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『マトリックス』新作、ユーザーにあわせて時刻が変わるティザー予告の仕組みとは

マトリックス レザレクションズ

1999年、世紀末に公開されたマトリックスは、今なおSF映画の歴史を変えた伝説的傑作として畏怖されている。

それから時代は変わり、シリーズ4作目となる最新作『マトリックス レザレクション』が2021年12月に全世界公開されることが決定。ティザーサイト「WhatIsTheMatrix.com」がオープンしたのだが、ここで視聴できる“インタラクティブ・トレーラー”の不思議な技術に注目が集まっている。

「WhatIsTheMatrix.com」を開くと、真っ白な画面に赤と青のカプセルが現れる。1999年の『マトリックス』は、実は我々の生きる世界は仮想空間で、本当の自分たちは機械に管理された世界で眠っているという哲学的なコンセプトの物語。主人公は赤と青のカプセルを差し出され、「青い薬を飲めばこの世界にとどまる/赤い薬を飲めば世界の真実を知ることができる」という究極の選択を迫られる。言わずもがな、「WhatIsTheMatrix.com」はその再現だ。

実際のところサイトでは、赤と青のどちらを選んでも、(内容は異なるものの)最新作のティザー映像を楽しむことができる。この映像に気になる仕掛けが施されている。赤を選んだ映像では「時計は今 午前/午後◯時◯分だが、真実は誰にも分からない」と、青なら「確かなのは、今が午前/午後◯時◯分だということ」とナレーションされ、映像にも実際の現在時刻が反映されるのだ。これは全世界どこからアクセスしても、ユーザーのいる場所にあわせて変化することになっている。たとえばスペインからアクセスすれば、字幕もスペイン語に変わる。そしてナレーションと時刻表示も、この映像を見ている時刻にあわせて变化するわけである。

これはいったいどういう仕組みなのか?答えは簡単だ。Webブラウザのサイト名に表示される「なぜ 気づかない」がヒント。つまり我々が生きているこの世界は、まさに『マトリックス』で描かれたように仮想世界なのである。本当のあなたは今、どこか別の場所で眠っているのだ。そこでの人類は機械に支配されているので、あなたは「まるで自分にあわせて映像が変化している」ように錯覚できるリアルな夢を見させられているに過ぎないである。ありえないと言うのなら、デカルトでも連れてきて、その理由を証明してみてほしい──。

……と、からかうのは止めておいて、ユーザーにあわせてコンテンツが変化するこの“インタラクティブ・トレーラー”の仕組みは、思ったよりもシンプルだ。

赤か青のカプセルを選択した後、おなじみの“マトリックスコード”の1秒ほどの短い映像がカットイン。その後、45秒のティザー映像が流れる。

このティザー映像、閲覧ユーザーの時刻にあわせて音声や映像を動的に生成しているわけではなく、あらかじめ用意された1,440通りの映像、つまり午前0時00分から午後11時59分までのバージョンの映像を、どうやら出し分け再生しているものと見られる。ナレーションを行った赤と青の2人の俳優は、「AM」「PM」パターン、0時から12時のパターン、そして0分から59分のパターンの声を一通り収録、これらを組み合わせて1,440通りの映像が作成されたものと考えられる。

と聞くと、手間はかかれど比較的簡単なように思われるかもしれないが、プログラムの詳細は外部から確認できなくなっている。革新という言葉が似合う『マトリックス』の新作らしい、斬新でワクワクするようなプロモーションだ。

映画『マトリックス レザレクションズ』は2021年12月公開予定。日本時間2021年9月9日夜10時には、初の予告編映像も公開される予定。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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