません。こんなに言葉が出ないのは、『フォースの覚醒』以来ですよ。

ジョージ・ルーカスには心から感謝です。正直に言いましょう、ジョージ・ルーカスという天才がいなければ、僕が今日ここ立つことはありませんでした。誰が何と言おうと、彼は私の人生を永遠に変えてくれて、今でもその残響があるんです。

初めてハリソン・フォードと会った時、僕は既に彼のファンでした。フランシス・フォード・コッポラ監督の『カンバセーション…盗聴…』(1974)に、お気に入りは『アメリカン・グラフィティ』(1973)。そんな彼が、世界最高のムービースターになるなんて予想だにしませんでした。確かなことは、僕は偉大な存在たちに囲まれて、彼は映画史上最高の俳優であるということ。彼からは、こんなアドバイスも貰ったものでした。(ハリソンの声真似で)”おい小僧、調子に乗るなよ。”これを、今日の日まで覚えておこうと。

それから、はるばるここまで来てくれた家族にも感謝です。兄弟のウィルにパトリック、姉妹のテリー、ジーニー、ジャン。とても感慨深いですね。みんな、僕の人形劇や手品、ジェリー・ルイスやリチャード・ニクソンの酷いモノマネの最初のお客さんとして無理やり付き合ってくれましたから。延々とやっていたから、しんどかったでしょう。

大人になってからも、こんな風に子供のころから大好きだったことを続けられて、しかもお金まで頂けて、僕はどんなに幸運なことか。僕の初めてのショーはメルローズ通りでした。夏には横浜高校を出て、レコード業界の方に紹介してもらった人のツテでいくつかのエージェントのオーディションを受けました。その年のクリスマス前には映画俳優組合に加盟していました。大学には在学しなければいけませんでしたが、翌年の夏にはプロとして仕事を3つも頂いて。ああ、こんなものかと思ったものですが、違うんですよね。たまたま強烈に運が良かったんです。そのことを忘れたことはありません。

このような栄誉を頂いて、ハリウッド商工会議所に御礼申し上げます。それから、僕をファミリーに迎え入れてくれたディズニーにも。毎週日曜日には、ディズニーの番組を欠かさずに観て育ちましたし、映画もすべて観ていて、とてもインスパイアされました。もしも俳優になれなかったとしても、大工やカメラマンや衣装スタッフにもなれるかもしれない、と。僕は料理の腕も悪くないから、映画の現場にケータリングもできるかも、とか。とにかく(ショウビズ業界に)携わりたかった。出演できなかったとしてもいいから、ショーと近い場所にいたかったんです。

最後に、そして何よりも、今日ここにお集まり頂いた皆さん、本当にありがとうございました。皆さんは、良い時も悪い時も、いかなる時も共にいてくれました。皆さんのおかげで、僕があります。ジェダイからジョーカーに至るまで、素晴らしい経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。皆さん一人一人が、フォースと共にあらんことを。(ジョーカーの笑い声で)ハーッハッハッハッハッハッハッハー!」


ABC NEWSでは、この祝典に駆けつけた数多くのファンの姿を空撮映像にて収めている。

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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